うつ病や適応障害などの精神障害や、ADHDやASDなどの発達障害のある方が就労支援施設を探すと、大きく次の4つの施設が出てきます。
- 福祉作業所
- 就労移行支援事業所
- 就労継続支援A型事業所
- 就労継続支援B型事業所
どの事業所を選べば、自分に合ったサポートを受けられるのか。
悩まれる方も多いのではないでしょうか?
本コラムではそれぞれの違いを解説しながら、一般企業で働きたい方におすすめの就労移行支援事業所についてご紹介します。
たとえば就労移行支援サービス全体の平均就職率は57.2%と、A型の2倍以上、B型の5倍以上の就職率になります。
またチャレンジド・アソウでは就職率85.7%・離職率0.7%と、多くの方が就職し安定して働き続けています。
就職はゴールではなくスタート。
あなたに合った働き方ができるように、就職前から就職後までトータルサポートし、安心して働き続けられる職場環境づくりも大切にしています。
(詳しくはこちら)
福祉作業所とは
障害のある方の社会参加の場として長年存在したのが、福祉作業所です。
利用者一人ひとりの能力や状況に応じて、自立した生活を送るための支援を行っていました。
福祉作業所は共同作業所や小規模作業所と呼ばれることもあり、障害のある方々に働く場や活動の場を提供していました。
作業所は以前の制度!現在は就労移行支援事業所や就労継続支援事業所に!
過去形の記述なことから察せられるように、作業所は現在存在していない障害福祉サービスです。
障害者自立支援法が成立する以前の福祉制度にて役割を果たしてきました。
現在は障害者総合支援法に基づき、障害のある方の働く場としての「就労継続支援A型・B型」と、一般企業への就職を目指す「就労移行支援」があります。
低工賃・低就職率からの脱却を目指した改正
福祉作業所は障害のある方の居場所として大切な場ではあったものの、サービス利用者に支払われる工賃(最低賃金以下で給料・給与とは表現しない)が低いという課題がありました。
また就職支援が行われることもあるものの、一般企業への就職率が低いという状況も。
これらの低工賃や低就職率の問題を解決するため、2006年に旧障害者自立支援法が施行されました。
具体的には同法施行以前にあった作業所や通所授産施設などが、就職を目指す就労移行支援と、仕事の機会を提供する就労継続支援の2種類のサービスに分かれる形になりました。
その結果、関連施策の影響もあり、工賃と一般企業への就職率は当時より上昇しています。
福祉作業所に問い合わせる時はサービス形態の確認を
上記の解説を読んで「今も作業所がある!」と思われる方もいるかもしれませんが、これは以前の制度の名残りといえます。
実際に就労支援事業所を探してみると、2024年7月現在でも「△△作業所」や「○○福祉作業所」と、作業所という言葉がつく事業所をみかけます。
この作業所という言葉がつくほとんどの事業所は、旧障害者自立支援法が施行される以前から事業を行っている歴史のある就労支援事業所です。
つまり障害福祉サービスの種類としてではなく、以前の名残りとして作業所という言葉が使われています。
そのためこれらの作業所に興味がある方はサービス形態を確認し、「就労移行支援サービスなのか(一般企業への就職を目指せるのか)」「就労継続支援サービスなのか(福祉就労する場なのか)」を知ることが自分に合った就労支援施設を選ぶためのポイントになります。
就労継続支援A型・B型、就労移行支援の違い
働くことに障害のある方が利用できる現在の福祉サービスは、「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」「就労移行支援」の3つです。
それぞれの違いをご紹介します。
就労移行支援 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | |
---|---|---|---|
利用期間 | 原則2年 | なし | |
目的 | 就職するために必要なスキルを 身につける |
働く場所を提供する | |
対象者 | 一般企業へ就職することを 希望する方 |
現時点で一般企業への 就職が困難、または不安な方 |
|
雇用契約 | なし | あり | なし |
賃金・工賃 | 一部事業所を除きなし | 83,551円 | 17,031円 |
一般企業への就職率 | 57.2% | 26.2% | 10.7% |
年齢制限 | 65歳未満 | なし | |
利用料金 | 前年度世帯収入によるが、ほとんどの方が無料で利用 |
※賃金・工賃や一般企業への就職率は「厚生労働省 障害者の就労支援対策の状況」参照
就労継続支援A型とは
就労継続支援A型とは、一般企業で働くことに難しさを感じる方が利用できる障害福祉サービスです。
利用者は就労継続支援A型事業所と雇用契約を結びながら、仕事・作業を行います。そして仕事への対価として給与をもらえます。
制度開始当初の平成18年度の平均賃金が113,077円と最も高く、平成26年度に66,412円と最も低くなったものの、令和4年度では83,551円まで上昇しています。
就労継続支援B型事業所とは違い、雇用契約を結べるので社会保険や労働関係の法令も一般労働と同様に適用されます。
詳しくは「就労継続支援A型とは?仕事内容や平均収入、一般企業で働くこととの違いなどご紹介」をご覧ください。
就労継続支援B型とは
就労継続支援B型も一般企業で働くことに難しさを感じる方が利用できる障害福祉サービスです。
就労継続支援B型事業所を利用することで、自宅やクリニック以外にも居場所ができます。
A型との違いは、B型事業所と雇用契約を結ばないため、最低賃金などは適用されません。
その代わりに、自分のペースで自分に合った仕事や生産活動ができます。
就労継続支援B型の平均工賃は、制度開始当初の平成18年度平均賃金12,222円に対して、令和4年度では17,031円と最も高い金額になっています。
詳しくは「就労継続支援B型とは?平均工賃や仕事内容、一般企業で働くこととの違いなどご紹介」をご覧ください。
就労移行支援とは
就労継続支援A型・B型の「働く場の提供」に対して、就労移行支援は「一般企業への就職を目指す場所」です。
そのためプログラムも働くために必要となるスキル習得を意図したものとなり、下記のようなメニューを受けることができます。
- 生活支援
- 職業訓練
- 企業実習(職場体験)
- 就職活動のサポート
- 就職後の職場定着支援
このような幅広いサービスを受けられます。
ただ「職業訓練が充実している」「職場実習に力を入れている」など、事業所によってサービス内容に違いがあることが特徴でもあります。
一般企業で働きたいなら就労移行支援サービス
各サービスともに特色があり、それぞれに利用することのメリットがあります。
多様な選択肢がある中で、「福祉施設ではなく一般企業で働きたい」という方におすすめなのが就労移行支援事業所です。
就労移行支援サービス全体の平均就職率は57.2%と、A型の2倍以上、B型の5倍以上の就職率になります。
就労移行支援事業所を選ぶときは、就職率の確認を!
ただ就労移行支援事業所を選ぶときに大切なことが、その事業者の就職率の確認です。
57.2%は業界全体の就職率であり、それより高いところもあれば低いところもあります。
実際に「厚生労働省 障害福祉課調べ(平成29年4月)」によると、一般企業への就職者なし(0人)の事業所が全体の30.5%あります。
就職率の高い事業所と低い事業所の二極化傾向にあるとも言えます。
私たちチャレンジド・アソウの就職率は85.7%と高く、離職率も0.7%の業界トップクラスの実績です。
多くの方が就職し、安心して働き続けています。
就労移行支援事業所ならチャレンジド・アソウへ
就労移行支援事業所チャレンジド・アソウは、内閣総理大臣も務めた麻生太郎氏の曾祖父が創業した麻生グループの1社です。
医療・教育・人材などで日本経済を支えてきた麻生グループ110社以上の企業ネットワークを活かして、あなたに合った仕事探しと継続就労をサポートします。
アソウの職業訓練では、大学教授やパラリンピック金メダリスト、専門学校講師などが監修する実践的なプログラムが受けられます。
プログラムには体力回復や生活リズム改善に役立つ「CCフィットネス」や、自分に向いている仕事がわかる「しごトレ」、また基本的な事務スキルやWord、ExcelやPowerPointの使い方のみでなく、簿記やデザイン(illustratorやPhotoshop)、プログラミング(HTMLやCSS)など興味のある専門的知識も身に付けられる「eチャレ」などがあります。
事務職の就活に役立つパソコン資格の合格率は90%と高く、受験もアソウの事業所内でリラックスして受けられます。
また心身や生活リズムが回復し、スキルを身に付けても、実際に働くとなると不安な方も多くいます。その不安解消のため、麻生グループ内116社や連携企業で職場実習を取り入れています。
「失敗しても大丈夫な環境で実際の業務を体験し、働く自信を取り戻せた」と好評です。また、職場実習からそのまま採用されるケースも多々あります。
就職活動では応募書類作成サポートや面接練習はもちろん、実際の面接にも同行可能なので「面接が苦手」「うまく自己PRできるか不安」な方も安心して就活できます。
そして内定獲得時には適切な業務内容や働き方ができるように、企業と交渉します。
たとえば最初から週5日8時間のフルタイム勤務ではなく週3日4時間の短時間勤務から始めたり、平日日中の通院への理解なども得られるようにサポートします。
実際に働き始めてからも定期面談を実施し、働くなかでの不安や困りごとを1人で抱えずにご相談いただけます。
状況改善に向けて企業と掛け合うなど、働きやすい環境づくりをサポートします。
このような「体調・生活リズムの安定」「自身の適性・特性の把握」「就職活動」「就職後の職場環境調整」などのサポートにより、就職率85.7%・離職率0.7%と多くの方が就職し、安定して働き続けています。
アソウの就労移行支援に少しでもご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。
あなたとお会いできる日を楽しみにしています。