気分変調症(抑うつ神経症)の方に限らず、障害をもっている方の仕事選びは非常に大切です。自分にあった適職を見つけられるかどうかによって、就職したあとも継続して働けるかどうかが変わってきます。
しかし、どの仕事が気分変調症に向いてるのか、または向いてないのか、と言う判断は自分だけで判断するには難しいでしょう。
さらに、気分変調症と一口に言っても、実際には気分変調症(抑うつ神経症)と合わせて他の症状を併発していることも多いため、それぞれ向いてる仕事の特徴も異なり、適職を見つけるのは本当に難しいのです。
そこで、このページでは、気分変調症(抑うつ神経症)の方に向いてる仕事について、障害の特徴や症状の分類と併せて一緒に見ていきたいと思います。
気分変調症のあなたの仕事選びの参考になるかと思いますので、ぜひ、実際に働くイメージをしながらご覧いただければ幸いです。
チャレンジド・アソウ 広島事業所 /
チャレンジド・アソウ 大阪事業所 /
チャレンジド・アソウ 新大阪事業所 管理者
サービス管理責任者
監修:池田 倫太郎
株式会社チャレンジド・アソウ
立ち上げの中心メンバー。
就労移行支援事業、就労定着支援事業、
特例子会社の運営を行う。
気分変調症(抑うつ神経症)の原因と特徴・症状
気分変調症(抑うつ神経症)は、ノイローゼや不安障害とも呼ばれている、日常生活や仕事によるストレスが原因となる誰にでも発症する可能性があるココロの病気です。
神経症の種類は、不安神経症、解離性障害、強迫性神経症など多岐にわたりますが、なかでも抑うつ神経症は、不安・恐怖といった症状と同時に憂うつな気分や気持ちが晴れないという軽いうつ状態が続きます。
抑うつ神経症は、2年以上にわたり慢性的な軽うつ状態が続く特徴があります。
最近になって、抑うつ神経症という呼び名が廃止され、抑うつ神経症は「気分変調症」「気分変調性障害」あるいは「持続性抑うつ障害」などと呼ばれるようになりました。
うつ病との違い
気分変調症は抑うつ神経症と言われていたように「うつ」という言葉が用いられ、かつ症状も慢性的なうつ状態となるため、「うつ病」と一緒に思われがちです。
しかし、気分変調症はうつ病とは区別されています。
無気力感や不活発、自尊心の低下などうつ病と同じ症状はありますが、気分変調症は軽度な抑うつ状態が慢性的に継続する症状で、かつ、この症状を引き起こした明確な原因があると言われています。例えば、愛する人との死別、離婚、別居あるいは仕事上の失敗など特定の出来事や環境が起因するケースが多いです。
一方、うつ病は、まだまだ解明されていないことも多いですが、最近の研究では強いストレスによって脳内の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンが非常に減少していることがうつ病発症の1つの原因と言われています。
他にも性格や環境の変化、病気など様々な要因が重なって発病するともいわれています。
気分変調症か、うつ病かの判断は難しく、最初は病院でうつ病と診断されたものの、症状は軽度かつ長期間の症状がみられるため、後になって気分変調症に診断名が変わることもあるようです。
仕事における障害の特性と働きやすい職場とは
気分変調症(抑うつ神経症)の方は落ち込んだ状態だけでなく、集中力が続かない、決断困難といった症状もあるので仕事ができないと思うかもしれません。
しかし、マニュアルに従って手順通りにコツコツ作業するような仕事は向いていることが多く、働くことができる可能性があります。
たとえば、事務職、軽作業や清掃業といった単純労働を行う仕事を検討してみると良いでしょう。
また、サービス業や接客業、営業職のように、対面でのコミュニケーションが発生する仕事は、コミュニケーションや人間関係で悩む機会も増えてしまうため、気分変調症(抑うつ神経症)の方には向いていないことが多いです。
気分変調症(抑うつ神経症)に向いてる仕事・職業例
事務職
事務職と言っても、高度な知識や経験を要求される業務から単純作業の業務まで様々な仕事内容があります。
気分変調症の方でも単純作業の事務職であれば、無理なく継続して働くことができます。
たとえば、データ入力、テープ起こし、数値確認など、PCスキルなどがあれば、人気の高い事務職でも活躍できる場はあります。
業務に慣れてくれば新たな業務内容に挑戦できる機会も多く、ステップアップが図れる仕事と言っても良いでしょう。
事務職のようなバックオフィス業務は、営業などと違ってコミュニケーションが得意でない人も多く働いているので、最低限のコミュニケーションが取れれば問題のない職場も多いようです。そのため、気分変調症の方にもおすすめの仕事と言えます。
軽作業
軽作業と言っても様々な業務内容があるので、自分の興味がある仕事を探して応募してみると良いと思います。
特徴としては肉体労働ではなく、マニュアルや指示に従ってコツコツと作業に従事するような仕事です。
主な例としては、検品、梱包、ピッキング、仕訳、ポスティング、商品管理、組立、シール貼り、箱詰め、仕分けなどがあります。
工場や倉庫といった場所で働く業務内容が多いのが特徴です。
サービス業や接客業ではないので、対面的な仕事はなく、ひたすら作業に専念できる軽作業は気分変調症の方でも働きやすいと言えます。
清掃業
清掃業は、その名の通りお掃除の仕事で、こちらも黙々と掃除するだけなので、コミュニケーションや人間関係で悩む機会が少なく、気分変調症の方にもピッタリです。
清掃業も様々な種類があり、オフィスクリーニング、病院清掃、特殊清掃、ハウスクリーニングなどがあります。
清掃業務も軽作業と一緒で同じ作業の繰り返しとなるので、気分変調症の人でも取り組みやすいお仕事だと言えます。
就職活動や転職活動で適職を見つけるためのおすすめの方法
気分変調症(抑うつ神経症)の方が仕事探し、就職や転職、再就職をするときには以下のようなサービスを利用することで仕事探し、就職、転職がスムーズに進められるのでおすすめです。
ハローワークの専門援助窓口(障害者窓口)を利用する
ハローワークは求人紹介件数が多いため、仕事探しをするにあたって有名な相談先です。ハローワークには障害のある方のための専門の窓口もあります。ハローワークに就職相談する場合は、障害者雇用・一般雇用枠どちらでも、自分の気分変調症(抑うつ神経症)の症状に合った仕事先の相談が可能となっています。
障害のある人を対象とした人材紹介会社を利用する
障害のある人を対象としている人材紹介会社では、仕事内容や職場環境など具体的な仕事情報を豊富に持っていることが多いです。そのため、自分の気分変調症(抑うつ神経症)の症状にも適した仕事・求人を紹介してもらえる可能性が高いと言えます。
就労移行支援を利用する
気分変調症を含め障害のある方が就職して企業で働けるように、知識や技能習得をサポートする就労移行支援という制度があります。
就労移行支援は障害者総合支援法に基づく福祉サービスのひとつ。就労移行支援では、一般企業への就労を目指す、障害や難病のある休職中、離職中の方が利用できます。
また、気分変調症の方で障害者手帳などがないという方でも、自治体の判断によって利用できることもあるので問い合わせてみることをおすすめします。
加えて、気分変調症(抑うつ神経症)の方を支援の対象としている就労移行支援事業所はたくさんあるので、就労移行支援を利用した就職は気分変調症の方にもおすすめと言えます。
ただ、どの事業所を選べばよいのかというのは少し悩んでしまうポイントですよね。そこで、まず最初の足がかりとして就労移行支援事業所チャレンジド・アソウについてご興味を持つのはいかがでしょうか?
次のページではチャレンジド・アソウの就職率や定着率といった実績データの公開と、無料の見学会のご予約などを承っています。気分変調症(抑うつ神経症)で仕事探しや就職に悩んでいるという方は、ぜひ次のページをご覧ください。
就労移行支援とは
就労移行支援とは、障害者総合支援法に規定される障害福祉サービス(自立支援給付)の中の訓練等給付に位置付けられます。そして、このサービスを提供する事業所のことを就労移行支援事業所と言います。
障害があって一般就労したいけど就職が決まらない方、履歴書の作成や面接、コミュニケーション等が苦手な方、これまで仕事が長続きせずキャリアが作れない方など、就職に困っている方の就職から定着までをサポートしてくれるのが就労移行支援事業所です。
就労移行支援と同じ障害福祉サービス(自立支援給付)には、就労継続A型事業所(雇用型)と就労継続B型事業所(非雇用型)がありますが、就労移行支援事業所では、「2年間」という利用期間の中で、一般企業に就職し、就職したその後も就労継続することを目指して支援するのが特徴です。
就労移行支援サービスの具体的な内容
就職を目指すためのトレーニング
気分変調症の方が就職して働き続けるために必要なスキルをトレーニングで習得し、自己理解や仕事への理解を深め、実際に職場での実習を経て、自分のやりたい仕事、できる仕事を厳選し、適職を見つけていきます。
就職活動の支援
就職活動をする段階に入ったら、就労移行支援事業所の社員が、履歴書・職務経歴書の添削や、求人票のチェック、面接同行等を一緒にやってくれます。就職が決まるまでの間ずっと、社員が相談に乗ってくれるため、気分変調症の方も安心して就職活動をすることができるでしょう。
働き続けるための就職後の定着支援
就職が決まっても就労移行支援事業所の支援は続きます。就労移行支援では、気分変調症の方が就職後もその仕事を続けていけるように仕事への定着をサポートしてくれます。
定着支援では、就労移行支援事業所の社員が、気分変調症の方が実際に職場で経験したことや仕事で困っていること等の相談に応じたり、時には企業と相談したりしてくれるため一人で悩んだりストレスとを抱え込むことなく、早く職場に適応することができるでしょう。