症候性てんかんの方が就労を目指すなら、病気や障害のある方の就職活動をサポートする就職支援サービスの利用を検討しましょう。
こうしたサービスを利用すると、就業に必要なスキルの習得や個々の適正に応じた職場開拓、企業面接への同行など、就職活動に関するさまざまな支援を受けられます。
この記事では、症候性てんかんの原因や症状とともに、症候性てんかんの方の就職活動のポイントや、病気・障害のある方が利用できる就労移行支援などのサポート機関をご紹介します。
症候性てんかんを患いなかなか就職活動が進まない方、就職活動のアドバイスや支援を受けたい方はぜひ参考になさってください。
チャレンジド・アソウ広島事業所
管理者 サービス管理責任者
精神保健福祉士・社会福祉士
監修:中野 富美子
精神保健福祉士として20年経験し、
以前から興味のあった就労移行支援に
チャレンジする事となり現職に至る。
症候性てんかんとは
てんかんとは、突然意識を失ってけいれんする、応答がなくなるなどの「てんかん発作」を繰り返し起こす病気です。
てんかんは大きく2種類に分けられ、てんかんを発症する原因がわかっている場合は「症候性てんかん」、原因がわかっていない場合は「特発性てんかん」と呼ばれます。
ここでは、症候性てんかんの原因や症状、困りごとをご紹介します。
症候性てんかんの原因・症状
症候性てんかんはてんかんを引き起こす原因が明確で、頭部外傷や脳梗塞、脳腫瘍、アルツハイマー病といったケガ・病気によるものと考えられます。
てんかん発作の症状には「部分発作」と「全般発作」があり、部分発作は脳の一部に異常な電気発射が起きた場合、全般発作は左右の脳全体に電気発射が起きた場合に起こります。
部分発作には目がチカチカする、手足がピクピクするといった症状、全般発作には体の力がなくなって倒れる、全身がけいれんするといった症状があります。
症候性てんかんの方の困りごと
症候性てんかんの方の困りごととしては、てんかん発作に対する理解が得られにくいことが挙げられます。
てんかん発作の症状や頻度は人によって異なり、仕事をするうえで支障をきたさない場合は必ずしも職場に伝える必要はありません。しかし、頻繁に発作が起きる場合はあらかじめ病気のことを話しておく必要があるでしょう。
症候性てんかんの方が就労を目指すなら、ハローワークや就労移行支援事業所を利用し、専門の職員・スタッフからの適切なアドバイスを受けながら就職活動をしていくことをおすすめします。
症候性てんかんの方が就職活動で重視したいポイント
症候性てんかんの方が就職活動をする際に重視したいポイントをご紹介します。
勤務日数・勤務時間が調整できるか
症候性てんかんの方は定期的な通院が必要なため、勤務日数や勤務時間の調整を柔軟に対応してもらえる職場だと安心です。
症候性てんかんの方の就職先は、病気や障害のある方に対する理解があり、合理的配慮を得やすい職場がよいでしょう。
仕事内容が自分に向いているか
症候性てんかんがあっても、さまざまな領域で幅広く活躍することは可能です。しかし、仕事中に発作が起こり得る病気である以上、車の運転をともなう仕事や高い場所での作業は避けた方がよいでしょう。
あらかじめ「できること」と「できないこと」を明確にし、仕事内容が自分に向いているかよく考える必要があります。
在宅勤務ができるか
在宅勤務ができる仕事には、パソコンを使ったデータ入力や文字起こし、資料作成、ライティング、編集、プログラミングなどが挙げられます。
在宅勤務が可能な職場であれば通勤の必要がなく、車の運転や高所での作業も発生しないため、症候性てんかんの方も安心して働けるでしょう。
病気・障害のある方が就職活動で利用できるサポート機関【ハローワーク・就労移行支援】
症候性てんかんなどの病気や障害がある方は、ハローワークや就労移行支援といった就職活動のサポート機関を利用できます。
こうした機関では、利用者一人ひとりとの職業相談から就業に必要な訓練機会の提供、就業後の定着支援まで、病気・障害のある方が就職し働き続けるための支援をおこなっています。
ハローワーク(公共職業安定所)
ハローワーク(公共職業安定所)では障害のある方向けの求人を開拓し、「障害者求人」として一般求人とは分けて公開しています。
障害のある方には専門の職員が対応し、障害の程度や個々の適性、希望職種に応じた職業相談・職業紹介をおこなっています。
また、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターなど、他の関係機関とも連携しながら障害のある方の就職を支援しています。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、障害のある方のニーズに応じた専門的な職業リハビリテーションを実施する施設です。
具体的には、職業評価、職業指導、職業準備訓練、職場適応援助などをおこなっています。また、事業主に対しても、障害のある方が働きやすい職務の設計や指導方法などを助言しています。
就労移行支援事業所
就労移行支援とは、障害者総合支援法にもとづいて提供される就労系障害福祉サービスのひとつです。
就労移行支援事業所は一般就労が可能と見込まれる方が対象となるため、サービスを利用できる期間は最大2年間とされています(必要性が認められた場合に限り1年間の更新可能)。
就労移行支援事業所は全国に約3,000か所あり、約35,000人がサービスを利用しています。
一貫した就職支援を受けるなら就労移行支援事業所
就労移行支援事業所では、症候性てんかんがあって仕事探しに困っている方、就職しても仕事がなかなか続かない方など、病気・障害のある方の就職とその後の就労継続を支援しています。
仕事探しのアドバイスからスキルの習得、就業後の職場定着まで、一貫した就職支援を受けたい方は就労移行支援事業所の利用がおすすめです。
就労移行支援事業所ってどんなところ?
就労移行支援事業所とは、一般企業への就労を希望する障害のある方に対し、就労に必要なあらゆるサポートを一貫して提供する施設です。
利用料金は9割が自治体負担、1割が本人負担となりますが、前年の世帯収入状況によっては0円(無料)で利用できます。
就労移行支援サービスを利用する場合は、あらかじめ市区町村へサービス受給申請し、障害福祉サービスの受給者証を発行してもらう必要があります。
受給者証の発行後に希望する就労移行支援事業所にて契約締結、サービス開始の流れとなります。
おすすめの就労移行支援事業所「チャレンジド・アソウ」
病気・障害のある方のための就労移行支援事業所「チャレンジド・アソウ」では、一人ひとりと話し合いながら個別支援計画を作成し、個々のニーズやペースに沿ったオリジナルカリキュラムのもとで就業に向けたサポートをおこなっています。
ビジネスマナーやビジネスコミュニケーション、パソコン操作など、実務をするうえで必要となる実践的なカリキュラムを提供しています。
グループ社ならではの豊富なネットワークを生かし、皆さまの実習・就職をバックアップいたします。
まとめ
症候性てんかんとは、発作症状を起こす明らかな原因があるてんかんをいいます。
てんかんは繰り返し発作を起こす病気なため、症候性てんかんの方の就職先は、病気・障害に対して理解がある職場、在宅勤務が可能な職場がおすすめです。
症候性てんかんの方が就職活動をするときは、病気・障害のある方の就職支援をおこなうサポート機関を利用できます。
就労移行支援事業所では仕事に就くまでの支援はもちろん、仕事に就いた後の定着支援にも力を入れています。
症候性てんかんがあって仕事探しに困っている方、仕事がなかなか続かない方は、就労移行支援事業所の利用を検討してみてはいかがでしょうか。