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自律神経失調症とは?症状・原因・治療法とチェック項目-仕事と就労移行支援

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自律神経失調症とは?症状・原因・治療法とチェック項目-仕事と就労移行支援

自律神経失調症は、明らかな体の病気や精神疾患がないにも関わらず、頭痛やめまい、食欲不振など、全身に様々な不調が起きる病気です。

ここでは自律神経失調症の特徴や原因、改善や治療の方法、就職にあたっての就労移行支援などについて紹介します。

監修:池田 倫太郎

株式会社チャレンジド・アソウ立ち上げの中心メンバー。就労移行支援事業、就労定着支援事業、特例子会社の運営を行う。

チャレンジド・アソウ広島事業所 / チャレンジド・アソウ大阪事業所 / チャレンジド・アソウ新大阪事業所 管理者 サービス管理責任者

目次

自律神経失調症の症状と特徴

自律神経失調症とは、文字通り、自律神経がバランスを失っている(失調)している状態です。

最大の特徴は「心身の病気がないのに、症状はある」ことで、人によって度合いや原因は異なりますが、基本的には治療によって改善します。

自律神経とは

まず、自律神経とは何なのかについてです。

簡単に言えば、体がいろんな状況に対応できるよう、意識しなくても体内を自動的に動かして調整する神経系統です。

自律神経には2種類あります。体を活発化させる「交感神経」と、その逆の「副交感神経」です。この2つがバランスを取り、体を程良い状態に維持しているのです。

両者の働きは下のように、対照的です。

交感神経 器官 副交感神経
拡大する 瞳孔 縮小する
涙が出にくい 涙腺 涙が出やすい
広げる 気管 狭くする
上昇する 血圧 下降する
動きが抑制される 胃腸 動きが活発になる
消化が抑制される 消化器 消化が促進される
緩む 膀胱 縮む(排尿しやすくなる)
縮む(鳥肌が立つ) 立毛筋 緩む
汗を出す 汗腺
収縮する 血管

このように具体的に見ると、緊張状態にある時は交感神経の働きが優位になることがわかります。

自律神経失調症の症状

自律神経失調症は、ストレスなどの緊張状態が続くことで交感神経の働きが過大になり、これを止められないために様々な不調が体に現れるものです。

交感神経の働きで血管が収縮し、血流が悪くなって冷えやこりが現れたり、交感神経の働きで胃腸の動きが抑制されて食欲が低下したりと、特定の症状あるいは複数の症状が同時に出ます。

以下は自律神経失調症の症状の一例です。

頭痛、めまい、のぼせ  など
耳・口・喉 目の違和感、耳鳴り、口の渇き、喉の異物感  など
呼吸 息切れ  など
心臓・血管 苦しさ、動悸、立ちくらみ  など
消化器 胃の不快感、腹痛、食欲低下、下痢・便秘  など
筋肉・関節・皮膚 倦怠感、脱力感、肩こり、多汗  など
手足 しびれ、冷え  など
生殖器 勃起障害、射精障害、生理不順
精神症状 集中力の低下、イライラ、不安感  など

自律神経失調症の原因

自律神経失調症の原因は主にストレスと言われますが、実際には他の種類もあり、4つに分類されます。

1)本能性自律神経失調症

生まれつき自律神経のバランスが乱れやすい体質が原因で、日常生活のストレスにあまり関係なく症状が現れます。

2)神経症型自律神経失調症

自分の体調の変化に非常に敏感なため、精神状態の変化が体の症状として現れます。

3)心身症型自律神経失調症

日常のストレスによって、交感神経のみが働き続け不調につながります。最も多く見られるケースで、心身の両方に症状が現れます。

4)抑うつ型自律神経失調症

3)の心身症型自律神経失調症が進行、悪化すると抑うつ症状が現れます。気分が沈み、やる気が出ないといった精神的な症状に加え、食欲不振や強い倦怠感、不眠といった身体症状も同時に現れます。

また、更年期の女性は、ホルモンバランスの変化から自律神経の乱れを生じがちです。

自律神経失調症は何科に行く?

まずは、一番気になる症状に合った診療科を受診しましょう。

自律神経失調症で現れる症状は、他の病気の症状としても起きうるものばかりです。症状の裏に潜んでいる病気を見逃さないことが大切です。

特に、甲状腺の機能異常や糖尿病の場合、自律神経失調症の症状が現れがちですので注意が必要です。

自律神経失調症の診断基準と治療

「自律神経失調症」というのは、実は医学的に正式な病名ではありません。

自律神経系の症状はあるけれど原因疾患を検査で見つけられない、という状態に対して暫定的に診断名をつけ、治療に結びつけています。

自律神経失調症の治療について説明します。特にストレスが原因の場合、心身両面の治療が必要です。

精神・心理療法での自律神経失調症の治し方

まず、精神面からのアプローチです。

認知療法 ストレスに直面した時の物事に対する考え方を矯正する
自律訓練法 ストレスをセルフコントロールする行動や技術を身につける
カウンセリング 対話によってストレスの本質を見つけ出し、解決方法を探る
環境改善 具体的な問題が理由になっている場合は、問題を解決する

身体面での自律神経失調症の治し方
身体の症状に直接働きかける治療です。

理学療法 マッサージや整体、鍼灸などで症状を緩和する
脳への刺激 アロマや音楽療法
生活改善 ライフスタイルを見直し、規則正しい生活をする

薬・漢方を用いた自律神経失調症の治し方
症状に合わせて、薬や漢方を使います。代表的なものは以下です。

目的 種類 具体例
中枢神経への直接作用 抗精神薬 抗うつ剤、抗不安剤、気分安定剤、睡眠薬
自律神経のバランス改善

ビタミン剤 ビタミンA、B群、C、E
ホルモン剤 (主に女性に処方)女性ホルモンの投与
症状の緩和 漢方 黄連:胸の違和感、下痢の改善
抑肝散:イライラや不眠の改善
芍薬:血圧を下げる、体の緊張をほぐす

自律神経失調症の症状セルフチェック

自律神経の働きを数値化できる検査は現在のところありませんが、目安として、以下の項目にいくつ当てはまるかチェックしてみましょう。

1 めまいや耳鳴りのする時が多い。
2 立ちくらみをよく起こす。
3 胸が締め付けられる感じがする。
4 胸がざわざわする感じが時々ある。
5 心臓がいきなり早くなったり、脈拍が飛んだりするようなことがある。
6 息苦しくなる時がある。
7 夏でも手足が冷える時がある。
8 胃の調子が悪い時が多い(お腹がすかない・胸やけなど)
9 よく下痢や便秘をする。または便秘と下痢を繰り返す。
10 肩こりや腰痛がなかなか治らない。
11 手足がだるい時が多い。
12 顔だけ汗をかく。または手足だけ汗をかく。
13 朝、起きる時に疲労を感じる。
14 気候の変化に弱い。
15 やけに眩しく感じる時がある。
16 寝ても寝ても寝足りない。
17 怖い夢をよく見る、または金縛りにあう。
18 風邪でもないのに咳がよく出る。
19 食べ物を飲み込みづらい時がある、喉に違和感がある。ろれつが回らない時がある。

上記のうち、当てはまるものが

  • 0-1個:自律神経に狂いはなさそうです。
  • 2-3個:自律神経に負担がかかっています。
  • 4-6個:自律神経失調症になりかけている状態です。
  • 7個以上:すぐに休養を取り、できるだけ早く医師に相談しましょう。

自律神経失調症の人の仕事や就職

自律神経失調症は、早い段階で適切な休養と対処をとれば治る病気です。

しかし、限界まで我慢してしまい、重い症状が長引くと、仕事ができない状態に至ることもあります。

この場合は、腰を据えて心身を立て直す必要があります。

休職や退職も選択肢

ストレスの原因が仕事や職場にある場合は、いったんその場から離れる必要があります。

医療機関を受診しながら体を休めると同時に、これまでの生活について考える時間が必要です。

診断書をもらい、休職して治療に専念するのが一つの方法です。

また、退職を選ぶ人もいます。原因の大半が職場環境や人間関係にあり、解決が見込めない場合、原因を丸ごと取り除く方法です。

自律神経失調症の自力での管理

ストレスから距離を置くと同時に、自律神経失調症の治療や改善のために自分でできることがあります。日常では、

  • 規則正しい生活:朝に太陽の光を浴びる
  • 積極的に運動をする:特に有酸素運動
  • バランスの良い食生活:ビタミンをきちんと摂る

これらが治療や再発予防に有効です。

また、療養中は趣味を持つなど、自分なりのストレス解消法を身につけましょう。

なお、症状には波がありますので、その日の症状のあるなしに関わらず、定期的に通院しましょう。

復帰や再就職のタイミング

通院や生活の改善を続けながら、休んでいる状態をある程度楽しめるようになったら、仕事のことを考え始めて良いでしょう。

不安や焦りを抱えたままの社会復帰では、再発のリスクが高まります。

この時、就労移行支援などの就労系福祉サービスを利用して、ストレスと仕事を両立させるリハビリを行うのも良いでしょう。

自律神経失調症の人が利用できる就労移行支援など

休職・退職して治療を行った後、就労に向けてはいくつかの準備方法があります。

まず、医療機関がリワークプログラムを実施している場合がありますので、積極的に活用すると良いでしょう。

また、診断書があれば、公的な支援機関を利用できます。以下のようなものです。

地域障害者職業センター

職業再開に向けて、センターに通い模擬的な就労体験などを体験できます。

利用者の強みや課題を見つけ出し、今後についての助言をしたり、就職先が決まった後も担当者が職場に来て仕事をサポートしてくれたりします。

また、休職中の人のための復帰プログラムも準備されています。

利用にあたっては、診断書や意見書が必要です。医師および市区町村の窓口に相談しましょう。

障害者就業・生活支援センター

職場復帰したいが生活にストレスの種など不安が残る、という場合に相談に乗る窓口です。

身体だけでなく、金銭や家族の悩みについても相談できる窓口を紹介してくれます。

また、病気のことを職場に言わずに働いている場合も、今後についての相談に乗ってくれます。

こちらも利用にあたっては、医師の診断書や意見書が必要です。医師および市区町村の窓口に相談しましょう。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、民間の企業や団体が国の認可を受けて運営しているもので、事業所に通い、そこで心身に必要なサポートを受けながら一定の仕事をする場所です。これらの事業所は、就労系障害福祉サービスと呼ばれます。

休職中の人も、一定の条件を満たせば企業に在籍したまま利用できます。

以下の種類があります。その人の状況や希望によって違いがあり、選ぶことができます。

1)就労移行支援事業所

就職、再就職先を一から探す場合、まず個人の適正や課題を見つけ出した上で適職を考えるところから始め、一般就労を前提にした具体的な職業訓練を行います。

また、体力や精神面でも、社会で適応できるようにトレーニングしていきます。

利用期限は2年です。

対象
  • 企業や在宅での就労を希望する人
内容
  • 個人の特性に応じた働き方の方向性を決定
  • そのために必要なビジネススキルの習得
  • 就職活動から職場定着までのサポート
利用期限 通常2年

2)就労継続支援A型

就労移行支援での就職ができなかった場合や、すぐに一般企業での就職が難しい場合、まず事業所との雇用契約を結び、サポートを受けながら事業所内で働きます。

賃金は事業所から支払われ、労働基準法が適用されるため最低賃金は保証されます。また、求人情報も提供します。

事業所で仕事を続けるうちに一般就労の可能性が見込まれれば、就職に向けたサポートに入り、就職後も一定期間は相談に乗る場所です。利用期限はありません。

対象
  • 就労移行支援の期限内に就職に至らなかった人
  • 一般企業などが難しくても、サポートがあれば、雇用契約で定められた条件で働ける人
内容
  • 特殊サポートを受けながら、法的な雇用契約の下で働く場所の提供
  • 状況に応じて、一般企業などへの就職に移行するためのスキル習得などの支援
  • 就職活動から職場定着までのサポート
利用期限 なし

3)就労継続支援B型

雇用契約のもとでの就労が難しい場合、事業所内で仕事をし、作業に応じた工賃が事業所から支払われます。

自分のペースで通い、体力に応じて通所を続けられるので、生活リズムの改善や体力の向上、日中の居場所を確保するための場所でもあります。

こちらも、通所を続けるうちに一般就労の可能性が見込まれれば、求人情報の提供など就職に向けたサポートを行い、就職後も一定期間は相談に乗ります。利用期限はありません。

対象
  • 他の福祉サービスを利用したが就労に至らなかった人
  • 条件にとらわれずにマイペースで働く場所を求める人
内容
  • 縛りのない職場の提供
  • 働ける条件が変化し、一般企業などへ就職できる見込みになった場合は、そのためのスキル習得などの支援
  • 就職活動から職場定着までのサポート
利用期限 なし

なお、企業に在籍しているが休職中の人の場合は、以下の条件を満たせば上記の就労系障害福祉サービスを利用できます。

  • 在籍する企業や地域での就労支援機関、医療機関などによるリワークなどの復職支援の実施が見込めない場合、または困難である場合。
  • 復職を希望し、企業と主治医が復職に関する支援を受けることにより復職することが適当と判断している場合。
  • 就労系福祉サービスを利用することで効率的かつ確実に復職につなげることが可能であると市区町村が判断した場合。

医師や市区町村の担当窓口に相談してみましょう。

自律神経失調症の人への接し方

家族や職場など身近に自律神経失調症の人がいる場合、まずその特性を理解する必要があります。

自律神経失調症になりやすい人

自律神経失調症は体質によっても起こりますが、なりやすい性格の人もいます。

完璧主義で真面目な人はこれらの症状を抱えていても、それは自分の「甘え」や自己管理ができていない自分のせいだと考え、自分を追い込んでしまいます。

このような性格の人が体の様々な不調を繰り返し訴える場合は、早めに病院に行くよう促しましょう。

最初は内科や耳鼻科、婦人科など、症状に合った病院を受診しますので、それほど抵抗はないでしょう。

自律神経失調症の人にかけてはいけない言葉

また、自律神経失調症で症状を訴える人に対して、「そういうことなら自分もあるよ」という返事はしてはいけません。

確かに症状を見てみると、誰にだって時々はあることかもしれません。

しかし治療を必要としている人にそう言ってしまうと、やはり自分の甘えだと感じて焦燥感を増幅するため、精神症状を悪化させてしまいます。

まとめ

ここまで、自律神経失調症の特徴や仕事との関係について見てきました。

一番重要なのは、治療を通じてストレスの対処方法を身につけることです。

一時的に体の症状が改善したと言っても、外に出ればストレスのない環境などありません。

自分の内面としっかり向き合い、場合によっては物事の考え方を根本から変える必要すらあり、そうなると時間はかかるものです。

また、日常からこまめにストレスを解消しましょう。運動、睡眠、ゆっくりとした入浴など、意識的に生活に取り入れることも大切です。

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