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重症神経症の分類と症状・治療法-就職を支援する就労移行支援制度とは

ここからページの内容です

神経症は、現在は「不安症」と名称は変わりましたが、主にストレスが原因で発症するパニック障害や対人恐怖症、強迫性障害などの心因性疾患の総称です。

ここでは、神経症の症状と治療法について説明し、後半では重度の神経症があっても一般企業への就職を希望する方のために、就活から就職して定着するまでサポートする「就労移行支援」について詳しく解説しています。

監修:池田 倫太郎

株式会社チャレンジド・アソウ立ち上げの中心メンバー。就労移行支援事業、就労定着支援事業、特例子会社の運営を行う。

チャレンジド・アソウ広島事業所 / チャレンジド・アソウ大阪事業所 / チャレンジド・アソウ新大阪事業所 管理者 サービス管理責任者

目次

神経症とはどんな病気

「神経症」という名称は、アメリカ精神医学会の「DSM-5(精神疾患の診断と統計の手引き第5版)」では「不安症」に変わりました。

名称が変わるのは、発症の原因が完全に解明されていないからといわれています。

もう1つの診断基準であるICD―10(国際疾病分類第10版)では、重度の精神障害ではなく、ストレスが要因で引き起こされる不安や恐怖を伴う障害を「神経症性障害」としています。

臨床の場でも神経症や神経症性障害という診断用語が使われており、今後も使われることが予想されるので、ここでもわかりやすく神経症という名称で説明しています。

神経症は、ドイツ語でノイローゼと呼ばれる心の病です。ストレスを受けたときはだれでも不安や恐怖を覚えるものですが、その度合いが極端に強く、不適切な対処をしてしまうために、日常生活に支障をきたしてしまう状態です。

しかし、思考力や判断力の低下などの抑制症状は見られず、現実を正しく認識する能力が衰えることはないので、統合失調症などの精神疾患とははっきり区別されています。

心因性の疾患ですが、不安や恐怖、イライラなどの精神症状だけでなく、動悸、発汗、めまい、頭痛などの身体症状を伴う場合もあります。

現在、「DSM-5」では、不安症を次のように分類しています。

不安症に含まれるストレス性疾患

限局性恐怖症

特定のものや状況に対して極度の不安と恐怖を感じるもので、不安の対象によって次の4つのタイプに分けられます。

動物型

犬やヘビ、ハチなど特定の動物や虫に異常な恐怖を感じるものです。ふつうの人でもこれらの動物を嫌う人はいますが、神経症の人は「噛まれたら死ぬ、刺されたら死ぬ」と極度に恐れて近づくことができません。うっかり近づいてしまうと体が硬直することがあります。

自然環境型

雷や地震、台風、大水など自然現象に対して恐怖を抱くタイプです。高い所に架かる橋などを怖がる高所恐怖症も含みます。

状況型

トンネルやエレベーター、飛行機内のような、閉鎖的空間に対して過度の恐怖心を抱き、そうした場所を避けるようになるため、仕事に支障をきたしてしまいます。

血液・注射・外傷型

ケガをして出血したのを見て、血圧や心拍数が低下して失神してしまうことがあります。病院で採血するのを異様に怖がる人もいます。

全般性不安症

特定のものが不安の対象になるのではなく、将来や健康のこと、家族のことなど、生活全般に対して不安が生じ、持続する状態をいいます。

慢性的な不安からくるイライラや集中力の低下などの精神症状に、動悸やめまい、頭痛、頻尿などの身体症状を伴うのが特徴です。

パニック障害

ある日突然、呼吸困難や吐き気、めまいなどのパニック発作が起こるものです。発作自体は10分~20分で治まりますが、一度体験すると「またあの苦しい発作が起こるのではないか。

死ぬのではないか」という予期不安に襲われ、その不安が新たな発作を引き起こすという悪循環をきたしてしまいます。

仕事や育児などで精神的に追い詰められ、過剰に蓄積したストレスが不安を誘発すると考えられています。パニック障害が重症化すると外出もできなくなります。

社交不安症

家では落ち着いていられるのに、他人の目があるところでは不安と緊張でおびえてしまうのが社交不安症です。

とくに、自分の意見を求められる会議の場などでは、のどがカラカラに渇き、手足が震えて本当に話せなくなってしまいます。

それは、「人前であがってはいけない」「上手に話さなければならない」という優等生的な固定観念にとらわれているため、かえって緊張してしまうのです。

物質・医薬品誘発性不安症

アルコールやカフェイン入りのドリンク、睡眠剤、抗不安薬などがパニック発作を誘発するもので、服用後に生じることが多いのですが、服用を中止した後に生じることもあります。

不安症に含まれないストレス性疾患

対人恐怖症

社交不安症と同様の症状に「対人恐怖症」があります。人からどう思われるかを気にするタイプで、他人の視線を恐れたり、自分の視線が他人を不愉快にさせているのではないかと恐れる視線恐怖や、自己臭恐怖などがあります。視線恐怖や自己臭恐怖などは妄想性障害として、社交不安症とは区別されています。

強迫性障害

強迫性障害は神経症に含まれる疾患でしたが、DSM-5では不安症には含まれず、不安症と同等の疾患として扱われるようになっています。強迫性障害とは、「これをしないと悪いことが起きる」という強迫観念にとらわれ、不安を追い払うために無意味な強迫行為を繰り返すものです。手を何度も洗わないと気がすまない「不潔強迫」や、出掛けるとき玄関にカギを掛けたか気になって何度も引き返す「確認強迫」などがよく知られています。

広場恐怖症

電車や地下街、映画館、群衆の中など、逃げ場のない場所に身を置くことに対して強い不安と恐怖を感じ、呼吸困難などのパニック発作を起こすものです。この障害は、以前にパニック障害が繰り返されたために現れる合併症と見られています。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

PTSDもDSM-5では不安症と同等の疾患として扱われるようになりました。大災害、犯罪被害、事故、レイプ、虐待、いじめなどの悲惨な出来事に遭遇し、それが心的外傷(トラウマ)となって、6か月以内に症状が現れるものです。突然、当時の恐怖心や身体感覚がよみがえったり、夢の中で再体験することがあります。神経過敏になってちょっとしたことにも怒りを爆発させたり、逆に感情鈍麻になって物事に無関心になることもあります。

解離性障害

上記のPTSDと同様の悲惨な出来事に遭遇したとき、自分の意識や思考、感情、記憶などを切り離すことで苦痛から逃れようとします。この状態を「解離」といい、一時的な解離はだれにでも起こり得る一種の防衛反応ですが、解離が長期間にわたって繰り返されるとさまざまな障害を引き起こすようになります。その主なものとして次のような障害があげられます。

  • 全般性健忘
    自分の名前も出身地もわからず、過去の経験も忘れてしまうものです。記憶が一切ないまま、見知らぬ土地で別人として生活する人もいます。
  • 限局性健忘
    日常生活や社会の出来事などは記憶にあるのに、ある限られた期間の出来事を思い出せなくなるものです。犯罪被害に遭った人は、恐怖心や身体感覚を忘れるだけでなく、当時のことがそっくり記憶から抜け落ちてしまうことがあります。
  • 解離性同一性障害
    自分の中に複数の人格が存在するもので、「多重人格障害」とも呼ばれています。別人格は2~10人前後が多いのですが、100人以上も存在する症例が発表されています。

神経症にかかりやすい性格とは?

別人格が現れたときは、主人格には記憶がない場合と、ぼんやりと記憶できている場合があります。

別人格は主人格とは性別も年齢も異なり、洋服の好み、利き腕、クセまで異なることがあるため、周囲の人からは「演技している」と見られることもありますが、とくに問題を起こすこともなく、ふつうに社会生活を送っている方が少なくありません。

神経症の精神療法として有名な「森田療法」の創始者・森田正馬博士は、次のような性格傾向がある人は神経症になりやすいと提唱しています。

  1. 内向的で自己内省的
  2. 小心、敏感、心配性、小さなことにクヨクヨしやすい (弱気な性格)
  3. 完全主義、理想主義、負けず嫌い (強気な性格)

このように、弱気と強気の二面性をもつ性格のため、強気の自分が弱気の自分を許容できずに内的な葛藤が生じ、それが不安や恐怖を誘発すると考えられています。

神経症にはどんな治療法が用いられる?

神経症の治療は、薬を用いて不安や恐怖を取り除くことを優先します。薬は、SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ薬が中心です。

これはパニック障害、社交不安症、強迫性障害、PTSDに有効であることが明らかにされています。

セロトニンとは脳内神経伝達物質で、不安や焦りなどの感情を調整する物質です。SSRIを服用することでセロトニン量が増え、不安が薄らいでいきます。

SSRIだけでは不安が解消しないという場合は、抗不安薬が用いられます。

神経症の場合は、薬物に頼りすぎると、不安の原因への対処の仕方がわからず、症状がかえって長引くことがあります。そのため、薬で症状がある程度落ち着いてきたら、精神療法を取り入れて不安や恐怖を克服していきます。精神療法には、主に認知行動療法や森田療法が用いられます。

悲観的な考え方を修正する認知行動療法

ストレスがたまって心身共に疲弊してしまうと、現実からかけ離れた悲観的な考え方をするようになります。これを「認知のゆがみ」といいます。

たとえば、就職試験に失敗すると「自分はどこを受けても失敗する」と決めつけて意欲喪失してしまう方がいますが、一度いやな体験をするとそれが何度も起こると「一般化」してしまう思考パターンも認知のゆがみによるものです。

こうした思考パターンに焦点を当て、「本当にどこを受けても失敗するだろうか」と別の考え方をすることで、「失敗はだれにでもあること。失敗を次に生かせばいい」と思い直すことができるようになります。

このように悲観的・否定的な考え方を修正していくのが認知行動療法です。

実際の治療では、カウンセリングを通して患者さんの悲観的な思考パターンと、現実的で健全な思考パターンと比較しながら、ポジティブな思考ができるように導いていきます。

不安を「あるがままに」受け入れる森田療法

神経症が重症化すると、「人に会わない」「家から出ない」という回避行動を取るようになります。

回避行動は、わが身を守るための防衛心ともいえるのですが、それでは他人に迷惑をかけるだけでなく、自分をますます苦しめることになります。

森田療法は、こうした不安や恐怖は「よりよく生きたい」という生の欲望ととらえ、不安や恐怖を排除するのではなく、「あるがまま」に受け入れながら、その日にやるべきことを行う「目的本位」の生活を送ることで不安や恐怖を克服していくものです。

森田療法もカウンセリング形式で進められます。患者さんが森田療法に関する本を読み、日記指導を受けたりしながら、森田理論についての理解を深め、ふだんの生活で実践できるように医師やカウンセラーが手助けしていきます。

不安が強いなど重症度が高い人には入院治療が行われることもあります。

重症神経症の人も受けられる就労移行支援制度

神経症が重症化して回避行動を取るようになると、仕事にも支障をきたし、離職を余儀なくされることがあります。

そのため、就職は無理かもしれないと思っている方も少なくないようですが、重症の神経症があっても一般企業で働けるようにサポートする「就労移行支援」という制度があります。

障害者総合支援法に規定されている障害福祉サービスの1つで、職業訓練から就職活動、就職して職場に定着するまで一貫してサポートを受けることができます。

就職先は、医療・福祉、IT関連、製造業、飲食・サービス業、運輸、警備、公的機関、アパレル、旅行・レジャー関連など多岐にわたります。

就労移行支援を受ける場所や利用対象者などの要件は次の通りです。

支援を受ける場所

支援サービスは、「就労移行支援事業所」に定期的に通って受けることになります。就労移行支援事業所は福祉法人やNPO法人、民間企業によって運営されており、現在、全国に3,400箇所以上あります。

自分の住所地以外のエリアにある事業所を利用することも可能です。事業所によってサービス内容が異なりますから、自分に適したところを選ぶといいでしょう。

就労移行支援事業所は市区町村のホームページやwebサイトで調べることができます。

利用対象者

下記の3つの要件を満たす人は利用することができます。

  • 18歳以上65歳未満の人
  • 身体障害、精神障害(統合失調症、うつ病、発達障害、てんかんなど)、難病のある人
  • 一般企業への就労を希望し、就労可能と見込まれる人

神経症は「精神障害」には含まれませんが、医師の診断書や意見書があれば利用対象者となります。

利用料金

利用料金は厚生労働省によって定められているものです。料金の9割は市区町村が負担し、1割を利用者が就労支援事業所に支払います。利用者の負担額は年収や通所日数によって異なりますが、下記のように月の上限額が決められているため、年収や通所日数が多くなったとしてもこの金額を超えることはありません。

区分 世帯収入状況 負担上限額/月
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市区町村民税非課税世帯(おおむね年収300万円未満) 0円
一般1 市区町村民税課税世帯(おおむね年収600万円未満) 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

利用期間・利用日数/週

利用開始から2年で就職することを目指しているため、利用期間は2年が標準です。就職後の定着支援期間は2年間に含まれません。

通所日は体調に合わせて週3日など少ない日数から始め、一般企業に就職したときと同じように週5日通所できるよう、生活リズムを整えていきます。

就労移行支援で受けられるサービス

最初に利用者と支援スタッフが面談を行い、本人が抱えている生活上の問題や困りごとを共有するところからスタートし、次のようなステップを踏んで就労へとつなげていきます。

ステップ1 個別支援計画書の作成

支援スタッフが利用者の特性や就労に関する希望などについてのヒアリングを行い、課題を整理して「個別支援計画書」を作成します。

この計画書に、本人が障害者であることが確認できる書類(障害者手帳か医師の診断書または意見書)を添えて、市区町村の障害福祉課に申請します。約1か月後に、「受給者症」が交付されます。

ステップ2 就労に必要なトレーニングを行う

受給者証は本人あてに郵送されてくるので、それを持って事業所へ行き、正式に利用契約を結びます。その後、計画書に沿ってトレーニングを開始します。

カリキュラムは事業所によって異なり、独自のカリキュラムを設定しているところもあります。

カリキュラム チャレンジド・アソウ(福岡本社)の主なカリキュラム

  • ビジネスマナー
    挨拶や言葉づかいなどの基本的なマナー、電話応対やお茶の出し方などのビジネスマナー、さらに、働くうえで欠かせない人間関係をよくするためのホスピタリティマインドの習得を目指します。
  • ビジネスコミュニケーション
    自分自身のコミュニケーションの傾向を知り、就職活動に活かせる自己理解の方法や、仕事を円滑に進めるために欠かせない「報告・連絡・相談」について習得します。
  • パソコンスキル
    今や職種に関わらず必要とされるパソコンの基本操作、Word、Excel、powerpointの操作スキルを習得します。CS検定(コンピューターサービスの技能評価試験)の受験も可能です。
  • 実務実習
    事務の補助業務や、商品管理業務に関わる実務実習を行います。多くの作業項目から個人に合わせた実習を行うことで得意・不得意を見出し、スキルアップを目指します。

ステップ3 体験実習(インターンシップ)

事業所と連携している企業を訪問して、実際に仕事を体験します。期間は1週間~1か月です。社員と一緒に働いてみることで、社員として必要なこと、自分に欠けている部分などが見えてきて、働く自信を持つことができるようになります。

実習期間中に企業側から能力を認められ、正式雇用に至るケースも珍しくありません。

ステップ4.就労支援

トレーニングや実習を通して本人の適性を把握できた段階で、本格的に就職活動を開始します。事業所が就職先を紹介するのではなく、障害者職業センターやハローワークなどと連携して本人に合った仕事を探します。

応募書類の書き方や面接の受け方を指導し、必要に応じて面接に同行することもあります。

ステップ5.定着支援

念願かなって就職できたとしても、職場になじめず数か月で離職してしまう方がいます。それを防ぐために就職した後も支援スタッフが本人の相談に応じたり、職場を訪問して上司や同僚に合理的配慮(負担にならない範囲で障害者に配慮すること)をお願いするなど、双方の間に立って支援を続けます。

このようなきめ細かい支援を受けることができるので、就労移行支援制度を利用して就職した人の1年後の離職率はわずか10%という好結果を示しています。

まとめ

就労移行支援事業所には2年間通うことになりますから、選ぶときのチェックポイントは「通いやすいところ」が第一です。

福祉サービスには送迎車がつきものですが、就労移行支援では、自力で通うこともトレーニングの1つと考えるため原則として送迎はありません。

もう1つの重要ポイントは、その事業所の「就職実績」です。IT関連に強い事業所、事務系に強い事業所というようにそれぞれ得意分野がありますから、各事業所のホームページやパンフレットでチェックして、自分が希望する業界に多くの実績がある事業所を選ぶようにしましょう。

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