サービス管理責任者の資格を取るには、直接支援や相談支援の実務経験を積んだのちに規定の研修を受講・修了する必要があります。
サービス管理責任者の研修制度は大幅な見直しがおこなわれ、大阪府では2021年度から新たに実践研修がスタートしました。
この記事では、大阪府で実施されるサービス管理責任者研修の概要や申し込み方法、受講する際の注意点をご紹介します。また、最後には大阪でのサービス管理責任者の求人情報も載せてありますので、ぜひ最後までご覧ください。
チャレンジド・アソウ 広島事業所 /
チャレンジド・アソウ 大阪事業所 /
チャレンジド・アソウ 新大阪事業所 管理者
サービス管理責任者
監修：池田 倫太郎
株式会社チャレンジド・アソウ
立ち上げの中心メンバー。
就労移行支援事業、就労定着支援事業、
特例子会社の運営を行う。
大阪府｜サービス管理責任者の資格要件
サービス管理責任者とは、障害福祉サービスの利用者へ適切な支援を提供するために、サービス全般を管理する職種です。
具体的には、個別支援計画の作成や評価、関係機関との連携、他のサービス提供職員への指導などに従事し、サービスの質を向上させる役割を担っています。
サービス管理責任者になるための資格要件は「実務経験」と「研修」の2点です。実務経験がなければ研修を受けることができないため、サービス管理責任者を目指すにはまず実務要件を満たす必要があります。
ここでは、大阪府におけるサービス管理責任者の資格要件をご紹介します。
1. 実務経験（指定施設での直接支援・相談支援業務）
サービス管理責任者になるには、老人福祉施設や障害者支援施設、地域生活支援事業所など指定の施設にて、直接支援・相談支援業務における一定の実務経験が必要です。
| 業務内容 | 実務経験年数 |
|---|---|
| 相談支援業務 | 5年以上 |
| 直接支援業務 | 8年以上 |
| 有資格者（※1）による 直接支援業務 |
5年以上 |
| 国家資格等（※2）による 支援業務（3年以上従事） |
3年以上 |
（※1）社会福祉主事任用資格者、訪問介護員2級以上に相当する研修の修了者、保育士、児童指導任用資格者、精神障害者社会復帰指導員
（※2）医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、管理栄養士（栄養士含む）、精神保健福祉士
2. 研修の受講・修了
サービス管理責任者研修は、障害福祉サービスの質を確保するために必要な知識・技能を持つサービス管理責任者の養成を目的とした研修です。都道府県または都道府県知事が指定する研修事業者が実施します。
サービス管理責任者の研修制度は平成31年度（令和元年度）から新体系に移行しました。サービス管理責任者として従事するには基礎研修と実践研修の受講、資格を継続するには更新研修の受講が必須です。
研修カリキュラムは地域性や受講者の希望を考慮したうえで、時間数が延長されたり科目が追加されたりする場合があります。
【2021年度】大阪府のサービス管理責任者研修について
サービス管理責任者の研修は各都道府県が実施します。
研修日程は全国一律ではなく各都道府県の実情に応じて調整されるため、研修実施の日時や問い合わせ先は研修を受講する都道府県のホームページにて確認しておく必要があります。
ここでは、大阪府における2021年度のサービス管理責任者研修について、基礎研修・実践研修・更新研修それぞれの概要をまとめています。
基礎研修
2021年度のサービス管理責任者基礎研修は、大阪府知事指定の3つの事業所（大阪府社会福祉事業団、大阪府地域福祉推進財団、大阪府障害者福祉事業団）が大阪市内・堺市内にて実施する予定です。
それぞれ募集期間や研修期間、会場が異なるため、各事業者のホームページにて確認しておく必要があります。
サービス管理責任者基礎研修の対象は以下の実務要件を満たす方です。
なお、基礎研修は実務要件が2年満たない段階から受講できます。
| 業務内容 | 実務経験年数 |
|---|---|
| 相談支援業務 | 3年以上 |
| 直接支援業務 | 6年以上 |
| 有資格者による直接支援業務 | 3年以上 |
| 国家資格等による支援業務（3年以上従事） | 1年以上 |
大阪府のサービス管理責任者基礎研修で受講する研修は次のとおりです。
- 大阪府相談支援従事者初任者研修（11時間）
- 大阪府サービス管理責任者等研修（15時間）
それぞれ別々に実施され、受講時期の前後は問われません。
実践研修
2021年度のサービス管理責任者実践研修は、大阪府知事指定の2つの事業所（大阪府社会福祉事業団、大阪府障害者福祉事業団）が大阪市内・堺市内にて実施する予定です。
それぞれ募集期間や研修期間、会場が異なるため、各事業者のホームページにて確認しておく必要があります。
実践研修の対象者は、基礎研修修了以降の過去5年間に2年以上の相談支援または直接支援業務の実務経験がある方です。
基礎研修修了後はサービス管理責任者の一部業務が可能となり、個別支援計画原案の作成が認められています。
また、すでに施設・事業所にサービス管理責任者が1名配置されている場合は、基礎研修修了者を2人目のサービス管理責任者として配置できます。
なお、令和元年度から3年度までの基礎研修受講者であって、かつ配置に関する実務要件を満たしている場合は、実践研修を修了していなくても基礎研修修了後3年間はサービス管理責任者とみなされます。
更新研修
2021年度のサービス管理責任者更新研修は、大阪府知事指定の大阪府地域福祉推進財団が大阪市内にて実施する予定です。募集期間や研修期間、会場は、事業者のホームページにて確認しておく必要があります。
更新研修の対象者は、実践研修修了以降の過去5年間に2年以上のサービス管理責任者としての実務経験がある方、もしくは現にサービス管理責任者として従事している方です。
更新研修は合計13時間の標準カリキュラムが組まれていますが、大阪府では令和5年度までの間は6時間のカリキュラムに短縮する予定です。
なお、平成30年度までにサービス管理責任者としての従事要件を満たしている方は、令和5年度までに初回の更新研修を受けなければなりません。
対象期間内に研修を受講できなかった場合は資格が失効され、引き続きサービス管理責任者として従事するには実践研修から受け直す必要があります。
サービス管理責任者研修の申し込み方法
大阪府でサービス管理責任者研修を受講する方に向けて、大阪府指定の研修事業者や申し込み手順をまとめました。
大阪府の研修事業者
大阪府のサービス管理責任者研修は、府知事の指定を受けた以下の事業者が実施しています。
| 研修事業者 | 住所 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 社会福祉法人 大阪府社会福祉事業団 |
〒562-0012 大阪府箕面市白島3丁目5番50号 |
072-724-8167 |
| 社会福祉法人 大阪府障害者福祉事業団 |
〒542-0012 大阪市中央区谷町7丁目4番15号 |
06-6718-7288 |
| 一般財団法人 大阪府地域福祉推進財団 |
〒542-0012 大阪市中央区谷町7丁目4番15号 |
06-4304-3031 |
参考：大阪府｜サービス管理責任者研修・児童発達支援管理責任者研修について（https://www.pref.osaka.lg.jp/chiikiseikatsu/shogai-chiki/sabikankensyu.html）
上記の事業者はそれぞれ別法人となりますが、いずれの研修も大阪府が定めた実施要領に基づいておこなわれます。そのため、研修の受講対象者や優先順位、受講決定方法などはすべての事業者で統一されています。
サビ管研修の申し込み手順
大阪府のサービス管理責任者研修は複数の事業者が実施するため、募集要項や申し込みに関しては各回の研修をおこなう事業者のホームページにて確認する必要があります。
大阪府の場合、研修日程や申し込み等の詳細については、各研修の募集開始時期にあわせて情報開示されています。
ここでは一例として、大阪府社会福祉事業団で実施される基礎研修の申し込み手順をご紹介します。
- 大阪府社会福祉事業団で公開されている「学則」「募集要項」を確認し、「推薦書」に必要事項を記入する
- 受付印のある「誓約書の写し」を用意する（該当者のみ）
- 申し込みフォームに必要事項を入力する
- 受講決定の可否が郵送にて通知される
参考：大阪府社会福祉事業団｜令和3年度大阪府サービス管理責任者等基礎研修 募集要項（http://www.osj.or.jp/trainfo/pdf/2021/0414service/applicationrequirements_r3.pdf）
研修の申し込みは先着順ではなく、定員超過の場合は「大阪府サービス管理責任者等研修事業者実施要領」に基づく優先順位がつけられます。申し込みをしたからといって必ずしも受講できるとは限りません。
なお、研修募集の開始について大阪府では郵送によるお知らせをおこなっていません。
指定の事業者はそれぞれ別法人で募集開始時期が異なるため、申し込み漏れがないように大阪府および各事業者のホームページを確認しておきましょう。
大阪府で研修を受講する際の注意点
平成31年度から新たに設けられたサービス管理責任者更新研修は、資格を継続するために5年ごとの受講が必要です。
しかし、平成30年度までに旧体系の研修を修了した方に関しては、令和5年度までに初回の研修を受けなければ、引き続きサービス管理責任者として従事することはできません。
大阪府では以下のとおり更新研修の優先受講対象者を設定し、令和4年度までに受講することを勧めています。
最終年度となる令和5年度に受講希望者が集中した場合、定員超過により研修を受けられない可能性があるからです。
| 更新研修の実施年度 | 優先受講対象者 |
|---|---|
| 令和元年度 | 平成18年度から23年度までに研修を受講した者 |
| 令和２年度 | 平成24年度から27年度までに研修を受講した者 |
| 令和３年度 | 平成28年度から29年度までに研修を受講した者 |
| 令和４年度 | 平成30年度に研修を受講した者 |
| 令和５年度 | 令和4年度までに更新研修の申し込みをしたが 定員超過等で受講できなかった者 |
参考：大阪府｜サービス管理責任者研修・児童発達支援管理責任者研修について（https://www.pref.osaka.lg.jp/chiikiseikatsu/shogai-chiki/sabikankensyu.html）
また、大阪府ではサービス管理責任者の各研修について、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策の状況によっては、延期もしくは中止となる可能性があることを明記しています。
変更があれば大阪府や各研修実施事業者のホームページで公開されるため、定期的に確認しておくことをおすすめします。
大阪でのサービス管理責任者求人情報
最後に、大阪でのサービス管理責任者求人情報として、就労移行支援チャレンジド・アソウの採用情報を紹介いたします。
チャレンジド・アソウでは、事業拡大に伴いサービス管理責任者または候補としての採用を行っております。大阪では大阪事業所（大阪市中央区内本町）と新大坂事業所（大阪市淀川区西中島）の2つの事業所を構えており、それぞれサービス管理責任者の求人募集中です。
詳しい採用の情報や条件、エントリーなどは下記の採用ページにて行っておりますので、大阪でサービス管理責任者として働きたいとお考えの方は、ぜひご覧になってください。
まとめ
サービス管理責任者になるには、実務要件を満たしたうえで規定の研修を受講・修了する必要があります。
サービス管理責任者研修は各都道府県が指定する事業者が実施し、研修日程や時間帯は各事業者によって異なります。
大阪府のような大都市では複数の事業者が指定されるため、サービス管理責任者研修の受講を希望する方はあらかじめ各事業者のホームページをよく確認し、計画的な受講を心がけましょう。
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