内部障害の一種である「心臓機能障害」は、血液を全身へ循環させるポンプ機能に障害を持つ疾患です。
見た目では障害の程度が分かりにくいため、職場で適切な配慮を受けられるようにするには、就職・転職活動を行う際に自分の症状を正しく理解してもらう必要があります。
この記事では、心臓機能障害の概要と就労するときの注意点、また障害者の方が利用できる就労移行支援サービスについて解説していきます。
心臓機能障害とは?主な症状・疾患を解説
まずは、心臓機能障害をはじめとする内部障害の概要と、心臓機能障害の症状・治療方法について詳しく見ていきましょう。
心臓機能障害は内部障害の一種
心臓機能障害は血液の循環機能に障害を持つ疾患で、内部障害の1つに分類されています。
血液を循環させるポンプが正しく機能しないために体全体へ酸素が送られず、動機・息切れ・むくみ・チアノーゼといった症状が出るのが心臓機能障害の特徴です。
心臓機能障害は見た目では症状が分かりにくいですが、一般の方よりも疲れやすい・ストレスを感じやすいといった症状があるため、仕事をする際は一定の配慮が求められます。
心臓機能障害の他、内部障害として挙げられる疾患には以下のようなものがあります。
障害名 | 特徴 |
---|---|
心臓機能障害 | 心臓から全身に血液を送り出すための機能が低下する障害 |
呼吸器機能障害 | 肺機能の低下により酸素と二酸化炭素の交換がうまくできなくなる障害 |
腎臓障害 | 腎臓の働きが低下し、老廃物や水分の排出ができなくなる障害 |
膀胱・直腸機能障害 | 膀胱・直腸の機能低下により、排泄機能が妨げられる障害 |
小腸機能障害 | 小腸の機能が低下し、消化吸収がうまくできなくなる障害 |
肝臓機能障害 | 肝臓機能の低下により、倦怠感・黄疸・吐血などが生じやすくなる障害 |
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害(HIV) | 白血球の一種であるリンパ球の破壊によって免疫機能が低下する障害 |
心臓機能障害の症状・治療方法
心臓機能障害は先天性の疾患であったり、不規則な生活習慣によって心臓に負担がかかることで発症したりする障害です。
代表的な疾患として不整脈・狭心症・心筋梗塞・心不全などが挙げられる他、日常的に以下のような症状を伴うことから、心臓に強い負担のかかる活動が制限される場合もあります。
- 倦怠感
- 息切れ・呼吸困難
- 嘔吐
- 旨の締め付け感・圧迫感
- 手足のむみ など
心臓機能障害では基本的に薬物による治療が行われますが、症状の程度によっては人工弁やペースメーカーを埋め込む手術が必要となるケースもあります。
なお手術後は症状が落ち着くため、一般の方と同じように日常生活を送っている方や、一般企業に就職して働いている方も少なくありません。
心臓機能障害を持つ方が就職活動・仕事をするうえで気を付けたいこと
続いて、心臓機能障害などの内部障害を持つ方が働くうえで必要とされる配慮の例を見ていきましょう。
また合わせて、心臓機能障害の方にとって働きやすい環境・業種についても解説していきます。
仕事中に必要とされる配慮
心臓機能障害などの内部障害を抱える方が安心して働くためには、以下のような配慮の理解・協力を企業側から得ることが大切です。
- デスクワーク中心での業務にしてもらう
- 長時間の勤務や長時間の移動をともなう業務を避ける
- 重い荷物の持ち上げ・運搬作業を避ける
- 走る・階段の昇り降りといった行動を避ける
- 通勤のピーク時間を外した出社・退社の許容
- 通院に伴う時短勤務の許容
- レクリエーション活動への参加を避ける など
またペースメーカーを埋め込んでいる場合は、電磁波による影響を受けて誤作動する可能性があるため、高電磁波に接する環境を避けるといった配慮が必要です。
注意が必要な場所・機械の例としては、体脂肪計・MRI・アマチュア無線・発電施設・溶接機などが挙げられます。
就職しやすい業種
心臓機能障害を持つ方が働きやすい環境として挙げられるのが、事務職などのオフィスワークです。
オフィスワークは基本的に座った状態で働けるため、肉体労働に伴う身体的な負担がかからないというメリットがあります。
またオフィスワークであれば企業側に求められる配慮も最低限で良いため、職場の理解を得やすい・就職活動を比較的有利に進めやすいといったメリットも期待できるでしょう。
障害を抱える方のための支援サービス「就労移行支援」
心臓機能障害などの内部障害をはじめ、様々な障害・難病を抱える方のために用意された支援制度の1つに「就労移行支援」というものがあります。
ここからは、就労移行支援制度の概要と、ハローワークやその他の支援センターとの役割の違いについて解説していきます。
就労移行支援の特徴
就労移行支援とは、一般企業への就職を目指す障害者の方をサポートする通所型の福祉サービスです。
「障害者総合支援法」に基づく自立支援給付の1つで、身体障害・発達障害・知的障害・精神障害・指定難病を持つ18歳以上65歳未満の方が就労移行支援の対象となります。
就労移行支援事業所で受けられる主なサービス内容は以下の通り。
就職を目指すためのトレーニング | 就職時に必要となるスキル・ビジネスマナーなどを習得するためのカリキュラムに取り組みます。またこれらのトレーニングを通して障害に対する理解や職業理解を深め、自分のやりたい仕事・できる仕事を見つけるサポートを行います。 |
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就職活動支援 | 履歴書・職務経歴書の添削や、求人票のチェックなどを行います。また面接へ同行したり、就職に関する相談に乗ったりすることも可能です。 |
就職後の定着支援 | 就職先の職場で起こったことや悩んでいることに対する相談に応じます。内容によっては、直接企業側と相談を行うこともあります。 |
就労移行支援事業所は全国に3,400か所以上あり、事業所によって支援内容・カリキュラムは様々です。
通所申請を行う際は、自分と同じ障害を持つ方の就職実績がある就労移行支援事業所や、希望する職種に関するカリキュラムが充実している就労移行支援事業所から選ぶようにすると良いでしょう。
ハローワークや支援センターとの違い
障害者の方の就職活動をサポートする施設には、就労移行支援事業所以外にも以下のようなものがあります。
ハローワーク | 厚生労働省が管轄する公的な機関。障害者の方向けの求人紹介を行う窓口が設けられており、一般枠・障害者枠双方の求人をチェックできる。 |
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地域障害者職業センター | 障害者の方に対するリハビリテーションを提供する施設。希望する職種に合わせた作業のレクチャーなどを受けられる。 |
障害者就業・生活支援センター | 障害者の方に対する就業支援・指導を行う施設。就業面における支援の他、健康管理・金銭管理など生活全般に関するアドバイスを受けられる。 |
これらの施設でも就職活動に関するサポ-トを受けられますが、例えばハローワークは求人紹介、地域障害者職業センターではリハビリテーションが主な支援内容です。
一方の就労移行支援事業所では、仕事で必要なスキルの習得から履歴書の添削・面接への同行といった就職活動の支援、更に就職後の面談など、就職に伴う総合的な支援を行っているのが特徴。
事前の職場見学・体験ができるケースもあるので、一般企業への就職を希望しつつも思うように進まない・続けられないとお悩みの方は、就労移行支援の活用を検討してみましょう。
おすすめの就労移行支援事業所「チャレンジド・アソウ」
当メディアを運営している「チャレンジド・アソウ」も、就労移行支援サービスを行う事業所の1つです。
福岡・広島・大阪に事業所を構えており、一般的な就労移行支援サービスの他、連携企業への職場見学・体験といった幅広いプログラムを用意しています。
チャレンジド・アソウの特徴として、以下のようなポイントが挙げられます。
- いずれの事業所も最寄り駅から徒歩10分圏内にあり通いやすい
- 週1日から通所することができる
- 1人1人に合わせたオリジナルの就職プランを提案
- グループ企業とのネットワークを活かし、実習や就職活動をバックアップ
チャレンジド・アソウは一般企業への就職率85.7%、また就職後の定着率90%という高い実績を持つ就労移行支援事業所です。
心臓機能障害を抱える方で、一般企業への就職を希望している方は、ぜひ一度チャレンジド・アソウへご相談ください。
内部障害の概要と就労移行支援の活用方法まとめ
- 心臓機能障害は血液の循環を行うポンプの機能に障害をきたす内部障害の1つ
- 心臓機能障害の方は動機・息切れなどを起こしやすいため、身体への負担が少ないオフィスワークなどが適している
- 一般企業への就職を目指す場合は就労移行支援事業所への通所がおすすめ
就労移行支援サービスを活用することで、心臓機能障害に理解のある企業へのスムーズな就職活動が可能です。
チャレンジド・アソウは様々な障害を抱える方の就職実績を持つ就労移行支援事業所ですので、就職活動に対して不安のある方はぜひ一度お問い合わせください。