生活相談員(ソーシャルワーカー)は介護福祉施設の窓口として、利用者やその家族の相談援助、外部関係機関との連絡調整などをおこなう職種です。
業務の幅が広く多くの人との関わりを持つ生活相談員は、仕事をするうえでどのようなことを「大変」と感じているのでしょうか。
この記事では、生活相談員の仕事を大変に感じる理由とともに、生活相談員に向いてる人や続けるメリットをご紹介します。
生活相談員を目指している方、介護・福祉業界の仕事に関心がある方はぜひ参考になさってください。
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チャレンジド・アソウ 新大阪事業所 管理者
サービス管理責任者
監修:池田 倫太郎
株式会社チャレンジド・アソウ
立ち上げの中心メンバー。
就労移行支援事業、就労定着支援事業、
特例子会社の運営を行う。
介護福祉施設で活躍する生活相談員
生活相談員は介護福祉施設に1人以上の配置が義務付けられ、施設の相談窓口として利用者と職員をつなぐ橋渡しのような役割を担っています。
生活相談員が活躍する主な職場は次のとおりです。
- 通所介護事業所(デイサービス)
- 短期入所生活介護事業所(ショートステイ)
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 介護付き有料老人ホーム
ここでは、生活相談員の仕事内容や気になる給与事情をご紹介します。
生活相談員の仕事内容
生活相談員は主に次のような仕事に従事しています。
- 介護福祉施設の利用者および家族への相談援助
- 入所希望者への説明や施設の見学対応
- 入退所やサービス開始にともなう契約手続き
- ケアマネージャーや外部機関との連絡調整
- ケアプランの作成
- 介護スタッフのサポート業務
- クレーム対応
生活相談員の主な役割は、利用者への相談対応と関係機関との調整です。施設によっては介護スタッフと一緒に介護業務をおこなうことがあります。
生活相談員の給与はどのくらい?
求人情報の検索エンジン「indeed(インディード)」によると、生活相談員の平均月給(基本給)は約22万円です(2021年7月20日時点)。
介護・福祉業界のなかでは比較的給与が高く、また平均給与額は増加傾向にあります。
施設によっては資格手当や職務手当が支給されるため、資格の取得や管理職へのステップアップなど、生活相談員を続けるなかでキャリアアップを目指せばさらに給料を上げることができるでしょう。
参考:indeed『日本の生活相談員の平均年収・給与』(https://jp.indeed.com/career/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E7%9B%B8%E8%AB%87%E5%93%A1/salaries?from=top_sb)最終更新日:2021年7月20日
生活相談員の仕事を大変に感じる理由
介護・福祉業界で働く生活相談員の仕事に対し、「大変そう」「キツそう」というイメージを持つは多いかもしれません。生活相談員を目指すうえでは、仕事の実態や現実を知っておくことも大切です。
ここでは、生活相談員はどのようなことを「大変」と感じているのか、具体的な理由とその対処法をご紹介します。
給料事情
介護福祉施設の窓口として働く生活相談員は、施設の利用者やその家族、スタッフ、外部の関係機関など、日々多くの人と接します。
生活相談員には相談対応だけでなく、契約手続きや連絡調整、ケアプランの作成などさまざまな業務を任されるため、仕事量の割に給料が少ないと感じる人は一定数いるようです。
仕事量と給料が見合っていれば不満は生じにくいですが、仕事の大変さに給料が見合っていないと考えている場合、「生活相談員=大変」と感じる要因になることが考えられます。
仕事量に大変さを感じている場合は、上司に相談することで見直してもらえるかもしれません。ひとりで抱えきれなくなると利用者へのサービスに影響が出てしまうため、早めに相談することが大切です。
また、介護・福祉関連の資格取得や研修・勉強会への参加など、意欲的に業務に取り組みキャリアアップができれば、給料に反映されやすくなるでしょう。
利用者と職員の間で板挟みになる
生活相談員は施設の利用者やその家族の相談に対応し、ケアマネージャーや介護職員などのスタッフと話し合ってその利用者に適したサービスを提供します。
利用者と施設側で意見が一致しない場合、生活相談員は板挟みのような状態になることが考えられます。
双方の間に立って調整役をするうえでは人間関係のストレスを感じやすく、生活相談員の仕事を大変だと感じる要因になるかもしれません。
こうした状況を改善するには、ひとりで悩まずに、なるべく早いうちに施設の管理者と話し合いましょう。
自分ひとりで良い方向に持っていくのが難しい場合は上の立場の人に相談し、まずは自分自身の精神的な負担を軽くすることが大切です。
職場によって業務範囲が異なる
生活相談員の仕事は明確に決められているわけではなく、職場によって業務範囲が異なることがあります。
生活相談員の基本的な役割は相談援助や連絡調整ですが、介護スタッフがおこなう介護業務と兼務する職場もあり、業務内容やその範囲は多岐にわたります。
また、業務のやり方や方向性を示す業務マニュアルも施設ごとで違うため、実務経験があってもなかなかその施設のやり方になじめず大変だと感じることがあるかもしれません。
生活相談員として就職もしくは転職する際は、その施設における生活相談員の業務範囲はどこまでなのか、あらかじめ把握しておくことをおすすめします。
仕事をしていくなかでどんどん業務範囲が広がっていく場合は、キャパオーバーになる前に上司に相談し業務量を調整してもらいましょう。
仕事の相談をできる人がいない
生活相談員には配置基準が設けられており、介護福祉施設に1人以上の配置が義務付けられています。
たとえば、特別養護老人ホーム(特養)では利用者100人あたり生活相談員1人以上を必ず配置しなければならず、利用者が100人増えるごとに生活相談員も1人ずつ増やしていく必要があります。
そのため、生活相談員が1人体制の場合は自分以外に同じ仕事に従事する人がおらず、気軽に仕事の相談ができないことに大変さを感じるかもしれません。
しかし、生活相談員が自分1人であっても、利用者へ適切なサービスを提供するには他のスタッフとの連携が不可欠です。
仕事の相談をできる人がいない場合は、意識的に周りのスタッフとのコミュニケーションを取り、話しやすい人や信頼できる人を見つけましょう。
また、職場外にも気軽に悩みを話せる人がいれば心の支えになるでしょう。
生活相談員に向いてる人とは
生活相談員は大変な仕事だと感じていても、この仕事に向いてる人なら大変ななかでも多くのやりがいを感じながら働けるはずです。生活相談員の仕事はどのような人に向いているのでしょうか。
コミュニケーションを取るのが好きな人
生活相談員は施設の利用者やその家族、スタッフ、関係機関など多くの人と関わりを持つ仕事です。
利用者とスタッフの間に立ち双方をつなぐ役割も担うため、人とのコミュニケーションを楽しめる人、相手の話を聞くのが好きな人は生活相談員に向いているといえます。
反対に、人とコミュニケーションを取るのが苦手な場合、生活相談員の仕事は大変と感じることが多いでしょう。
相手の立場に立った対応ができる人
生活相談員は介護福祉施設の利用者、つまり介護サービスが必要な人をサポートする仕事です。
生活相談員には、相手の考えや状況を理解し、思いやりを持って接することが求められます。
また、施設の窓口である生活相談員は最初に利用者と接するため、そのときの対応によっては施設の印象が左右されることもあるでしょう。
利用者に安心してサービスを受けてもらうためには、生活相談員による相手の立場に立った思いやりのある対応が不可欠です。
責任感を持って真摯に仕事に取り組める人
生活相談員は介護福祉施設の窓口としての役割を持ち、利用者やその家族からの相談に対応します。
その際に難しい要求やクレームなどで大変な状況に置かれたとしても、途中で逃げ出さず最後まで真摯に向き合える責任感のある人が求められます。
また、生活相談員は利用者の状況や相談内容を施設内のスタッフへ的確に伝える必要があるため、報告・連絡・相談の”報連相”(ホウレンソウ)をこまめに取れるマメな人が生活相談員に向いているでしょう。
大変でも続けるメリットは大きい
さまざまな役割が期待され、施設内外で多くの人と関わりを持つ生活相談員。
この仕事を大変と感じるかどうかは人それぞれですが、生活相談員は大変でも続けるメリットが大きい仕事です。
仕事が大変、キツいと感じることがあっても、同僚や上司に相談することで状況が好転することもあるため、ひとりで悩みを抱えずに早めに誰かに相談することが大切です。
ここでは、生活相談員の仕事を続けるメリットをご紹介します。
生活相談員が夜勤に入る職場は少ない
生活相談員の主な仕事は利用者やその家族への対応、関係機関との連絡調整であり、日中の時間帯に従事することが求められます。
入居型介護施設で介護業務との兼務があれば夜勤も考えられますが、基本的に生活相談員が夜勤に入る職場は少ないでしょう。
介護・福祉業界に関心はあるけれど夜勤に大変なイメージを持っている方、なるべく夜勤の仕事を避けたい方は、日中に働く生活相談員の仕事は向いているといえます。
体力的な負担が少なく長く働ける
相談援助や連絡調整に従事する生活相談員は、介護スタッフと比べると体力的な負担は少なめです。
さらに、生活相談員は介護福祉施設への配置が義務付けられていることから、活躍の場が多く長く働ける仕事といえるでしょう。
仕事量は職場によって異なり、残業がほとんど発生しない職場もあれば定期的に発生する職場もあります。
所定労働時間を超える場合は時間外手当が支給されるため、残業の有無をどう考えるかは人それぞれです。体力的に残業が多いのは大変だと感じる場合は、残業が少ない職場を選ぶとよいでしょう。
また、職場によっては生活相談員も介護業務に従事することがあります。体力面で不安や大変さを感じる場合は、仕事内容に介護業務が含まれない求人を探すことをおすすめします。
経験を重ねればキャリアアップも目指せる
生活相談員として経験を積み重ねれば、施設の管理者やケアマネージャーへのキャリアアップが目指せます。
生活相談員は業務範囲が広くさまざまな役割を任されるため、大変ななかでも生活相談員として培った経験はキャリアアップを目指すうえで必ず役に立つはずです。
また、職場によっては定期的に研修や勉強会を開催したり、資格取得支援を導入したりと、介護・福祉業界に従事するスタッフのキャリアアップを後押ししています。
職務手当や資格手当などで給料にも反映されるため、生活相談員の経験を重ねてキャリアアップにつなげることをおすすめします。
まとめ
介護福祉施設に配置される生活相談員(ソーシャルワーカー)は、施設の利用者やその家族への相談対応、入退所にともなう契約手続き、関係機関との連絡調整などに従事する職種です。
仕事を大変と感じるかどうかは人によって異なりますが、業務内容が多岐にわたり任される役割が多いため、生活相談員は大変な仕事だとイメージする方は多いかもしれません。
しかし、生活相談員は体力的な負担が少ないため長く働きやすく、経験を重ねればキャリアアップも目指せる仕事です。
仕事をするうえで大変さやストレスを感じる場合は、早いうちに施設側との話し合いの場を設けることで状況が変わることもあります。
さらに、生活相談員は介護福祉施設への配置義務があり活躍できる場所が多いため、大変でも仕事を続けるメリットは大きいといえるでしょう。
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