学習障害の方が就職して仕事をしていきたいと考えた時、どうやって就職活動を行うのがいいのでしょうか?
学習障害に限らず、何からの障害をお持ちの方が就職をする場合にはご自身だけで企業を探すことは困難でしょう。
近年では、障害をお持ちの方が働きやすい職場環境を整えている企業も出てきていますので、出来るだけ働きやすい職場を見つけることが大切です。
当ページでは、学習障害のある方が就職したいと考えたときに利用できる公的な支援機関や支援制度についてご紹介していきます。
学習障害とは
そもそも学習障害とは、一般的に知的能力において遅れがなく、視聴覚に関しても障害がありません。
自身の教育環境も整っていて、本人の努力にも問題がないのですが、「読み書き」や「計算」といった特定の領域において学習の遅れがみられる状態を「学習障害」と言います。
また、文部科学省の定義では、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態とされています。
学習障害の中でも有名で研究の進んでいる障害「特異的読字障害」
学習障害にも様々な症例がありますが、その中で最も知られており、医学の観点で研究が進んでいるのが「特異的読字障害」。
この症例は一般的に「発達性読み書き障害」とも称されており、これは文字の読みに関しての障害を持っていると結果的に文字の書きに関しても障害を持つことになるという、読字障害と読み書き障害が同じと表現されるところから起因しています。
また、読み書き障害の背景として表記されている文字を対応する音に置き換えることができないといった音韻化の障害も関連してきます。
そのため、「特異的読字障害」において正確な単語認識が困難になりがちなため、文字記号の音声化が稚拙になりやすいという特徴がみられることも多々あります。
学習障害の方が仕事で働く時に困りやすいこと・それらの対応策
学習障害の方が企業に就職して働く場合、どうしても業務に支障をきたすことが考えられます。
特に、職場環境において仕事の連携などで文字を読み書きする場面は少なくないため改善したいと考える方も多いでしょう。
ここでは、まずは自分自身の学習障害と向き合い、苦手な作業や分野をよく理解した上で、企業の周囲の方に伝え、各に応じた対処方法を利用していくこと大切です。
文字を書く作業が苦手、出来ない場合
具体例
仕事中に会議でメモを取ることや、上司や周りの方に言われた内容を忘れないよう記録したいが文字を書くのが苦手、時間がかかってしまう。
対処法
今回のように記録をする方法は手で文字を書くだけではありません。デジタル機器を利用することで簡単にメモを取ることはできます。
実際に利用するのにおすすめなのは、スマホに搭載されているボイスレコーダーや音声入力の利用、文字の記載された資料であれば、カメラやスマホのカメラで撮影しておく、工程や手順の説明といった一連の流れを押さえる必要がある場合は、動画で撮影してしまうのが一つの手段でしょう。
職場の方にどういった方法を利用して良いのかは一言確認した上で、ベストな方法を活用して自分なりのメモを取るようにしてください。
文字を読むのが苦手、出来ない場合
具体例
資料やマニュアル、メールといった文字を読むのに非常に時間がかかってしまったり、文字の飛ばし読みが多い。
対処法
紙の資料やマニュアル等を読む場合、自力で蛍光ペンを利用して文章に色を引きながらや、半透明の色付き下敷きを利用しながら文字を読むことで少し読みやすくなるでしょう。また、それ以外でリーディングトラッカーという発達障害や学習障害で文字を読むのが苦手な方向けのツールを利用するのも一つの手です。
それ以外にパソコン上のメール文やファイルであれば、事前に設定でファイルの縦幅を狭くしたり、文字の行間に線を入れたりなどで視点の動きを最大限サポートするのも有効となります。
それ以外にも文字の大きさを自在に変更したり、文字の読み上げを行ってくれるソフトもありますのでそういったサービスを利用するのもおすすめです。
数字を利用した計算が苦手、出来ない場合
具体例
業務上で発生する、ちょっとした計算や買い出し等の計算が苦手で時間がかかってしまったり、計算を間違えてしまう。
対処法
最も手短に解決するのであれば、スマホの音声入力を利用して計算をしてもらうことがおすすめです。
それ以外では、計算アプリを利用してといった対応方法もあるでしょう。
計算に関しては、間違えてはいけない重要な業務である場合は他の方にお願いするなど無理はしないべきです。
学習障害や発達障害を持っていても、それぞれに適した対処法を用いることで問題なく行える場合も多いにありますので、働く企業の人と自分自身が最も業務をスムーズに行える方法を模索していきましょう。
就職や仕事への定着にお困りの方にぜひ利用していただきたい就労移行支援サービス
学習障害のある人が仕事探しや就職の方法、職場での人間関係などにお悩みの場合、以下の支援機関に相談することをおすすめします。
学習障害や発達障害のある方にとって、自分に合った仕事内容、職場環境を選ぶことが重要となります。
基本的にここで紹介する公的な支援機関では、自分の持っている障害について講座を開催して勉強させてくれたり、自分に合っている仕事内容や職場環境を探す手助けをしてくれる場となっています。
発達障害者支援センター
発達障害をお持ちの方とその家族が豊かな地域生活を送れるように、保健、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携することを行っています。
特に地域における総合的な支援ネットワークを構築しながら、発達障害をお持ちの方とその家族からのさまざまな相談に乗っており、適切な対処方法を示してくれます。
ハローワーク
豊富な求人数、募集要項を持っており、その中には発達障害や学習障害、疾患のある方を対象とした専門の求人を扱う窓口があります。
また就職に関する全般の支援を行っているため、障害・疾患の症状や程度を踏まえた求人を紹介するだけでなく、その方に就職より適していると判断した場合には他の就職支援制度の案内や就労移行支援施設を紹介することもできます。
こちらについては障害者手帳がなくても利用できます。後天性の障害でお手元に障害者手帳を持っていない場合でも、医師の診断書などで、お持ちの障害や疾患について分かるものを持って行くことで対応してもらえます。
就労移行支援
就労移行支援事業所とは、障害者総合支援法に規定される障害福祉サービスの中の訓練等給付に位置付けられるサービスを提供する事業所です。
肢体不自由のある方だけでなく、障害をお持ちの方全般、障害者手帳を取得するに至っていない方でも利用することが可能となっています。
障害があって一般就労したいけど就職が決まらない方、履歴書作成、面接やコミュニケーション等が苦手な方、仕事が長続きせずキャリアが作れない方など、就職に困っている方の就職から定着までをサポートしてもらえます。
学習障害の方に特におすすめな就労移行支援
以降では、学習障害の方に特におすすめな就労移行支援サービスを紹介します。
就職に向けた訓練から企業紹介、職場への定着支援まで実施
就労移行支援を受けられる就労移行支援事業所では、ビジネスマナーや基本的なパソコンスキル、ビジネススキルを訓練します。
1人1人に障害に合わせて就職して仕事をしていく上で必要となるスキルやノウハウを身につけて就職先の企業を探せるため、就労移行支援事業所を利用した方の就職率が高いことは特徴の1つでしょう。
また、学習障害や発達障害の方の中にはやりたい仕事がない、見つからないという方に対しても、就労移行支援事業所の職員がその方の特性や性格を考慮した上で、適している、おすすめの企業求人を探してくれることもあります。
それだけでなく、就労移行支援事業所を利用するメリットは、企業に就職した後も職場への定着支援を行ってくれるところにあります。
就職しても短期で退職してしまわないように、就労移行支援事業所の職員が学習障害、発達障害をお持ちの方と企業の間に入って、お互いが仕事のしやすい環境づくりをサポートします。
就労移行支援事業所ならチャレンジド・アソウ
当サイトを運営しております、「チャレンジド・アソウ」では長年の実績豊富な就労移行支援事業所として非常に多くの方に利用いただいております。
就労移行支援事業所のサービスの特徴としては大きく3つあります。
- 就職を目指すためのトレーニング
- 就職活動支援
- 働き続けるための就職後の定着支援
これら3つの軸に沿って、肢体不自由のある方を含めた障害をお持ちの方に対してサポートを行っています。その結果、就職率は85.7%、定着率は90%という業界でもトップクラスの実績を残すことができました。
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