日本には身体に障害のある方の就職活動を支援するさまざまなサービスがあります。左上下肢機能障害を抱え、自分ひとりで就職活動ができるのか、就職後に仕事をこなしていけるのか不安があれば、就職を手助けしてくれるサービスの利用を検討しましょう。
この記事では、左上下肢機能障害の主な症状や困りごととともに、障害のある方が働きやすい環境や就職活動時に活用できるサービスをご紹介します。おすすめの就労移行支援事業所についても触れていますので、就職・転職を目指している左上下肢機能障害がある方の参考になれば幸いです。
左上下肢機能障害とは
左上下肢機能障害とは、左半身の上肢および下肢の機能障害をいいます。上肢(じょうし)は上腕・前腕・手の部分、下肢(かし)は大腿・下腿・足の部分を指します。つまり、上肢は「腕」、下肢は「脚(足)」のことです。
ここでは、左上下肢機能障害の主な症状と、障害を抱える方が感じている悩みをご紹介します。
左上下肢機能障害の症状
左上下肢機能障害の主な症状には、左半身の上肢および下肢の部分が動かなくなったり、可動域(動かせる範囲)が狭くなったりすることが挙げられます。具体的には、左半身の上肢・下肢にあるすべての関節が動かせなくなる、いずれかの関節が動かせなくなる、関節の動きが制限されるといった症状です。
しかし、一口に「左上下肢機能障害」と言っても、日常生活や社会生活を送るうえで「できること」「できないこと」は障害の程度によって異なります。たとえば、段差を昇降したり走ったりするのは難しくても、通常の歩行であれば問題ない場合もあります。
左上下肢機能障害のある方が抱える悩み
左上下肢機能障害の方は、左半身の上肢・下肢ともに何らかの制限があります。重い物を持ち上げるのが難しかったり、職場内の移動に時間がかかったりするため、周りの人と同じペースで仕事をこなすのは難しいかもしれません。人よりもできることが制限され、引け目を感じてしまうこともあるでしょう。
左上下肢機能障害のある方が働きやすい仕事・環境
左上下肢機能障害のある方の就職活動は、自分ができること・できないことを明確にし、自分にとって働きやすいかどうかを重視するとよいでしょう。ここでは、左上下肢機能障害の方が活躍できる仕事や職場環境をご紹介します。
在宅勤務が可能な仕事
在宅で働ける仕事であれば、通勤や移動の負担がなく、左上下肢機能障害のある方も住み慣れた自宅で落ち着いて仕事に取り組めるでしょう。近年は多様な働き方の推進や新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務を取り入れる企業が増えています。特定の場所へ出社する必要のない仕事、たとえばプログラマーやシステムエンジニア、デザイナー、編集者、事務職などは、在宅勤務を採用する会社も多々あります。
合理的配慮に理解がある職場
合理的配慮とは、障害のある人から何らかのサポートを求める意思表示があったときに、負担が重すぎない範囲で対応することをいいます。障害の有無にかかわらず誰もが互いに認め合いながら生きる「共生社会」の実現に向けて、事業者には障害のある方に対する合理的配慮が求められています。
肢体不自由の方への合理的配慮としては、職場内の移動に介助者をつける、車椅子対応のトイレを設置する、階段に手すりを取り付けるなどが挙げられます。合理的配慮に理解があり、積極的に取り組んでいる職場であれば、左上下肢機能障害のある方も安心して仕事に取り組めるでしょう。
就職活動時にはハローワークや就労移行支援を活用できる
左上下肢機能障害のある方が就職活動に取り組むなら、ハローワークや就労移行支援などのサービスを利用することで、就職に関する不安や悩みを解消できるでしょう。就職相談からスキルの習得、就職後の職場定着まで支援してもらえるため、ひとりで悩まずにまずはサポート機関に相談してみることをおすすめします。
公共職業安定所
公共職業安定所(ハローワーク)では、障害に関する専門知識を持つ職員や相談員が配置され、障害者雇用についての情報提供や就職相談に応じてもらえます。また、障害のある方が対象の就職面接会、スキルを身につけるための職業訓練の案内、採用面接時の同行などにも対応しています。
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターとは、障害のある方の自立・安定した職業生活の実現に向けて、就業面と生活面を一体的に支援する機関です。仕事に関する相談や訓練だけでなく、日常生活や地域生活に関するアドバイスも受けることができます。
令和3年4月現在で全国に計336センターあり、身近な場所から就職・生活両面でのサポートが受けられます。
就労移行支援事業所
就労移行支援とは、一般企業等への就職を希望する障害のある方に対し、一人ひとりの適性に合った職場探しから就職に必要なスキルの習得、就職後の職場定着までを一貫して支援するサービスです。障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスのひとつで、就労移行支援を提供する事業所は全国に約3,000か所あります。
なお、就労移行支援を利用するには障害福祉サービス受給者証の申請手続きが必要です。受給者証の交付を受けてから就労移行支援事業所と契約を交わし、就労移行支援サービスが開始される流れとなっています。
就職の一貫サポートなら【就労移行支援事業所】
左上下肢機能障害のある方が就職活動のサポートを受けるなら、就労移行支援事業所を利用するのがおすすめです。就労移行支援事業所では障害のある方の就職相談から職場定着支援まで一貫サポートできるため、就職先がなかなか見つからない方、就職しても長続きしにくい方など、就職に関するあらゆる悩みを解決できます。
就労移行支援事業所を利用するメリット
就労移行支援事業所では、就職相談や履歴書の添削、面接練習、トレーニング、面接同行(企業側の同意が得られた場合)、就職後の定着支援など、就職に向けた相談から就職後のサポートまでさまざまな支援を受けられます。ハローワークや地域障害者職業センターなどとも連携し、左上下肢機能障害のある方の就職を徹底サポート。利用者一人ひとりの個性や適性に合った仕事を提案してもらえます。
おすすめの就労移行支援事業所「チャレンジド・アソウ」
障害のある方のための就労移行支援事業所「チャレンジド・アソウ」では、専用のオリジナルカリキュラムをもとに完全個別サポートとトレーニングをおこなっています。利用者一人ひとりとの個別面談を実施し、就職活動から職場定着まできめ細やかにサポートしていきます。
チャレンジド・アソウは週1回から通所可能、ご自身のペースで通っていただけます。最終的には週5日の出席を目指し、スタッフと相談しながら少しずつステップアップしていきましょう。
まとめ
左上下肢機能障害とは左半身の上肢・下肢が動かなかったり、動かせる範囲が狭くなったりする機能障害です。左上下肢機能障害のある方が就職活動をするなら、ハローワークや障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所を利用し、就職に関するアドバイスやサポートを受けることをおすすめします。
特に、就労移行支援事業所では利用者一人ひとりに個別のカリキュラムが組まれるため、左上下肢機能障害のある方も自分のペースでトレーニングを進められます。就職に関して不安や悩みを抱えている方は、就労移行支援事業所の利用を検討してみてはいかがでしょうか。