脳原性上肢障害の方が就労移行支援を利用して就職活動を成功させるためには、実践的な職業訓練をする就労移行支援事業所を利用することです。
脳原性上肢障害は身体障害者福祉法における肢体不自由という障害の一つであり、身体障害者手帳を取得することで様々な福祉制度の利用が可能です。しかし、脳原性上肢障害の方は、就職活動を成功させ自立した社会生活を過ごしたのではないでしょうか。
当記事では、脳原性上肢障害の方が行う身体障害者手帳の申請手続きや、利用できる福祉制度、おすすめの就労移行支援事業所について解説します。
脳原性上肢障害とは
脳原性上肢障害とはどのような状態なのでしょうか。身体障害者福祉法を踏まえながら解説します。
脳原性上肢障害は肢体不自由の一つ
脳原性上肢障害の解説の前に、身体障害者福祉法における障害の種類について解説します。同法では障害を視覚障害や内部障害などの数種類に分けていて、その中の一つに肢体不自由があります。肢体不自由は下記の4つ機能障害から成りたっています。
- 上肢不自由
- 下肢不自由
- 体幹不自由
- 脳原性上肢障害、脳原性移動障害
※脳原性上肢障害は脳原性移動障害とあわせて脳原性運動機能障害といいます。
脳原性上肢障害は姿勢や運動に障害がある状態です。原因は乳幼児期よりも前に現れた非進行性脳病変でありのため一つではありませんが、疾患として多いのは脳性麻痺です。
脳原性上肢障害の方は身体のバランスが取りにくいため、歩くことが難しい方がいます。また、手や腕に障害があるため、物を持つ作業が難しい場合もあります。このため、勤務先では理解と協力を得て、職場の環境整備や在宅勤務などの対応が必要です。
脳原性上肢障害の方が身体障害者手帳を取得するには
脳原性上肢障害の方は、お住いの自治体で身体障害者手帳取得のための申請ができます。指定医の診断を受け診断書を作成してもらい、自治体に提出し審査を受けるということが手続きの流れです。
身体障害者福祉法では、脳原性上肢障害は1～7級の等級があり、7級の場合は身体障害者手帳が交付されません。しかし、他の障害とあわせて6級以上の等級となり、身体障害者手帳が交付される場合もあります。
脳原性上肢障害の方が利用できる福祉制度
脳原性上肢障害の方が身体障害者手帳を取得することで、下記のような福祉制度を利用できます。
- 手当：心身障害者福祉手当、児童育成手当（障害手当・育成手当）、特別児童扶養手当
- 医療費の助成：心身障害者医療費助成（マル障）
- 日常生活の支援：福祉タクシー、補助犬の給付
- 税の軽減：所得税、自動車税
- 費用の割引：鉄道運賃、タクシー代、携帯電話
金銭面の手当だけではなく、車の運転をする方にメリットがある自動車税の軽減もあります。利用する場合の該当等級や内容は自治体で異ります。また、企業独自の制度もあるため、利用する場合はお住いの自治体や企業に確認してください。
脳原性上肢障害の方の就職活動
脳原性上肢障害の方が転職・就職活動のために利用できる機関や制度があります。自分の希望の実現や社会的な自立のためにも、しっかり把握しましょう。
就職活動で利用しやすい機関
脳原性上肢障害の方が転職・就職活動で利用できる機関は下記の通りです。
- ハローワーク：専門担当者を配置。求人情報が得られ相談にものってくれる
- 地域障害者職業センター：障害者職業カウンセラーを配置。専門的な職業リハビリテーションサービスが利用できる
- 障害者求人サイト：民間企業が運営。インターネットで障害者向けの求人情報を掲載
- 就労移行支援事業所：就労支援員や生活支援を配置。障害者総合支援法にもとづく就職支援サービス
就職活動で利用しやすい制度
脳原性上肢障害の方が転職・就職活動で利用できる制度は下記の通りです。
- 障害者雇用：事業主に障害者の雇用を義務付けた制度。一般的な雇用とは分けられている
- 障害者トライアル雇用制度：事業主が一定期間障害者を試しに雇用できる制度。事業主には助成金があり、障害者は就職しやすいという双方にメリットがある
就労移行支援事業所を利用した就職活動
脳原性上肢障害の方が就職活動で利用しやすい機関は様々ありますが、これらの中でもっとも良い機関は就労移行支援事業所です。
就労移行支援って何？
就労移行支援は障害者総合支援法にもとづく就職支援で、具体的なサービス内容は下記の通りです。
- 職業訓練
- 就職活動のサポート
- 企業等での職場実習
- 就職後のサポート
就労移行支援事業所では、仕事の仕方や社会常識、面接対策などの就職までのサポートの他に、就職後に職場に定着するための支援を受けられます。また、利用する方一人ひとりにあったサービスを提供するため、個別支援計画という名称の支援プログラムを作成することが特徴です。
さらに、就労移行支援事業所での生活自体を楽しめるように、運動会やレクリエーションなどのイベントも開催されます。
就労移行支援と就労継続支援・就労定着支援の違い
就労移行支援に関連したサービスに就労継続支援と就労定着支援があります。就労移行支援とそれぞれのサービスごとの違いを解説します。
就労継続支援とは
就労継続支援とは就労移行支援とは違い就職を希望しない方向けのサービスです。一般就職を目指さない障害者が、事業所でパン作りやクリーニングなどの仕事を行って少額の工賃を受け取ります。
就労移行支援事業所と同じように事業所内でイベントも開催され、仕事一辺倒にはならない楽しい事業所生活を過ごせます。脳原性上肢障害の方で、ご自分の状態が一般就職に適さないのであれば、就労継続支援のサービス利用も検討してください。
就労定着支援とは
就労定着支援とは就労移行支援等を利用し就職した後に、仕事を続け職場に定着できるようにサポートするサービスで、平成30年4月からスタートしました。サービス期間は就職後6ヵ月から、1年間単位で最長3年間サービスを利用できます。
脳原性上肢障害の方におすすめの就労移行支援事業所
就労移行支援は就職活動をするためにとても良いサービスですが、脳原性上肢障害の方が実際に就労移行支援事業所に通う場合はどのような事業所が良いのでしょうか。
どのような就労支援事業所がおすすめか
脳原性上肢障害の方におすすめの就労移行支援事業所は、就職を見据えた実践的なトレーニングをしっかりと行うところです。就職するだけではなく就職した後にしっかりと仕事ができないと、職場で長く働くことはできません。
そのために、面接対策といった就職活動だけではなく、パソコン・ビジネスマナーなどの習得や職場実習などで就職後を意識したトレーニングを行う就労移行事業所がおすすめです。
就労移行支援事業所チャレンジド・アソウがおすすめ
仕事で役立つ実践的なトレーニングを行っている就労移行支援事業所にチャレンジド・アソウがあります。チャレンジド・アソウは実践的トレーニングが充実していることが魅力の就労移行支援事業所です。
パソコンスキルやビジネスマナーが身につく他に多くの連携企業で実習が可能なため、仕事に必要なスキルを身につけられて自分の希望通りの就職が実現できます。
まとめ
脳原性上肢障害の方が就職活動を成功させるためには、就職後に役に立つ実践的なトレーニングを行う就労移行支援事業所に通うことです。そのためには、どのような職業訓練をしているのか、通う前に確認すると良いでしょう。
就労移行支援事業所で実践的なスキルを身につけて、就職活動を成功させてください。
