慢性疲労症候群の方は、治療と仕事の両立に不安を抱えていませんか。慢性疲労症候群はとても症状の重い病気ですが、病名に「疲労」という言葉が使われているため誤解を受けやすく、つらい思いをされてきた患者がいることも事実です。
そのような状況で就職をする場合に、頼りになるサービスが就労移行支援です。就労移行支援は、慢性疲労症候群の方の不安や思いに寄りそえるサービスといえます。
この記事では慢性疲労症候群の症状や利用できる福祉制度とともに、ぜひとも利用したい就労移行支援について解説します。
チャレンジド・アソウ 広島事業所 /
チャレンジド・アソウ 大阪事業所 /
チャレンジド・アソウ 新大阪事業所 管理者
サービス管理責任者
監修:池田 倫太郎
株式会社チャレンジド・アソウ
立ち上げの中心メンバー。
就労移行支援事業、就労定着支援事業、
特例子会社の運営を行う。
慢性疲労症候群の方の就労移行支援を利用した就職活動
先にこの記事の結論からお伝えすると、慢性疲労症候群の方は、就労移行支援を利用することが就職活動で成功するコツです。なぜなら、就労移行支援は、慢性疲労症候群の病状を踏まえて不安な気持ちに寄りそったサービスであるからです。例えば、就労移行支援事業所では、様々な疾患や障害のある方にサービスを提供できる専門スタッフが配置されています。
このように、就労移行支援が役に立つサービスであると解説する前に、慢性疲労症候群の病状や利用できるその他の福祉制度について解説します。
慢性疲労症候群とは
慢性疲労症候群とは、筋痛性脳脊髄炎ともいわれる強い疲労感により生活に支障がある病気です。現在では、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」と両病名の併記が一般的です。
慢性疲労症候群の症状
慢性疲労症候群では、健康な方が突然激しい倦怠感・疲労感に襲われます。その後は、頭痛や脱力感、思考力の低下、精神神経症状などの症状が長期にわたって続き、個人差はありますが社会生活が難しくなる重症な方もいます。また、20~50代の方に多く発症し、男性よりも女性に多い病気です。
慢性疲労症候群の診断
慢性疲労症候群は2016年改訂された診断基準にもとづいて診断されます。診断基準は複雑なため下記のように簡潔にまとめました。
- 強い倦怠感による日常活動能力の低下
- 活動後に疲労や倦怠感がある
- 睡眠障害
- 認知機能障害
- 起立性調節障害
- 上記の症状が6ヵ月以上続くか再発を繰り返す
慢性疲労症候群の原因
慢性疲労症候群の原因が解明されておらず、現時点では下記のような原因が推測されています。
- 生活環境ストレス
- 遺伝
- 感染症
- 免疫異常
- 内分泌系の異常
- 脳・神経機能異常
最近の研究では、上記の原因が独立しているのではなく、密接に関連しあっていることがわかっています。
慢性疲労症候群の治療法
原因が解明されていないため、治療法としては下記のような対症療法しかないことが現実です。
- 服薬:漢方薬、ビタミン剤、抗不安薬
- 生活習慣の改善:睡眠、バランスのとれた食事、規則正しい生活
ただ、厚生労働省はプロジェクトを発足させ、治療法の開発や治療ガイドラインの作成のほか、治療薬の開発を行っています。
利用できる福祉制度を把握しておこう
慢性疲労症候群により日常生活に支障がある方は、生活の負担軽減のためにも福祉制度を利用しましょう。ここでは、3つの福祉制度を紹介しておきます。
- 傷病手当金
- 身体障害者手帳
- 障害年金
それぞれ重要なものなので、一つずつ確認していきましょう。
傷病手当金の申請
在職していて慢性疲労症候群の療養で働くことが難しい方は、疾病手当金を申請することが可能です。疾病手当金は、仕事以外の病気や怪我で働けない方に手当金が支給される制度です。
身体障害者手帳の取得
症状が重く療養生活を送っている方は身体障害者手帳の取得を考えてください。なぜなら、同手帳の取得によって下記のような福祉制度を利用できるからです。
- 助成:心身障害者医療費助成
- 手当:心身障害者福祉手当
- 生活支援:タクシー券、資金の援助
- 税の軽減:所得税、住民税、個人事業税
- 費用の割引:バス代、鉄道運賃、航空旅客運賃、NHK放送受信料
取得のためには申請が必要で、身体障害者福祉法第15条に定められた指定医の診断を受け診断書を作成してもらい、お住いの自治体の障害福祉担当窓口に申請します。申請方法が複雑ですので、あらかじめ担当窓口に相談してください。
障害年金の申請
障害年金は、病気や怪我で働けない方に年金が支給される制度です。年金制度ですが64歳以下にも支給されます。国民年金に加入している方が対象の障害基礎年金と、厚生年金に加入している方が対象の障害厚生年金の2種類があります。
申請方法としては、所定の様式による医師の診断書のほかに、受診状況等証明書や病歴・就労状況等申立書などの様々な書類の提出が必要です。用意する書類も多く難しいため、申請する場合は社会保険労務士事務所に相談するのが良いでしょう。
慢性疲労症候群と仕事との付き合い方
慢性疲労症候群の方にとって療養と仕事の両立は可能なのでしょうか。休職、勤務形態の変更、就職の3つの場面で考えてみましょう。
職場の理解を得て休職し治療に専念する
在職中の方が慢性疲労症候群を発症した場合、無理をしないで休職し治療に専念してください。なぜなら、生活環境ストレスが慢性疲労症候群の原因の一つに考えられているからです。職場の理解が得られるなら休職することをおすすめします。退職して回復後に新たな職場で働くことは様々な負担が伴います。できることなら、慣れた職場での復帰が望ましいといえます。
テレワークを利用した働き方
働き方を変えて体の負担を減らすことも考えてください。通常のオフィスワークでも慢性疲労症候群の方にとっては症状の悪化をまねく要因です。最近ではテレワークの導入が一般的な職場でも進んでいるため、仕事の内容によっては自宅での勤務が可能です。慢性疲労症候群の方にとって働きやすい自宅勤務なら、症状の安定だけではなく回復も期待できるでしょう。
就職する場合は障害者雇用も検討する
退職して慢性疲労症候群の療養に専念し、回復した後で就職することを希望されている方もいるでしょう。そのような場合は前述の身体障害者手帳を取得して、障害者雇用で就職することも考えてください。なぜなら、障害者雇用は障害者として様々な配慮が得られる働き方であるからです。昇給や昇進などの仕事にかかわることだけではなく、通院や勤務時間などの療養についての配慮も得られます。
ただ、どのように障害者雇用での就職活動をしてよいかわからない方がいるかもしれません。そのような場合に頼りになる就職支援が就労移行支援です。次章では就労移行支援について詳しく紹介します。
就労移行支援を利用して就職活動を成功させよう
就労移行支援は障害者総合支援法にもとづく就職支援で、事業所に通ってサービスを受けます。
就労移行支援とはどのようなサービスか
就労移行支援を利用すれば、就職に必要なスキルや知識を身につけられます。なぜなら、就職支援のスペシャリストである就労支援員や職業指導員が就労移行支援事業所に配置されていて、下記のような支援が受けられるからです。
- 職業訓練:PCやビジネスなどのスキル
- 就職活動の支援:履歴書作成、求人探し
- 就職後の定着サポート:モニタリングの実施
また、生活支援員も配置されているため、健康面の管理や生活相談などの生活サポートも受けられます。治療や生活に不安を抱えている慢性疲労症候群の方にとって、就労移行支援は心強いサービスといえます。
慢性疲労症候群の方におすすめな就労移行支援事業所とは
慢性疲労症候群の方にとって適切なサービスを受けられる就労移行支援事業所は、様々な疾患や障害のある方を支援している事業所です。なぜなら、慢性疲労症候群は身体だけではなく認知機能や精神神経の症状があるからです。
そのため、「身体障害者だけ」といった対象者が狭い就労移行支援事業所では、適切な支援が受けられないと考えられます。慢性疲労症候群の方は、様々な疾患や障害のある方の支援実績が豊富な就労移行支援事業所を利用するとよいでしょう。
チャレンジド・アソウがおすすめ
ところで、様々な疾患や障害のある方の支援実績が豊富な就労移行支援事業所とは、実際にどの事業所でしょうか。今回おすすめするのは、当ホームページの監修元でもある就労移行支援事業所チャレンジド・アソウです。
チャレンジド・アソウは精神保健福祉手帳を取得しているサービス利用者の割合が70%以上ですが、身体障害者手帳や療育手帳の取得者も利用している就労移行支援事業所です。そのため、様々な疾患や障害のある方の支援が得意ということが強みといえます。慢性疲労症候群の方は身体や精神などの様々な側面からの支援を期待でき、満足できるサービスを受けられますよ。
チャレンジド・アソウにご興味のある方は、ぜひこちらのページをご覧くださいませ。
就労移行支援を利用して就職活動を成功させよう
慢性疲労症候群の方は就労移行支援を利用することで、就職活動で成功できる可能性が高まります。特に様々な疾患や障害のある方を支援している就労移行支援事業所なら、慢性疲労症候群の症状を理解した満足のいく支援が受けられます。就労移行支援を利用してぜひ就職活動を成功させましょう。