障害のある方が就労移行支援サービスを利用する際に、利用料金が発生する方と発生しない方がいらっしゃいます。
他にも、就労移行支援で発生した交通費、労働による賃金、これらに税金はかかるのでしょうか?
今回は就労移行支援サービスを利用するにあたり料金と税金の関係から、その他の費用に関わるお話をしてまいります。
そして、就労移行支援サービスがどれだけ費用がかかり、労働した時の賃金や交通費など、よく質問をいただくお金周りのお話について、参考になれば幸いです。
就労移行支援制度を利用するためにかかる利用料金
実は、就労移行支援サービスをはじめとした障害福祉サービスを受ける際、ご利用される方の利用料金で自己負担が発生する場合と、発生しない場合があるのです。
これは税金と関わってくる内容で、前年度のご本人様の年収によって就労移行支援サービスの利用料金が決まります。
その所得により、税金である住民税の額が決まり、その住民税の額によって就労移行支援サービスを利用する際の利用料金の自己負担額が決まるのです。
利用料金の詳細な部分については各自治体ごとに対応が変わるため、お住まいの自治体に確認していただき必要がありますが、 今回は一般的なお話をします。
就労移行支援サービス利用料金の自己負担額について
就労移行支援サービス利用料金の自己負担額は、所得と税金の額に応じた次の4区分が設けられています。自己負担する利用料金には上限が設定され、利用したサービスの量にかかわらず、月額制の利用料金となります。
世帯の収入状況 | 負担上限月額 | |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(※1) | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円(※2)未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム、 ケアホーム利用者を除きます(※3)。 |
9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
(※1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象。
(※2)収入が概ね600万以下の世帯が対象になります。
(※3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム、ケアホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合「一般2」となります。
※その他条件によって減免があるので、各自治体、行政に確認してください。
所得を判断する世帯の見方
上記の表であるように、就労移行支援サービスを利用するにあたって必要となる自己負担分の利用料金は、世帯の所得で判断します。
その世帯の見方はこちらになります。
種別 | 世帯の範囲 |
---|---|
18歳以上の障害者 (施設に入所する18、19歳を除く) |
障害のある方とその配偶者 |
障害児 (施設に入所する18、19歳を含む) |
保護者の属する住民基本台帳での世帯 |
就労移行支援サービスを利用するにあたっての世帯の見方はこのようになっていますが、手続きの細かな部分は各自治体によって異なるため、ご相談いただくことがよろしいでしょう。
交通費は税金の申告をしなくて大丈夫?
就労移行支援サービスを受けるにあたり、原則として利用料金以外に発生する交通費は自己負担となります。
但し、一部の自治体や就労移行支援事業所では一定の基準を満たす方を対象に交通費の助成金を出している場合があります。
お住まいの地域については、お近くの自治体の行政窓口に確認することが必要です。
また、交通費に関しては通常の税制に則り、基本的には税金がかからない非課税となっています。
工賃(給与)は税金の申告が必要か
まず、基本的に就労移行支援で実施される労働には工賃はありません。
これは、あくまで就労移行支援の訓練として捉えるためです。ですが、例外として中には工賃の発生する労働もあります。
もし工賃が出る場合でも、就労移行支援の工賃は雇用契約に基づくものではないので、最低賃金の適用はありません。
こういった工賃が出る場合の税金はどういう扱いなのでしょうか?
通常の収入源としてカウントされるので課税対象?
工賃は雇用契約を結ばない収入なので、税務上、給与所得にはなりません。
区分としては雑所得という所得に含まれ、源泉徴収が行われないので確定申告の対象になります。
ただ、法律上では、年間の工賃額が55万円以下の場合は確定申告が必要ないとされています。
工賃で得られる金額の平均金額で考えると55万円以上になることはほとんどないと考えられ、申告不要のことが多いようです。
就労移行支援の利用料についてまとめ
今回は、就労移行支援の利用料金の負担や交通費、工賃などお金周りのことについて具体的な説明やこれらの関連性などを紹介しました。
就労移行支援サービスの利用料金が所得税に関係しているように、普段の税金と関係している部分もあり、就労移行支援を利用する時には利用料金を含め事前に調査したり準備するべきことがいくつかあります。
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