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生活相談員配置等加算とは?対象となる事業所や算定要件について解説

生活相談員の報酬制度「生活相談員配置等加算」を解説

生活相談員配置等加算とは?対象となる事業所や算定要件について解説

デイサービスや老人ホームで活躍する生活相談員(ソーシャルワーカー)は、施設の窓口として利用者や家族への相談対応や関係機関との連絡・調整などをおこなう職種です。

平成30年度の介護報酬改定により新たに「生活相談員配置等加算」が設定され、算定要件を満たす事業所においては配置等加算に基づく報酬が受けられるようになりました。

この記事では、生活相談員配置等加算とは具体的にどのようなものなのか、対象となる事業所や算定要件、共生型サービスについてわかりやすく解説します。

チャレンジド・アソウ 広島事業所 /
チャレンジド・アソウ 大阪事業所 /
チャレンジド・アソウ 新大阪事業所 管理者
サービス管理責任者

監修:池田 倫太郎

株式会社チャレンジド・アソウ
立ち上げの中心メンバー。
就労移行支援事業、就労定着支援事業、
特例子会社の運営を行う。

生活相談員配置等加算の概要

生活相談員配置等加算の概要

生活相談員とは、介護老人福祉施設や通所介護・短期入所生活介護の事業所などに配置され、利用者が快適な生活を送れるようにサポートする仕事です。

そんな生活相談員に関わりの深い「生活相談員配置等加算」とはどのような制度なのでしょうか。

ここでは、生活相談員配置等加算の概要について詳しくご紹介します。

平成30年度介護報酬改定において新設

生活相談員配置等加算とは、平成30年度介護報酬改定において新たにつくられた制度です。

共生型サービスとして指定を受けた生活介護事業所や短期入所事業所が要介護者へサービスを提供した場合は、新たに生活相談員配置等加算や基本報酬が受けられるようになりました。

介護保険が適用される介護サービスの事業所は、申請をおこなうことで保険者(市町村)から「介護報酬」という支援を受けられます。

介護報酬とは介護サービスを提供した対価として事業所に支払われる報酬のことで、その基準は介護サービスの種類や事業所の所在地などで異なります。

障害福祉制度における生活介護や短期入所の事業所は、介護保険事業所の基準を満たしておらず、本来的な介護報酬区分とは区別されます。

しかし、平成30年度介護報酬改定において生活相談員配置等加算が新設されたことで、算定要件を満たした障害福祉制度の事業所に関してはそれを評価する加算が設定されることとなったのです。

事業所が生活相談員配置等加算を受けるには、あらかじめ定められた算定要件を満たし、各自治体に届出書を提出します。

その際は生活相談員の資格要件を証明する書類や勤務形態がわかる書類、地域貢献の活動内容がわかる資料などの添付が必要です。

生活相談員配置等加算の対象となる事業所

生活相談員配置等加算の対象となるのは、障害福祉制度において以下のサービスを提供する事業所です。

  • デイサービス(生活介護、自立訓練、児童発達支援、放課後等デイサービス)
  • ショートステイ(短期入所)

これらの事業所が介護保険制度で定める共生型サービスの事業をおこない、かつ算定要件を満たした場合に限り、生活相談員配置等加算を受けることができます。

なお、共生型サービスをおこなう事業所はそれぞれ、共生型通所介護、共生型地域密着型通所介護、共生型短期入所生活介護、共生型介護予防短期入所生活介護と呼ばれます。

生活相談員配置等加算の単位数

生活相談員配置等加算の単位数は次のとおりです。

サービスの種類 単位数
共生型通所介護 13単位/日
共生型地域密着型通所介護 13単位/日
共生型短期入所生活介護 13単位/日
共生型介護予防短期入所生活介護 13単位/日

また、共生型サービスを提供する事業所に対しては生活相談員配置等加算のみならず、基本報酬も新設されています。

一例として、生活介護事業者が要介護者へデイサービスをおこなう場合は【所定単位数に93/100を乗じた単位数】、短期入所事業所が要介護者へのショートステイをおこなう場合は【所定単位数に92/100を乗じた単位数】がそれぞれ算定されます。

生活相談員配置等加算の算定要件

生活相談員配置等加算の算定要件

生活相談員配置等加算には2つの算定要件があります。

配置等加算の算定においてはどちらの要件も満たすことが条件となります。

要件1. 対象の事業所にて生活相談員を配置していること

1つ目の算定要件は、共生型通所介護や共生型短期入所生活介護などの事業所において、生活相談員を1名以上配置していることです。

生活相談員になるには以下のいずれかの資格が必要です。

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 社会福祉主事任用資格

都道府県によっては、介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネージャー )の資格、介護施設での実務経験を生活相談員の資格要件として認めている場合があります。

生活相談員配置等加算を受けるには、各都道府県が定める資格要件を満たした生活相談員を1名以上配置する必要があります。

要件2. 地域に貢献する活動を実施していること

2つ目の算定要件は、共生型通所介護や共生型短期入所生活介護などの事業所において、地域との関わりを持つために地域に貢献する活動をおこなっていることです。

この「地域に貢献する活動」とは以下のような活動が該当します。

  • 地域交流の場の提供(開放スペース、保育園との交流会など)
  • 認知症カフェの設置
  • 地域住民が自由に参加できるイベントの開催
  • 地域住民が対象の健康相談教室や研修の開催
  • 地域ボランティアの受け入れ・活動

生活相談員配置等加算の届出をする際は、どのような地域貢献をおこなっていたか活動内容がわかる資料を添付する必要があります。

新たに創設された「共生型サービス」って何?

新たに創設された「共生型サービス」って何?

共生型サービスとは、介護保険と障害福祉の相互に共通するサービスです。簡単に言うと、日常生活を送るうえで介護を必要とする高齢者と障害者を区別せず、双方がともに利用できるサービスをいいます。

生活相談員配置等加算が受けられるのは、共生型サービスをおこなう事業所に限られます。

ここでは、生活相談員配置等加算を理解するうえでポイントとなる「共生型サービス」についてわかりやすく解説します。

共生型サービス創設の目的

共生型サービスをおこなう場合には以下の2パターンがあると考えられます。

  1. 指定障害福祉事業所が介護保険サービスの基準を満たしている(=障害福祉・介護保険両方の基準を満たしている)
  2. 指定障害福祉事業所が介護保険サービスの基準を満たしていない(=障害福祉の基準のみ満たしている)

介護保険サービスと障害福祉サービスは、人員配置や機能訓練室の面積などにおける基準がそれぞれ異なります。

そのため、すべての事業所が介護保険・障害福祉双方の基準を満たしているとは限らず、どちらか一方の基準は満たしているけれどもう一方の基準は満たしていない事業所が存在することになります。

共生型サービス創設の目的は、上の2つ目のパターンのように介護保険または障害福祉いずれかの指定を受けている事業所に対し、もう一方の指定も受けやすくするというものです。

共生型サービスの指定を受けた事業所であれば、障害福祉サービスを高齢者が利用した場合も介護保険の本来的な給付対象となり、反対に介護保険サービスを障害者が利用した場合も障害福祉の本来的な給付対象となります。

これにより、障害のある方が65歳以上になった場合も施設を移ることなく、今までのサービスを継続して受けることができるようになりました。

共生型通所介護とは

生活相談員配置等加算の対象となる「共生型通所介護」(共生型地域密着型通所介護も含む)は、障害福祉制度における生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、児童発達支援、放課後等デイサービスをおこなう事業所であれば基本的に指定を受けられるものとして基準が設けられています。

生活介護や自立訓練などの事業所が共生型サービスの指定を希望する場合は、各自治体が指定する窓口へ申請書の提出が必要です。

共生型短期入所生活介護とは

生活相談員配置等加算の対象となる「共生型短期入所生活介護」(共生型介護予防短期入所生活介護も含む)は、障害福祉制度における短期入所をおこなう事業所であれば基本的に指定を受けられるものとして基準が設けられています。

なお、ここでいう短期入所事業所とは、障害者支援施設の併設型および空床利用型に限ります。

短期入所事業所が共生型サービスの指定を希望する場合は、各自治体が指定する窓口へ申請書の提出が必要です。

まとめ

生活相談員配置等加算とは、障害福祉制度における生活介護や短期入所の指定を受けた事業所が共生型サービスをおこなう場合に算定できる加算をいいます。

算定要件は、社会福祉士などの資格を持つ生活相談員を1名以上配置していること、地域に貢献する活動を実施していることの2点で、どちらの要件も満たす必要があります。

生活相談員配置等加算の対象となる共生型サービスは、介護保険・障害福祉の両サービスをひとつの事業所で提供できるようにするというものです。

生活相談員配置等加算は、地域共生社会の実現に向けて創設された共生型サービスへの取り組みを評価する制度といえるでしょう。

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