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パーソナリティ障害とは?就職・定着をサポートする就労移行支援のサービス内容

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パーソナリティ障害とは?診断基準・原因・治療法や就活をサポートする就労移行支援のサービス内容

パーソナリティ障害は、青年期から成人早期までに発症する精神疾患です。症状は多彩で10のタイプに分類されていますが、共通するのは情緒が不安定で傷つきやすいことです。そのため対人関係でのトラブルが多く、就職しても継続するのが困難という方が少なくありません。

ここでは、パーソナリティ障害の症状や診断、治療法、家族の接し方について解説し、就職したいけど自信がないという方のために就労移行支援の利用法について紹介しています。

監修:池田 倫太郎

株式会社チャレンジド・アソウ立ち上げの中心メンバー。就労移行支援事業、就労定着支援事業、特例子会社の運営を行う。

チャレンジド・アソウ広島事業所 / チャレンジド・アソウ大阪事業所 / チャレンジド・アソウ新大阪事業所 管理者 サービス管理責任者

目次

パーソナリティ障害とは

パーソナリティ障害とは

パーソナリティ障害とは、社会の大多数の人とは異なる、極端に偏った思考や行動パターンに陥ることで自分自身が苦しんだり、周囲の人を困らせて社会生活に支障をきたす状態をいいます。

かつては「人格障害」という診断名が使われていましたが、これには「人格そのものが病的である」といった差別的なニュアンスが強いことから、英語の「Personality disorder」から取って「パーソナリティ障害」が用いられるようになりました。

一時は「性格障害」と呼ばれたこともありますが、これも「性格が異常である」と誤解を招きやすいことから今は使われていません。

この場合の「パーソナリティ」は、一般的な訳語の「性格」「個性」とは異なります。認知(考え方・見方)や相手の言動に対する反応の仕方、衝動のコントロール、人との関わり方といった、広い範囲のパーソナリティ機能を意味し、治療することで改善が期待できる精神疾患です。

アメリカ精神医学会の「DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)」では、この障害を「パーソナリティ機能の減損」であると定義しています。

パーソナリティ障害はその人によって症状の現れ方や行動パターン、活動レベルは異なります。DSM-5では、下表のように10種のタイプに分け、ベースにあるパーソナリティ機能の類似性に基づいてA・B・Cの3つの群に分類しています。

パーソナリティ障害のタイプと特徴
A群(奇妙で風変わりなタイプ)
① 妄想性パーソナリティ障害 不信感や猜疑心が強い
② 統合失調症質パーソナリティ障害 非社交的で他者への関心が薄い
③ 統合失調症型パーソナリティ障害 感情の幅が狭く、会話が風変り
B群(感情的で移り気なタイプ)
④ 境界性パーソナリティ障害 対人関係が不安定。衝動的な行為が目立つ
⑤ 自己愛性パーソナリティ障害 態度が傲慢で、周囲の注目と賞賛を求める
⑥ 反[非]社会性パーソナリティ障害 重大な規則違反や暴力的な行動が目立つ
⑦ 演技性パーソナリティ障害 世間の注目を集めるような派手な言動を取る
C群(不安で内向的なタイプ)
⑧ 依存性パーソナリティ障害 他者への過度の依存。孤独に耐えられない
⑨ 強迫性パーソナリティ障害 潔癖でこだわりが強く、融通が利かない
⑩ 回避性パーソナリティ障害 傷つくことを恐れ、失敗しそうな状況を避ける

パーソナリティ障害の診断はこのように行われる

パーソナリティ障害の診断はこのように行われる

パーソナリティ障害の人は、いろいろな症状を自覚しても、「パーソナリティ障害」を疑って受診することはほとんどありません。それは、パーソナリティ障害はうつ病やパニック障害、発達障害(自閉症スペクトラムやADHD)、社会不安障害(神経症)などと併存しやすく、同じような症状に悩まされることが多いからです。中には、引きこもりや非行、あるいは物質関連疾患に伴う症状で家族などに付き添われて専門医を受診するというケースもあります。

いずれにしても、ほかの精神症状が併存するとパーソナリティ障害が陰に隠れてしまうため、いっそう見逃されてしまいがちです。そうなると症状が慢性化・難治化しますから、早期に鑑別してきちんと対応していく必要があります。

パーソナリティ障害の診断は2段階で行われます。まず、全般的な診断基準からパーソナリティ障害に該当するかどうかを判断します。

パーソナリティ障害の全般的な診断基準
1.その人の属する文化から期待されるものより著しく偏った、内的体験および行動の持続的様式。この様式は以下の領域のうち2つ(またはそれ以上)の領域に現れる。
 
① 認知(すなわち、自己、他者、および出来事を知覚し解釈する仕方)
② 感情性(すなわち、情動反応の範囲、強さ、不安定さ、および適切さ)
③ 対人関係機能
④ 衝動の制御
2.その持続的様式は柔軟性がなく、個人的および社会的状況の幅広い範囲に広がっている。
3.その持続的様式は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
4.その様式は、安定し、長時間続いており、その始まりは少なくとも青年期または成人期早期にまでさかのぼることができる。
5.その持続的様式は、他の精神疾患の表れ、またはその結果ではうまく説明されない。
6.その持続的様式は、物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患(例:頭部外傷)の直接的な生理的作用によるものではない。

パーソナリティ障害であると診断がついたら、タイプ別の検査項目ごとに調べていきます。ここでは、10タイプのうちでも発症頻度が高く、治療の上でも重要とされている「境界性パーソナリティ障害」と「自己愛性パーソナリティ障害」の特徴および診断基準を説明します。

境界性パーソナリティ障害

〈特徴〉境界性パーソナリティ障害の大きな特徴は、「見捨てられ不安」が強いことです。親しくなった人から見捨てられるのではないかと思い、親密さが増すほど不安が強まっていきます。相手が少しでも冷たいそぶりを見せると、「私を見捨てようとしている」と確たる根拠もないのに結論づけ、見捨てられまいと必死にしがみつこうとします。

それが逆効果となって相手がさらに冷淡な態度をとると、絶望感や空虚感に襲われ、リストカットやオーバードーズ(薬物の過剰摂取)、性的逸脱行為、過食、ストーカー、自殺企図など自己破壊的な行動に走ることがあります。

また、気分の変動が激しく、楽しく過ごしていたかと思うと、相手のひと言で突然不機嫌になったり怒り出したりすることもしばしばです。家族や職場の人などは、腫れ物に触るかのように顔色を伺いながら接するようになります。

「境界性」という言葉は、不安や緊張が生じやすい「神経症(不安障害)」と、被害的な認知が特徴の「精神病(統合失調症)」の境界にあるという意味で使われています。

〈境界性パーソナリティ障害の診断基準〉
下記の症状のうち、5つ以上に該当する場合は、境界性パーソナリティ障害の診断の要件を満たすことになります。

  1. 現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力。
  2. 理想化と脱価値化との両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式。
  3. 同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像や自己観。
  4. 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食いなど)。
  5. 自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し。
  6. 顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は 2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらだたしさ、または不安)。
  7. 慢性的な空虚感。
  8. 不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかを繰り返す)。
  9. 一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状。

境界型パーソナリティ障害は最も発症頻度が高く、とくに若い女性に多く見られます。マリリンモンローとダイアナ妃もこのタイプだったといわれています。

自己愛性パーソナリティ障害

〈特徴〉自己愛性の特徴は、自分に対して過大評価する点です。自分だけ特別扱いされることを期待し、自分はそれだけの価値があるのだから当然と考え、人を利用することもあります。その一方で他人の力は過小評価します。相手の気持ちを思いやるとか、共感するということができないため、人間関係での問題を抱えることが多くなります。

このタイプの人は、表面的には精神力が強くて不安などとは無縁の魅力的な人物に見えますが、実際は、もろく崩れやすい自尊心を抱えていて、相手がちょっとでも批判的な反応を示すと、突然暴言を吐いたり、アルコールに溺れたりして、抑うつ状態になることがあります。

「自己愛」とは、自分を肯定して愛することで、成熟すると他者にも愛情を注げるようになるといわれます。自己愛性パーソナリティ障害は、自己愛が未熟なために「自己の過大評価」や「共感の希薄さ」となって現れると考えられています。

〈自己愛性パーソナリティ障害の診断基準〉
下記の症状のうち、5つ以上に該当する場合は、自己愛性パーソナリティ障害の診断の要件を満たすことになります。

  1. 自分が重要であるという誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)。
  2. 限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
  3. 自分が特別であり、独特であり、ほかの特別なまたは地位の高い人たち(または団体)だけが理解し得る、または関係すべきだと信じている。
  4. 過剰な賛美を求める。
  5. 特権階級(つまり、特別有利な取り計らい、または自分が期待すれば相手が自動的に従うことを理由もなく期待する)。
  6. 対人関係で相手を不当に利用する(すなわち、自分自身の目的を達成するために他人を利用する)。
  7. 共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
  8. しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
  9. 尊大で倣慢な行動または態度。

自己愛性パーソナリティ障害は、男性に多く発症するといわれます。太宰治、三島由紀夫、サルバドール・ダリはこのタイプだったという説があります。

パーソナリティ障害の原因

パーソナリティ障害の原因

パーソナリティ障害は、特定の原因で引き起こされるものではなく、遺伝的要因や環境要因などが複雑に絡み合って発症すると見られています。

人間には遺伝的にもっている素質(素因)があり、素質と養育環境、社会的条件(生活環境や教育など)に影響されてパーソナリティが形成されると考えられています。

遺伝とパーソナリティ障害についてはまだ研究段階のため不明な部分が多いのですが、養育環境がパーソナリティ障害に関与することはわかっています。両親、とくに母親の子どもに対する思いやりや、子どもの気持ちをくみ取って対処する能力が大きな要因とされています。

そのほか、学校でのいじめや大きな事故・災害などの恐怖体験も要因になることがあります。

パーソナリティ障害の治療法

パーソナリティ障害の治療法

治療法はタイプによって異なりますが、一般的には精神療法を中心に進められます。衝動性や抑うつ、不安などが強い場合は、対症療法的に気分安定薬や抗精神病薬を服用して、症状が落ち着いて客観的に自分を見られるようになってから精神療法を開始します。

精神療法では主に認知行動療法を用いて、自分の認知や行動パタ―ンの偏り(ゆがみ)を把握し、現実的でポジティブな認知や行動パターンに修正していきます。

薬物療法にしても精神療法にしても、患者さんが「自分の障害は自分で治す」という強い意志を持って、積極的に治療に参加することが望まれます。

パーソナリティ障害はなかなか変化が見られず、一生治らないなどと言われることもありますが、適切な治療的介入によって30~40代になると症状が安定して、支障なく社会生活を送ることができます。

家族はこのようにサポートする

家族はこのようにサポートする

専門医によってパーソナリティ障害と診断されたら、家族全員がこの障害についての正しい知識を持ち、必ず治ると信じてサポートすることが大切です。とくに次の点を心がけるようにしましょう。

一定の距離を保つ

境界性パーソナリティ障害の人は、突然、怒り出したり自己破壊行動に出ることがあるため、家族は過剰に気をつかって本人の言いなりになってしまいがちです。

しかし、そんな状態が続けばいくら献身的な家族でも疲労困憊して、イライラが態度に出てしまうことがあります。本人はそうした反応に過敏ですから、「自分は邪魔な存在なんだ」と傷ついて、さらに症状を長引かせることになります。それを避けるためにも、家族はつかず離れずの距離を保ち、「私たちはいつもあなたの味方だから」というメッセージを送ることが大切です。

アドバイスもしないで聞き役に徹する

本人に向かって「なぜこんなことになったのだろう」などと原因を探るようなことを言ったり、「こう考えたほうがいいんじゃない?」などとアドバイスするようなことも避けます。それよりも聞き役に徹して、本人の言うことをすべて受け入れるようにしましょう。「そんなこと心配しなくていい」「考えすぎだよ」といった、突き放すような言動も逆効果になります。

自殺を防ぐために家族の思いを伝えておく

パーソナリティ障害はうつ病と同様に家族がいちばん苦慮する点が自殺企図です。もし自殺をほのめかすようなときは、「死なないで」という家族の切実な思いを伝えるようにします。

自殺企図の背後には「自分をわかってほしい、だれか助けてほしい」という気持ちがあるのです。話をするときは、「自殺なんてバカなこと考えないで」などと頭ごなしに否定しないで、「死にたいほど苦しいのね」と共感したうえで、死なれては家族が困るという気持ちをはっきり示すことが大切です。

家族の手では自殺を防ぎようがないと感じたときは、ためらわずに主治医と連絡を取り、入院させましょう。本人は抵抗するかもしれませんが、家族と離れることで自分を見つめ直すことができ、抱えている問題を冷静に考えることができるようになります。

パーソナリティ障害の人も利用できる就労移行支援

パーソナリティ障害の人も利用できる就労移行支援

パーソナリティ障害があって就職が難しい、就職しても長続きしないという人は、就労移行支援事業所の利用を検討してみましょう。就労移行支援事業所は、一般企業への就職を希望する18歳から65歳までの障害のある人を対象とした福祉サービスです。

就労移行支援事業所では、就職に必要な知識やスキルを習得する職業訓練から、就職活動、就職後の職場定着まで一貫したサービスを提供しています。

以前は、福祉サービスを利用できるのは障害者手帳を持つ人に限られていましたが、障害者総合支援法の改正によって、手帳を持たなくても医師の診断書や意見書があれば利用できるようになりました。

就労移行支援事業所は、社会福祉法人やNPO法人、民間企業が運営する事業所で、全国に約3,400か所設けられています(2019年現在)。サービス内容は事業所によって異なりますが、ここでは一般的な事業所のシステムとカリキュラムについて説明します。

就労移行支援事業所の利用手続き

受給者証の申請

福祉サービスを受けるには、市区町村に申請して「受給者証」を発行してもらう必要があります。通いたい就労移行支援事業所が見つかったら障害福祉課の窓口に、「サービス等利用計画書」と本人が障害者であることを確認できる書類(障害者手帳か医師の診断書または意見書)を提出します。

手続きは自分で行うこともできますが、利用する事業所が決定していないと受給者証は交付されないので、事業所に相談してサポートしてもらうといいでしょう。

利用料金

利用料金は厚生労働省によって定められており、9割を市区町村が負担し、利用者は1割を負担します。利用者の自己負担額は、世帯の所得に応じて0円から37,200円/月まで設定されていますが、ほとんどの人が無料(0円)で利用されています。

利用期間

職業訓練と就活支援までが2年間、就職後の定着支援が6か月間というのが標準です。2年で就職に至らなかった場合は、最大1年まで延長が可能です。

就労移行支援事業所で受けられるサービス内容

初めに利用者と専任スタッフが面談を行い、本人の特性や能力、就職に対する希望や条件などを共有して個別支援計画を作成します。その計画に基づき、次のようなステップを踏んで就労へとつなげていきます。

ステップ1.職業訓練(初期)

これまで生活が不規則だった人は、生活リズムを整えることからスタートします。これは、就職したときのために重要なことですが、規則正しい生活は精神の安定をもたらすため、パーソナリティ障害の人にとっては治療的効果も得られます。また、適度な作業は作業療法に通じ、集中力が増して、少しずつ働くことの自信がついていきます。

ステップ2.職業訓練

ビジネスマナー、コミュニケーション能力、パソコンスキルなどを中心に、休憩の取り方、ストレスコントロール法といった健康管理についての指導も行います。訓練の後期になると、事業所と提携している企業で職場実習を行います。

ステップ3.就職活動の支援

職業訓練や職場実習を通して本人の適性を見極めたところで、ハローワークや障害者職業センターなどの就労支援機関と連携して、最も適した仕事を探します。応募書類の書き方や面接の受け方などのレクチャーも行います。面接当日は、本人が希望すればスタッフが同席してフォローすることもあります。

ステップ4.就職後の定着支援

就職後も支援が続きます。スタッフは本人の相談に応じたり、職場を訪問して上司や同僚に障害者への指導の仕方を助言したりします。

こうしたスタッフの介入は6か月かけて徐々に減らしていき、スタッフ主体の支援から職場主体の支援に移行していきます。これによって本人は職場に適応でき、これまで職を転々としてきた人も、腰を落ち着けて優れた能力を発揮することができるようになります。

まとめ

パーソナリティ障害とは?まとめ

就労移行支援事業所を利用するメリットは、知識やスキルを習得できることだけでなく、対人関係のトレーニングにもなる点です。人との関わり方に困難があるパーソナリティ障害の人にはとくに有用とされています。

就労移行支援事業所は前述したように事業所ごとに特色があり、カリキュラムもそれぞれ異なります。利用期間は2年と長いですから、いくつかの事業所を見学して、スタッフや利用者の様子などもチェックしたうえで「ここなら通い続けられそうだ」と思えるところを選ぶようにしましょう。

就労移行支援事業所は、市区町村のホームページやwebサイトでも調べることができます。

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