仕事に行こうとすると胸が苦しくなる。
メールを開くのも怖い。
そんな日々を経て休職に入った方の多くが、心のどこかで「いつかは戻らなければ」と感じながらも、復職への不安を抱えています。
「また同じように苦しくなったらどうしよう」
「職場の人にどう思われるだろう」
「本当に働ける状態なのかな」
――そうした思いは、決してあなただけのものではありません。
適応障害からの復職には、心と体の回復だけでなく、「安心して戻るための準備」が欠かせません。
焦って戻って再び不調になるよりも、少しずつ「働くリズム」「心の整え方」「周囲との関わり方」を整えていくことで、安心して再スタートを切ることができます。
この記事では、適応障害で休職中の方が「不安や怖さを少なくして安心して復職する」ための考え方と実践ステップをご紹介します。
適応障害による休職からの復職
適応障害とは?
「適応障害」とは、環境の変化やストレス要因(職場・人間関係・家庭など)にうまく適応できず、抑うつ気分・不安・焦燥、あるいは身体症状(めまい・動悸・不眠など)が生じ、生活や仕事に支障をきたすメンタル不調の一つです。
特徴として、ストレスの原因が明らかである点、比較的短期間の対応で改善する可能性がある点が挙げられます。
たとえば長時間労働・仕事内容・人間関係・昇進プレッシャーなどが発端となり、「気づいたら毎日憂鬱」「行きたくない」などの気持ちとなり、休職に至るケースも少なくありません。
症状を悪化させて入院などにつなげないためにも、休職という手段をとることで、ストレスの原因から距離を置き、心身を休ませることが大切になります。
休職中の不安や恐怖の背景
休職に踏み切ったものの、「復職」というキーワードを前にすると、多くの人が強い不安や恐怖を感じます。なぜでしょうか。
まず、休職中は「働かない」ことへの罪悪感・周囲への迷惑感・自分はこのままで良いのかという焦りが生まれがちです。
たとえば「ずっと家にいていいのだろうか」「何をして過ごせば良いのだろうか」という戸惑いが出てくることもあります。
また、休んでいるあいだに社会(職場)との接点が薄れ、「このまま戻れるのだろうか」「人間関係はどうなるだろうか」「仕事ができる自分でいられるだろうか」という、未来の自分と職場とのギャップに恐怖を抱くことがあります。
さらに、症状が完全に消えているわけではなかったり、「もう大丈夫」と思ってしまい急ぎすぎると、再発・再休職のリスクが上がることも。
結果として「また休むことになるのでは」という潜在的な恐怖が付きまといます。
私たちチャレンジド・アソウでは、休職中の方が復職に向けての不安や怖さを少なくし、安心して職場復帰できるようにサポートしています。
具体的に下記のリワークプログラムを実施しています。
- 最初は週1日など、自分のペースで利用開始
- あなただけの支援プランを作成し、自分に合ったプログラムが受けられる
- たくさん話を聞いてもらえるカウンセリング
- 「CCフィットネス」で体力&生活リズムの改善
- eラーニングで休職中にスキルアップ
- セルフケアとアラートサインを学び、ストレスを溜め込まない
- あなたに合った時期や部署、仕事内容で復職できるように企業と調整(職場復帰支援プランの作成、復職の時期や休職期間の延長、復職する部署や仕事内容・業務量の調整、最初は短時間勤務やテレワークからスタート、合理的配慮のレクチャー など)
- 再発・再休職しないように復職後も継続サポート
詳しくは下記の特設サイトをご覧いただくか、資料をご請求ください。
なぜ復職準備が重要なのか?
適応障害からの復職において、最も大切なのは「戻る時期」よりも「どんな準備をして戻るか」です。
焦って職場に復帰しても、心や体がまだ十分に整っていないと、再び不調を招いてしまうことがあります。
実際、メンタル不調による休職から復職した人のうち、3人に1人が再休職を経験しているというデータもあります。
これは「治ったと思っても、環境への耐性や生活リズムが整っていなかった」ことが主な原因です。
適応障害は、単なる「疲れ」や「一時的なストレス」ではなく、「特定の環境に適応できなくなっている状態」です。
そのため心身の回復だけでなく、「再び同じストレス環境に戻ったときに、どう対応するかを事前に整えること」や、「ストレス原因から離れるために会社との連携」が再発を防ぐ最大の鍵となります。
復職準備とは、単に「体調を良くする」ことではなく、
- 生活リズムを整え、体が働くリズムに慣れること
- 不安や焦りに気づき、うまく対処するスキルを身につけること
- 職場と連携し、安心して働ける条件を作ること
- 支援者(医師・家族・産業医、就労支援機関など)と情報を共有すること
これらを少しずつ進めていくプロセスです。
また、復職準備を通じて「どんな働き方が自分に合っているのか」「何がストレスの原因だったのか」を整理できるようになると、復職後の生活が安定しやすくなります。
復職準備とは再発を防ぐためのリハビリ期間であり、「以前と同じ働き方に戻る」ためではなく、「今の自分に合った働き方を見つける」ための時間でもあります。
焦る必要はありません。
準備にかけた時間は、必ず「安心して働き続けるための力」になります。
チャレンジド・アソウでは、あなたに合った復職準備ができるように、企業や医師と連携しながらサポートしますので、少しでもご興味のある方はお気軽に資料請求または無料相談をお申し込みください。
復職への不安を軽減する方法


心の準備と生活リズムの整備
復職に備えてまず取り組みたいのが、生活リズムと心(意識)の準備です。
休職中だからこそできる「習慣づくり」が、復職後の安心につながります。
休職初期は治療に専念することが大切ですが、症状の回復後は起床・就寝の時間を揃え、規則正しい生活リズムを作ることが推奨されます。
特に「仕事をしていた時の起床時間」に合わせて、少しずつ起きる時間を早める、休日とのギャップを縮めるなどが効果的です。
次に、「働くこと」をイメージしながら段階的に活動を増やしていくことが挙げられます。
たとえば午前中だけ外出してみる/人と会話してみる/簡単な家事を時間を決めてやってみるなど、「体も心も少しずつ働くモードに切り替えていく」取り組みが有効です。
また、休職していたからこそ生まれる「焦り」や「戻らなきゃ」という思いを自覚することも重要です。
「まだ戻れる状態ではないかもしれない」「今は準備期間だ」と認識することが、復職を「急ぎすぎない」ための軸になります。
加えて、休日・趣味・リラックスの時間を意図的に確保して、仕事モードと休息モードの切り替えを体験しておくことも、復職後のバランスをとるために役立ちます。
医師との相談が鍵
復職にあたっては、本人の主観的な「大丈夫そうだ」という気持ちだけで動くのではなく、専門家・医師との相談が非常に重要です。実際に、多くのメンタルヘルス不調からの復職において、「主治医の診断書をもらう」「職場の担当者が医師と情報共有を行う」などのプロセスが推奨されています。
具体的には、以下のような点を医師と確認すると良いでしょう:
- 今現在の症状(抑うつ・不安・身体症状など)の有無・軽減状況
- 治療・服薬の経過と今後の見通し(例えば、服薬継続の必要性)
- 復職にあたってどのような配慮が必要か(勤務時間・配置転換・業務量・休憩など)
- 復職後に再度症状が出た場合の対応について
これらを把握しておくことで、職場とともに「安心して戻るための条件設定」が可能になります。
たとえば主治医から「軽めの業務量から始めて段階的に戻してください」というアドバイスがあれば、それを職場に伝えることで配慮を得やすくなります。
また、もし「まだ怖い」「戻るには早いかもしれない」と感じる場合は、無理に復職を進めず、相談しながら休職延長などを相談することも大切です。
家族や職場への積極的なコミュニケーション
休職中・復職準備期において、家族や職場の関係者(上司・人事・産業医・同僚)とのコミュニケーションを整えておくことも、復職時の安心感を高める大きな要素です。
家族には休職中の自分の状況、今後の予定、そして復職に向けて何を整えているかを伝えておくと、「一人で抱える不安」が軽減され、支えてもらいやすくなります。
実際、家族の理解と協力が復職成功に貢献するという調査結果もあります。
職場側に対しても、復職を目指す意思を示しつつ、「私が今どこまで回復しているか」「復職初期にはこんな配慮をお願いしたい」という希望を相談しておくことで、復帰後の「見えない不安」を事前に減らすことができます。
特に、上司や人事・産業医との情報共有は、トラブル予防の意味でも価値があります。
このように、復職を「自分ひとりの戦い」と捉えるのではなく、「支えてくれる体制」を整えた上で進むことで、不安・怖さを格段に減らすことができます。
ただ、このようなコミュニケーションができるのか不安に思う方もいるのではないでしょうか?
チャレンジド・アソウでは、あなたの窓口になって企業と調整しますので、復職に向けて準備を始めたい方は、お気軽にご相談ください。
復職を成功させるためのステップ


試し出勤の具体的な方法
復職をゴールにせず、「段階的に職場に慣れていく」ステップを設けることが、安心して復帰するために大切です。いわゆる「リハビリ出勤」「試し出勤」と呼ばれるものになります。
具体的には以下のようなステップが一例として挙げられます。
- 週数回の短時間勤務から開始する
- 業務内容も「フル業務」ではなく、まずは負荷の軽いタスクを担当
- 定期的に体調・気分をチェックし、「やってみてどうだったか」を振り返る
このように、復職後すぐにフル稼働を目指すのではなく、「まずは働くという環境に慣れる場」として位置づけることで、心身の急激な負荷を防ぐことができます。
また、出勤後の評価として「自宅に戻ってからの疲労感・寝つき・翌朝の疲れ」という視点も重要です。
これらが想定よりも強い場合は、無理をせず勤務日数や労働時間、仕事内容を調整するこも必要になります。
職場復帰プログラムの活用
休職から復職へ移行する道には、企業単位だけでなく外部支援・専門サービスを活用する選択肢があります。
たとえば、私たちのようなリワーク支援(職場復帰支援プログラム)がその代表です。
リワークプログラムでは、ストレスマネジメント・認知行動療法・生活習慣の見直し・模擬的な業務体験・グループワーク・職場見学などが行われ、「働くための準備」を体系的にサポートしてくれます。
適応障害からの復帰で再発予防を考えるうえでは、こうした手段を使うことで安心度が高まります。
業務内容の調整と負担軽減
復職後に安心して「働き続ける」ためには、復帰直後のみならずその後の働き方も重要です。
特に、休職前の「無理をしていた働き方」を振り返り、復職後には「働き方を少し変える」「配慮を受けやすい条件を整える」ことが鍵になります。
たとえば、業務量・会議数・配置転換・必要なサポート配慮などを上司や人事と相談することが大切です。
またオフィスの環境(デスク位置・照明・雑音)や勤務形態(出社日数・在宅勤務・時差出勤)など、細かな調整もストレス軽減につながります。
さらに、職場復帰後には「疲れたら休む」「集中できない日は状況を上司に報告する」「タスクを整理して優先順位をつける」など、自分自身が「無理をしない働き方」を意識することも大切です。
これらをあらかじめ職場と共有し、「働き出してから相談しづらい雰囲気」がないように備えておくことで、安心感がぐっと増します。
復職後の生活と心のケア


復職後の心理的負担を軽減するアプローチ
復職後に「思っていた以上に疲れた」「またあの症状が出るのでは」と感じることは珍しくありません。
むしろ、復職をゴールではなく「新たなスタート」だと捉えることが大切です。
実際、復職直後の心理的な不安を軽くするためのアプローチが医療・心理現場で紹介されています。
具体的な手法としては、以下のようなものがあります:
- 毎日の「自分の状態チェック」を習慣化する(睡眠の質・起床時の気分・仕事後の疲労感など)
- 定期的に休むことを「後ろめたさ」ではなく「正常な調整」として捉える
- 職場で困ったと感じたら早めに相談または休暇を取得するというルールを自分で決めておく
- 「元に戻る」ではなく「違う働き方を身につける」という意識を持つ(例えば、体調に応じて勤務時間を調整する、在宅ワークを活用する等)
また、万が一体調が悪化しそうだと感じたら、復職初期であっても「休むことは後退ではない」と自身に言い聞かせることが、心理的な負担を和らげるきっかけになります。
特に、休職前の状況を思い返して「またあの状態に戻ってはダメだ」というプレッシャーを持つより、「今回はあの経験をきっかけに、自分に合った働き方を模索する」と考え直す方が安定性が高まります。
チャレンジド・アソウでは、復職準備や復職時の企業との調整だけではなく、復帰後も安定した就労ができるように継続的にサポートしています。
再発防止のための生活習慣
復職して通用するだけではなく、長く働き続けるためには「再発しない働き方・生活習慣」を定着させることが重要です。
休職中から取り組んできたことを、復職後の生活にも引き継いでいきましょう。
ポイントとして以下が挙げられます。
- 睡眠を毎日7~8時間程度確保する(就寝・起床時間を揃える)
- 食事・運動・休息のバランスを整える。特に適度な運動はストレス緩和・セロトニン活性化に有効。
- 仕事以外の居場所・リラックスできる時間を確保する(趣味・友人・散歩・自然)
- ストレスのサイン(イライラ・不眠・食欲変化・集中力低下など)に気付いたら、早めに対処する(相談・休暇・業務調整)
- 定期的な通院・カウンセリング・支援サービスの継続。休職前だけでなく復職後も“支えてくれる”体制を維持することが、再発リスクを下げる鍵。
上司や同僚との関係を良好に保つために
復職後、仕事の内容や役割以外に意外と大きな負荷となるのが「人間関係」です。
上司・同僚とのコミュニケーション、初期の期待・評価、会議や雑談の場に対する負担は、休職前には感じにくかった「戻ることの難しさ」を感じさせる要因となります。
そのため、次のような工夫が有効です。
- 復職初期は“報・連・相”を丁寧に。状態が落ち着いていないうちは、小さな変化も上司に共有しやすい関係を作る
- 業務外で無理に「キャラを戻す」必要はありません。「今はちょっと調整期間です」と周囲に伝えておくのも有効です
- 「今日自分はこれができた」「今日はいつもより疲れた」など、小さな振り返りを同僚・上司と共有することで、理解を得やすくする
- 会議・雑談・飲み会など「職場の慣習」が負担となる場合は、参加頻度を調整・断る権利を自分で持つ意識を持つ
- 復職後、困ったらすぐに相談するなど早めの措置が再発防止につながる
このように、人間関係を「戻す」のではなく、「新たな関係を作る」ような気持ちで臨むことが、安心して働き続けるためには大切となります。
自身の成長と適応力の向上
休職・復職という経験は、ともすればネガティブにとらえられがちですが、実は自分自身の適応力・自己理解を深める大きな機会でもあります。
以下の視点を持って歩むことで、復職後も継続して「働きやすい自分」に近づくことができます。
- 「なぜ自分は適応障害になったか」を振り返る(環境・働き方・人間関係・自分の性格)ことで、同じパターンを繰り返さない仕組みを作る。
- 今までの働き方・生活習慣を見直し、「自分に合った働き方」を模索する。
- ストレスに対するセルフケア力を高める
- 休職経験を「弱さ」ではなく、「気付き・成長」のきっかけと捉え、今後のキャリア・人生設計に活かす
最後に


長い休職期間を経て、「また働けるかな」と思えるようになったとき。
それは、あなたの心が確かに回復に向かっているサインです。
けれど、同時に湧き上がる「怖さ」や「不安」もまた、自然で大切な感情です。
それは、あなたが“もう同じ苦しみを繰り返したくない”と思えている証拠でもあります。
だからこそ、焦らず。
心のペースに合わせて、少しずつ働く環境を整えていきましょう。
適応障害は「弱さ」ではなく、「生きることに真剣だった証」です。
自分を責めず、これまでの経験を糧に、あなたらしい働き方を取り戻していくことが、何よりの社会復帰への道だと思います。
無理をせず、比べず、少しずつ。
あなたのペースで「もう一度働く未来」を描いてください。
私たちチャレンジド・アソウがサポーターとなり、安心して働ける職場復帰を支援します。










