就労移行支援を実施していく際、事前に作成した個別支援計画に沿ってサービスが提供されます。
ですが、障害のある方が実際に就労移行支援を利用していくと計画書の内容と提供したほうがいいサービス内容に乖離が出てくることがあります。
あくまで、計画書は事前に立てた設計であり、実際に指導を受けてみたり検証してみる中でより良い方法を発見していきます。
そんな就労移行支援のモニタリングについて確認していきます。
就労移行支援におけるモニタリングとは?
就労移行支援の実施は各利用者ごとの個別支援計画に基づいて行われますが、これらに沿って実施しているサービス内容を定期的に見直します。
そうして、より利用者にとって最適なサービス内容にできるようにしていくことを「モニタリング」といいます。
日々の利用者の方々の様子を確認するのが目的であり、決して「利用者の方が目標に
向けてどれほど頑張れたか」を評価するものではありません。
「就労移行支援のスタッフがどのように支援して、その結果、利用者の方の満足度はどうか」を問うものです。
そして、このモニタリングには一定の期間が設けられており、国による基準も一覧で提示されています。
モニタリングには継続して実施する期間がある
モニタリングの期間に関しては、国による目安を提示し、それを基準にかく自治体が必要に応じて期間を伸ばすなど対応を決めます。
国が定める標準期間
① 新規又は変更により就労移行支援サービスの種類、内容、量に著しく変更があった者
→利用開始から3ヶ月間、毎月
② 在宅の障害福祉サービス利用者(就労移行支援、障害児通所支援を含む)又は地域定着支援利用者 ※①を除く
→毎月
ア 以下の者 → 毎月
・ 障害者支援施設からの退所等に伴い、一定期間、集中的に支援を行うことが必要である者
・ 単身の世帯に属するため又はその同居している家族等の障害、疾病等のため、自ら指定障害福祉サービス事業者等との連絡調整を行 うことが困難である者
・ 常時介護を要する障害者等であって、意思疎通を図ることに著しい支障があるもののうち、四肢の麻痺及び寝たきりの状態にあるもの並 びに知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する者(重度障害者等包括支援の支給決定を受けていない者に限る。)
イ ア以外の者 → 6ヶ月ごとに1回
③ 障害者支援施設、のぞみの園、療養介護入所者、重度障害者等包括支援※①及び
④を除く → 1年ごとに1回
④ 地域移行支援、地域定着支援 → 6ヶ月ごとに1回
このように、就労移行支援をはじめ、いくつかの福祉サービスにはより良いサービスのための対策として一定の期間ごとにモニタリングが無料で実施されています。
モニタリング期間の見直し
先ほどのモニタリング期間を基準にして、各自治体ごとに独自のモニタリング期間を制定しています。
なので、就労移行支援をこれから利用したい、もしくは既に利用ているという方で就労移行支援のモニタリング期間に関する情報を知りたい場合は自治体の窓口や電話で聞くと良いでしょう。
また、現在多くの自治体でモニタリング期間の見直しが実施されており、自治体ごとの相談員の数の確保や計画相談の質の向上に向けた議論が行われているところもありますので、利用される際のモニタリング期間に関してはしっかりと確認することをおすすめいたします。
まとめ
就労移行支援をはじめとした福祉サービスにおいて、利用者の方により最適なサービスを提供するために定期的な調査として「モニタリング」が実施されています。
モニタリング実施の期間や対象者は、障害の重さや生活環境によって頻度が異なってきます。
福祉サービスの中でも、特に社会での活躍を目指す就労移行支援サービスは利用者にとって無理のない、適切なペース、内容の就労移行支援サービスを提供しなければなりません。
そういったことを考えると、この一定期間行われるモニタリングがどれほど大事なものかよく分かりました。