障害があるからと仕事や社会復帰を諦めていませんか?
就労移行支援や障害者雇用枠を上手に活用することで、健常者と一緒に働くことは可能です。
自分の特性や症状と上手に付き合うことで組織の一員として再び社会復帰を果たしている人は沢山います。
健常者と一緒に働く最短ルートは就労移行支援事業所の利用です。
今回は、障害者雇用や就労移行支援がなぜ社会復帰につながるか紹介していきます。
チャレンジド・アソウ広島事業所
管理者 サービス管理責任者
精神保健福祉士・社会福祉士
監修:中野 富美子
精神保健福祉士として20年経験し、
以前から興味のあった就労移行支援に
チャレンジする事となり現職に至る。
健常者と別枠で採用される障害者雇用の内容や特徴を知る
就職活動を行う場合、新卒採用や中途採用に応募します。
この場合、ほとんどの求人は健常者を対象としており、障害のある方が内定をもらうには健常者に比べてハードルが高くなります。
なかには自信の障害を会社に隠して健常者として就職活動を行う人もいますが、運よく内定をもらえてもストレスや業務の厳しさについていけず、すぐに辞めてしまうことも多いです。
これでは、健常者として就職した意味がないだけでなく、ストレス等で余計に症状を悪化させてしまう危険も。
そこで知っておきたいのが、我が国には障害者を一定数雇用することを義務付ける障害者雇用促進法という法律の存在です。
障害者雇用促進法では
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
- 発達障害者
のいずれかの方を、従業員(健常者)が45.5名以上が働いている企業は雇用率2.2%以上を達成する必要があります(2021年3月までに2.3%へ引き上げ)。
厚生労働省による「平成30年障害者雇用状況の集計結果」によると、2018年時点で障害者雇用率は2.05%であり、2.2%以上を達成した企業は45.9%の半分以下に留まっています。
職種や健常者の雇用規模によって大きく差が生じているようです。
しかし、前年秀は雇用率および雇用者数は増加しており、上記集計結果によると53万人を超える障害者が民間企業で健常者と一緒に働いており、ある程度雇用の促進化は進んでいることが分かります。
健常者と同じ求人募集に応募しても内定をもらうことが難しいですが、障害者雇用枠なら健常者枠と比較して内定をもらえる確率が非常に高くなる点が魅力です。
障害者雇用枠のメリット
健常者枠ではなく、障害者雇用枠で仕事するメリットについて触れておこうと思います。
確かに健常者のような待遇や仕事内容を得ることは難しいかもしれません。
また、職場によっては障害に偏見をもつ健常者がいる可能性も。
しかし、障害者雇用には下記のような沢山のメリットを得ることが可能です。
- 職場から自分の障害について理解が得られる
- 社会復帰のハードルが下がる
- 通院や勤務時間帯など柔軟に対応してもらえる
- 就労支援スタッフからサポートが受けられる
- 入社後も定着支援が受けられる
- 大手企業で勤務できる可能性も
やはり、障害を隠し健常者を装って仕事することと違い、無理せずに職場の理解を得ながら働けるため、継続して勤務できる場合が多いです。
特に、就労移行支援の利用で働く上でに必要な訓練から就職活動のフォロー、入社後の定着支援と一貫したサポートが受けられることは大きなメリットだと言えるでしょう。
入社すると仕事や職場の人間関係の悩みを相談する相手はあまりいないですよね。
相談する相手がいれば、ストレスをため込むこともありません。
また、就労移行支援のスタッフは時には会社側に解決策を提案してくれる心強い存在となり、長期のキャリア形成も期待できます。
さらに、健常者が憧れるような大手企業で働くことも夢ではありません。
特に、上場企業などの大手民間会社では、社会的責任(CSR)の一環として、率先して障害者雇用に積極的な企業も多いからです。
今間で障害者雇用についてネガティブな印象を持っていた方も、自分のペースで無理なく社会復帰が目指せる働き方が実現できる障害者枠を検討することで選択肢が広がることでしょう。
症状のコントロールや自信を取り戻すことも大切
民間企業で仕事をするためには、就労移行支援事業所を利用して仕事に必要なスキルやトレーニングを習得する必要があります。
それ以上に障害の症状を上手く付き合いコントロールすることも、会社に勤務して働くためには重要です。
症状が悪いからと欠勤が多い、または勤務中の作業が進まなければ、雇用主からの評価も下がってしまいます。
さらには管理が大変だと障害者雇用ではなく、健常者の雇用に切り替えてしまうことも考えられます。
いっぽう、就労移行支援事業所では、症状との向き合い方や生活リズムの習慣づけから訓練をしていくので安心。
日々行われる就労移行支援の訓練を通じて、段々と日中の通所も苦痛でなくなったり、症状を上手に対処できるようになることも。
また、就労移行支援の方法は障害者一人ひとり方法も違えば、適した仕事もまた様々です。
そのため、就労移行支援スタッフが一人ひとり最適な目標設定と支援を行い、最適な仕事を見つけ出してくれます。
就労移行支援では職業体験やインターンなどを実施していることも多いです。
日々の訓練や健常者と一緒に働く体験を通じて、働くことに自信を持つことができるようになります。
就労移行支援事業所に入所してくる人は、悲観的だったり、自分に対し攻撃的な方も多いですが、就労移行支援を通じて自信をつけ社会復帰を実現している方がたくさんいらっしゃいます。
仕事に必要なスキルだけなく、日々の生活から障害と上手く付き合えるようになれるのが就労移行支援の魅力と言えるでしょう。
就労移行支援事業所へ入所・通所するきっかけは?
就労移行支援事業所に通所するきっかけはどんな事例が多いかを見てみると
- 医療機関の紹介
- 支援センターからの紹介
- 家族からの紹介
上記、3つが多いようです。
仕事に少しでも興味が湧いてきたら、かかりつけの医療機関や支援センターに相談してみると良いでしょう。
おすすめの就労移行支援事業所を紹介してくれるはずです。
また、就労移行支援事業所を利用する人の中には、一度就職して健常者と一緒に働いたことがある人もたくさんいます。
高校卒業後に大学進学と健常者と一緒の道を歩んで就職まで実現したものの、仕事が思うようにできず、最終的に医療機関で発達障害や精神障害と診断された方も多いようです。
【まとめ】就労移行支援を利用すれば健常者と一緒に働くことは可能です
以上のように、就労移行支援を利用して障害者枠で働くことで健常者と一緒に組織の一員として活躍することは可能です。
発達障害や精神障害と言った方は、健常者と同じように過ごし大人になってから障害であることが発覚した人も少なくありません。
この場合、健常者の働きぶりなどを知っているため、再就職を諦めている人いることでしょう。
しかし、障害と向かいながら自分の特性を生かせる仕事を見つけることができれば、再び社会復帰を果たすことは十分可能です。
就労移行支援事業所では、一人でも多くの障害がある方が、自分に自信をもち、社会で活躍できる仕事ができるよう日々サポートを行っています。
健常者とは違う、自分らしさを発揮できる仕事を就労移行支援で見つけていきませんか?