障害者の方の就労移行支援
就労移行支援は在宅利用・在宅訓練ができる!気になる訓練内容や利用条件を解説

障害者向け在宅訓練の就労移行支援サービスを紹介

事業所に通所することで就職に向けたサポートを受けられる就労移行支援。しかし、なかには就労移行支援事業所に通うことが困難な障害者の方もいらっしゃることでしょう。

そんな時に自宅で就労移行支援が利用できる在宅訓練があれば良いのにと思った方はいらっしゃいませんか。

そこで、今回は就労移行支援の在宅利用・在宅訓練をテーマに、制度の内容や特徴、並びに利用手順など詳しく解説していきます。

就労移行支援の在宅利用・在宅訓練は条件付きで可能

まずはじめにお伝えしておくと、就労移行支援の在宅利用・在宅訓練は可能です。また、在宅と通所を組み合わせて利用することもできます。ただし、利用には下記2つの要件を満たす必要があります。

  • 在宅でのサービス利用を希望している
  • 在宅でのサービスによる支援効果が認められると市町村が判断した

言葉で書くと少し小難しい感じですが、要するに「就労移行支援の在宅利用・在宅訓練を受けたい」と各自治体の福祉相談窓口に伝えれば、自分が在宅利用できるのかが判別できます。

制度改正以前は要件が厳しかった

平成27年度から始まった就労移行支援支援事業所による在宅訓練ですが、開始当初は下記のように現在より利用要件が厳しいものでした。

通所利用が困難で在宅での支援がやむを得ないと市町村が判断した場合のみ

しかし、近年では新型コロナによる緊急事態宣言によって企業によるリモートワークやテレワークといった在宅勤務の働き方が一気に拡大し、コロナ禍における就労移行支援のあるべき形として令和3年に要件が緩和されたという背景があります。

事業所も運営要件を満たしておく必要がある

ちなみに、在宅訓練を提供するには就労移行支援事業所側にも要件があります。運営側のことなのであまり細かくは書きませんが、その要件は下記のようなものです。

  • 利用者に対し1日2回は連絡・助言又は進捗状況の確認を行い、日報を作成すること。また、訓練等の内容及び利用者の希望等に応じ、1日2回を超えた対応も行えること。
  • 緊急時の対応ができること。
  • 在宅利用者からの疑義照会等に対し、随時、訪問や連絡等による必要な支援が提供できる体制を確保すること。

厚生労働省|就労系障害福祉サービスにおける在宅でのサービス利用にかかるガイドラインから一部引用

どれも利用者の方に適切な支援を行うために必要なことです。このように、在宅訓練を提供する就労移行支援事業所は利用者に適切なサービスを提供するための努力をしているので、その点は利用者側として安心していただければと思います。

どんな人に向いている?

就労移行支援事業所の在宅訓練がおすすめな方は、外出や通所が困難な障害のある方です。

重い身体障害などで一人で外出することが困難な方や、精神障害などの症状により満員電車や人混みが苦手な方もいらっしゃいます。

そんな時は、在宅訓練を利用することも1つの方法ではないでしょうか。また、最初から在宅勤務を目指す障害者の方にも在宅訓練がおすすめと言えます。

在宅訓練は自宅で仕事に必要なスキルを学ぶため、学んだことが就職後そのまま在宅勤務に直結するからです。

就労移行支援の在宅利用の訓練内容や特徴を解説

就労移行支援事業所で実施される在宅訓練は主にPC(パソコン)などを使ってオンライン上で支援員とやり取りを行いながら進めていきます。

また、講座形式で学んでいく部分は、映像授業を視聴して不明点がある場合はオンラインで個別にサポートするという仕組みが一般的です。

全て遠隔で就労移行支援が完結できるため、お家に居ながら仕事をするうえでに必要なスキルを習得することができます。

また、支援員との信頼関係の構築や、より適切な就労支援を実現するために、定期訪問や緊急時訪問でフォローしてくれるので安心です。

在宅訓練ではどんなことを学習していくの?

在宅訓練では、利用者の方が目標とする仕事に必要なスキルや資格取得のサポートから、働く上で必要な最低限のビジネスマナーまで障害のある方一人ひとりに最適な計画書を作成し、訓練していくことになります。

特に在宅ワークは、対面作業が無い分、相手への配慮や意欲などより適切なコミュニケーションが要求される場合が多いので、対人関係の接し方はしっかりと学習していくことが多いです。

また、メールや文書でのやり取りが増えることも自宅で就労ではありがちなので、メールの読み書きや文書作成の方法についても在宅訓練では取り入れられています。

あとは、在宅ワークで求人案件の多い、WEBデザインやプログラミングといった講座を用意して学習機会を与えている就労支援も見受けられます。

就労移行支援の中には資格取得をサポートする事業所も多く、就職を有利にすることが可能です。

また、下記の資格は障害者向けに特別措置が実施されているので、取得を目指してみると良いでしょう。

特別な措置が実施されているIT関連資格

資格試験名 主な特別措置
情報処理技術者試験 時間延長、点字対応、拡大問題冊子、答案用紙の選択、機器の持ち込み、試験室内の解除・付添者の入室、車椅子可、筆談対応など
情報検定(J検) 試験問題・解答用紙の拡大、マーク式への変更、車椅子可能な試験会場への変更
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) 時間延長、第三者のサポート、マウス・キーボードの持ち込み、車椅子可、補助資料の配布、ルーペ可、固定キーの利用など

日々の訓練内容の管理

在宅訓練の場合、遠隔から毎日ちゃんと計画通りに進められているのか、サポートは行き届いているかを把握することが必要。

したがって、利用者には日報を作成してもらい、オンライン上で共有することで日々の訓練を管理していくことになります。

また、就労移行支援事業所では、開始・終了の際はスタッフがオンライン上でサポートを行ってくれるところも。

常にコミュニケーションを取りながら就労移行支援が進められていくので、在宅訓練でも孤独や不安になる心配はありません。

在宅ワーク求人の紹介や就職サポート

在宅訓練で実施する就労移行支援の場合、自宅での仕事を希望するケースが多いため、テレワークや在宅ワークに関する求人の紹介を行っています。

ハローワークや人材企業、並びに在宅就業支援団体などと連携しながらテレワークでの就職を実現させていきます。

また、履歴書の書き方や面接対策などの就職活動のサポートも行い、自分の希望や働く意志を明確に伝えられるよう指導してくことも就労移行支援の在宅訓練の1つ。

さらに、就労移行支援事業所のなかには、就職前に在宅での実習機会を設け、実際に働く体験を通じて働く希望や条件をより深く見極められることができることもあります。

在宅で就労支援を受ける利用方法と手続きの流れ

在宅訓練を利用したい場合、利用条件や料金は就労移行支援事業所を通所する方と基本的に同じです。

18歳以上65歳未満の方で、一般企業への就職を目指す障害のある方なら利用できます。

では、どのような流れで在宅訓練の就労移行支援を利用できるのか、ここでは順を追って確認していきましょう。

就労移行支援事業所への問い合わせ

まずは、在宅訓練を実施している就労移行支援事業所が最寄りの地域にあるかを探すことから始めます。

もし、在宅訓練が可能な就労移行支援事業所が近くにあったら一度問い合わせてみましょう。

就労移行支援事業所の支援員などが、仕事に関する質問や相談並びに就労支援についてまで丁寧に対応してくれます。

見学相談会や無料体験に参加

問い合わせの段階で興味を持ったら、次は実際にどんな就労移行支援や在宅訓練を行っているか、見学会や無料体験を利することができます。

自分が希望する訓練が受けられそうか、就労移行支援事業のスタッフとは信頼関係を築けそうか見極めていきましょう。

受給者証の申請

もし、在宅訓練を受けたい就労移行支援事業所が見つかった場合、利用申請手続きを行い、受給者証を取得する必要があります。

受給者証の取得までには下記の手続きが必要なので、自分やお家の方だけでは難しい場合は、就労移行支援事業所にサポートを依頼すると良いでしょう。

  • お住いの市区町村窓口に申請
  • 障害支援区分の調査と認定
  • サービス等利用計画案を提出
  • 障害福祉サービス受給者証を発行

在宅訓練の利用開始

障害福祉サービス受給者証を取得したら、就労移行支援事業所と契約を結び利用開始となります。

就労移行支援事業所に個別支援計画書を作成してもらい、就職実現への在宅訓練がスタートです。

まとめ

就労移行支援事業所は通所しないと利用できない訳ではありません。在宅訓練という方法によって、通所が困難な方でも就職に必要な支援を受けることが可能です。

そして、在宅訓練だからといって通所に比べると支援サービスの内容が劣ることもなく、自宅でも定期訪問や遠隔サポートを上手く活用して社会復帰を目指すこともできます。

ただし、1点だけ留意しておきたいのですが、通所も可能なのであれば候補に入れておきましょう。

なぜなら、就職して一般企業で働くとなるとまだまだテレワークよりも出勤スタイルのほうが多いため、それに適応するには通所という習慣に慣れておく必要があるからです。。

さらに、通所することで細かい気づきや変化に支援員もより敏感に察知することが可能で、より適切な支援が行えることです。

在宅訓練の場合、自己管理に頼る部分も多く、働く意欲やモチベーションの低下、本人が持つ可能性を引き出す機会を失ってしまうこともあります。

したがって、まずは就労移行支援を受ける場合、在宅訓練が妥当であるかを医療関係者や支援者などと相談しながら決定していくことをおすすめします。

まずはお気軽にお問合せください。

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