脳性麻痺など障がいを持つ方にとって就職は一苦労。
就職した後も周囲の理解が得られなかったり、色々な不自由を感じて仕事が続かない、なんて事例も多く見られます。
そんな脳性麻痺など障がいを持つ方が果たして一般企業で働くことができるのかを今回はお話していくとともに、体が不自由でも出来る仕事の見つけ方、そして脳性麻痺などを持つ方を大きくサポートする就労移行支援事業所を紹介します。
チャレンジド・アソウ 広島事業所 /
チャレンジド・アソウ 大阪事業所 /
チャレンジド・アソウ 新大阪事業所 管理者
サービス管理責任者
監修:池田 倫太郎
株式会社チャレンジド・アソウ
立ち上げの中心メンバー。
就労移行支援事業、就労定着支援事業、
特例子会社の運営を行う。
脳性麻痺とは
妊娠中から生後1ヶ月の間に赤ちゃんに起こった脳損傷が原因で、運動まひの症状が起きること。
筋ジストロフィーなど進行性の筋肉に原因がある病気や、脊髄の病気である二分脊椎症、ポリオ(小児麻痺)とも異なります。
また脳性麻痺には知的障害も含まれません。
症状としては手足のつっぱりが原因となり、片手が不自由、歩く際に支障があるなどが一般的です。
脳性麻痺で肢体不自由があっても働くことは可能?
もちろん可能です。脳性麻痺による肢体不自由がある方は手足に障害が残ることが多いので、車椅子や杖などを使用される方も多いかと思いますが、事務職や総合職、製造業など体が不自由でもできる仕事場で多く活躍しています。
脳性麻痺による肢体不自由がある場合は通勤が負担になりやすいので出社や退社の時間調整や労働環境の整備(在宅で働く在宅ワークなど)の問題をクリアすれば、他一般の方と同じように働くことができるでしょう。
肢体不自由がある人の働き方を大きく分けると一般就労と福祉的就労の2種類
脳性麻痺による肢体不自由がある方が就職を考えるときにはまずどのように働きたいかを具体的にイメージすることが大事です。
具体的イメージが固まったら次はどう働くか。
障害がない方と同じように一般企業で仕事をする一般就労と障害者雇用に積極的でサポートが元から整えられていて体が不自由でも出来る仕事が用意されている福祉的就労の2つから選ぶことになります。
それぞれを解説します。
一般就労とは
一般就労には障害があることを企業側に伝えておき障害者雇用枠を活用する「オープン就労」と障害者雇用枠ではなく一般の方と同じ採用枠を目指す「クローズ就労」の2つがあります。
障害者雇用枠は障害がある方のために設けられている雇用枠で身体障害者手帳があれば応募が可能となります。
またこの一般就職の際に就職前や就職後のサポートを行ってくれる制度が就労移行支援制度。
この就労移行支援制度をもとに実際のサポートを行ってくれる民間の事業所を就労移行支援事業所と呼びます。
脳性麻痺による肢体不自由を持つ方で一般企業への就職を目指す方が多く利用しています。
福祉的就労とは
一般企業や社会福祉法人が運営する就労継続支援事業所で仕事をすることを福祉的就労と呼びます。
就労継続支援事業所は就労継続支援制度に基づき、運営されています。
一般企業で働くことが難しい、もしくは働く自信がない脳性麻痺による肢体不自由を持つ方はこちらを利用するのが良いでしょう。
就労継続支援事業所では軽作業やデータ入力、清掃作業など様々な仕事が用意されています。
就労継続支援制度にはA型とB型が存在し、A方は雇用契約を結び働く、B方は雇用契約を結ばずに働くことになります。
A型は最低賃金以上の給与が支払われますが、B型は働いた分、生産物などに対しての報酬、つまり給料ではなく「工賃」という名目で支払われます。
B型は毎日継続して働くことが難しい方におすすめで、週1日、1時間だけでも働くことが可能です。
通院などの理由で多くの日にちで働くことができない脳性麻痺の症状の重い方はこちらが良いかもしれません。
就職を強力にサポートする就労移行支援事業所
脳性麻痺を持っている方は、まず自分がやりたい仕事を定め、その仕事に必要なビジネススキルと障害への付き合い方をマスターする必要があります。
そんな脳性麻痺を持つ方の大きな助けとなるのが就労移行支援事業所。
基本的に利用料は無料で、原則3年間就労移行支援事業所を利用することが可能。
就職するためのスキル習得から就職活動のサポート、就職成功後、継続して利用者が働くことができるように色々と助けてくれます。
就労移行支援事業所では以下のような具体的サポートを受けることができます。
就労移行支援事業所での具体的サポート内容
就労移行支援事業所ではどのようなサポートを受けることができるのか見ていきましょう。
- カウンセリングで脳性麻痺の方に合う、仕事や目標とする就職先を設定
- 就職に必要なビジネススキルの習得(WordやExcel、ビジネス文章)
- 障害との向き合い方や就職するための生活リズムを作る
- 就職活動のためにハローワークなどとの間に入ってくれる就労支援
- 就職成功後、継続して働くための支援
このように就労移行支援事業所のスタッフが担当についてくれ、様々なサポートを行ってくれるでしょう。
就労移行支援事業所の利用者は脳性麻痺などによる肢体不自由を抱える方だけでなく、知的障害や精神障害を持つ方や重病からのカムバックを目指す方など様々。
年齢も若い方から50代、60代まで(65歳未満)の幅広い人が就労移行支援事業所を利用します。
現在就労移行支援事業所は3,300カ所以上が全国にあり、利用者数は約3万人以上もいらっしゃいます。
そしてたくさんの方が就職成功するという事例も多くあります。
脳性麻痺による肢体不自由を持つ方やその他、障害を抱える方の就労移行支援事業所利用はこれからどんどんと増えていくと予想されています。
就労移行支援事業所 | |
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利用料金 | 前年の世帯収入が600万円以下は基本無料 |
利用可能期間 | 原則3年間 |
目的 | 一般企業への就職 |
雇用契約 | なし |
賃金 | なし |
年齢制限 | 65歳未満 |
自分に合う仕事を見つけたい方はまず就労移行支援事業所に問い合わせをしてみよう
いかがだったでしょうか、今回は駆け足でしたが脳性麻痺を持つ方にぜひおすすめしたい就労移行支援事業所について詳しくお話ししました。
障害がない方でも自立し、自分に合う仕事を自分一人で見つけるのは非常に大変です。
脳性麻痺による肢体不自由を持つ方なら苦労は尚更。
そんなときに就労移行支援事業所のスタッフのサポートは非常に心強いものです。
脳性麻痺を持つからと一人で、そして家族だけで悩まずに積極的に就労移行支援事業所を利用することをおすすめします。
最近は働き方も多様化しています。一般企業へ就職後、脳性麻痺を持つ方が毎日通勤するのは大変ですが、在宅ワークなどが許される職場も増えてきています。
ぜひこれから体が不自由でもできる仕事に付き経験を重ねることで社会に参加し、自分らしい生き方を見つけてくださいね。