障害者向けの就職支援の情報を収集していると、「○○作業所」という名称の事業所を頻繁にみかけますね。多くの方は就労移行支援事業所との違いに迷われるのではないでしょうか。
この記事では、作業所と就労移行支援事業所の違いについて下記のようにまとめてみました。
- 作業所や就労移行支援事業所の経緯
- 就労移行支援のサービス内容
- おすすめの就労移行支援事業所
この記事を読めば作業所や就労移行支援の違いについて理解でき、障害福祉サービスの利用で悩まなくなりますよ。それでは、作業所と就労移行支援事業所について一緒に確認していきましょう。
作業所は以前の制度!現在は就労移行支援事業所や就労継続支援事業所に!
作業所が就職を支援する事業所と思われているかもしれませんが、実は現在存在していない障害福祉サービスです。
なぜなら、詳しくは後ほど解説しますが、作業所は以前の制度における事業所で、現在の制度で就職を支援する事業所は就労移行支援事業所であるからです。
以前は共同作業所や小規模作業所と呼ばれ事業所があり、一般企業で働くことが難しい方へ働く場を提供していました。
現在の制度では就職を支援する就労移行支援事業所、仕事をする場を提供する就労継続支援事業所に分かれています。
就労移行支援事業所や就労継続支援事業所について解説する前に、旧障害者自立支援法以前の作業所についてみていきましょう。
作業所や就労移行支援事業所の経緯
前述のとおり作業所は以前の制度の事業所で、現在の制度で就職を支援する事業所は就労移行支援事業所です。
新旧の制度を理解するためには、障害者総合支援法の前身の旧障害者自立支援法が施行される以前の状況を理解することが重要です。
旧障害者自立支援法以前は・・・
旧障害者自立支援法が施行される以前は、障害者へ仕事の機会を提供する障害者福祉サービスとして小規模作業所・共同作業所や通所授産施設と呼ばれる事業所がありました。
ただ、サービス利用者に支払われる工賃(最低賃金以下で給料・給料とは表現しない)が安い、就職支援もしていましたが一般企業への就職率が低いという状況だったのです。
旧障害者自立支援法施行によって低工賃・低就職率から脱却を目指す
低工賃や低就職率の問題を解決するために、2006年に旧障害者自立支援法が施行され就労支援を強化しました。
具体的には同法施行以前にあった作業所や通所授産施設などが、就職を目指す就労移行支援と、仕事の機会を提供する就労継続支援の2種類のサービスに分かれたのです。
その結果、関連施策の影響もあり、工賃と一般企業への就職率は上昇していきました。
作業所という名称は以前の名残
上記の解説を読んで、「今も作業所がある!」と多くの方が思われるかもしれませんが、これは以前の制度の名残といえます。
実際に就労移行支援事業所を探していると、2022年5月現在でも「△△作業所」や「○○福祉作業所」と、作業所という言葉がつく事業所をみかけます。
この作業所という言葉がつくほとんどの事業所は、旧障害者自立支援法が施行される以前から事業を行っている歴史のある就労移行支援事業所です。
つまり、障害福祉サービスの種類としてではなく、以前の名残として作業所という言葉が使われているのです。
現在は就労移行支援・就労継続支援事業所としてサービスを提供
前述したとおり以前存在した作業所という障害福祉サービスは、現在では就労移行支援と就労継続支援というサービス名に代わりました。両サービスの違いは下記のとおりです。
- 就労移行支援:一般企業への就職活動支援や仕事をするために必要な知識・スキルの習得訓練をする
- 就労継続支援:一般企業への就職が難しい方に対して、仕事の機会を提供している
なお、就労継続支援には雇用型で最低賃金以上の工賃が支払われるA型と、非雇用型で最低賃金未満の工賃が支払われるB型があります。
就労移行支援を利用すれば就職を目指せる!
就職を目指すなら就労継続支援ではなく就労移行支援です。この章では就労移行支援の制度の概要やサービス内容などについて解説します。
就労移行支援は就職を目指す障害者向けの制度
就労移行支援は一般企業へ就職し働き続けるため必要な知識・スキルの訓練や、就職活動のサポートなどが、原則2年間受けられる障害福祉サービスです。
ただ、すべての方が就労移行支援を利用できるわけではありません。就労移行支援の利用対象者は下記のとおりです。
- 就職し働くことを希望する方
- 障害者
- 一般企業への雇用が見込まれる方
- 18歳以上65歳未満
なお、障害者の定義は、障害者手帳を保有する方や、障害者総合支援法の対象疾病、自立支援医療受給者証を保有する方、医師の診断書のある方です。必ずしも障害者手帳の保有が条件ではありません。
就労移行支援のサービス内容
就労移行支援のサービス内容は下記のようにとても幅広くなっています。
- 生活支援:日常生活の相談、健康管理
- 職業訓練:パソコン、事務、ファイリング
- 実習:企業での職場実習、事業所内での作業活動体験
- 就職活動のサポート:適職診断、企業研究、職場見学、面接訓練
- 職場定着のサポート:自宅・職場での相談支援(就職後6ヵ月間)
上記のように幅広いサービスを受けられます。ただ、「職業訓練が充実している」「職場実習に力を入れている」など、事業所によってサービス内容に違いがあることが特徴でもあります。
就労移行支援のメリットとデメリット
前述のように就労移行支援のサービスは事業所によって特徴があります。この事業所ごとの特徴が、メリットでありデメリットであるといえます。
なぜなら、利用する事業所選びを間違った場合は、サービス利用者にとって無駄な時間を過ごすことになるからです。
自分にはメリットだがほかの人にはデメリットに・・・
例えば、事務職に転職・就職したい方には、ビジネススキルの職業訓練が充実している事業所を利用することはメリットが大きいといえます。
しかし、パンづくりや農場に転職・就職したい方にとってはデメリットといえるでしょう。そのような方にはパンづくりや農作業の作業活動体験が充実している事業所のほうがメリットが大きいのです。
つまり、就労移行支援のメリットを高めるためには、自分が就きたい仕事のスキルの訓練が充実している事業所を選ぶことが重要といえます。
チャレンジド・アソウなら就職活動に成功できる!
もし、就労移行支援を利用して転職・就職を考えているなら、チャレンジド・アソウをすすめます。
なぜなら、チャレンジド・アソウを利用すれば、サービス利用者一人ひとりにあった職場へ転職・就職できる可能性が高まるからです。
例えば、どのような業種・職種を目指すかについては、訓練を進める中でサービス利用者の適性を判断し、時間をかけて本人と話しあいながら決めていきます。
もし、どの就労移行支援事業所で訓練するか迷っているなら、チャレンジド・アソウがおすすめですよ。
チャレンジド・アソウを利用して事務職へ就職!
チャレンジド・アソウのサービス利用終了者の就職実績としては、事務職が一番多くなっています。
ただ、一人ひとりの適性を判断して職場を探すため、事務職以外の様々な職種への転職・就職実績も豊富です。
実績としては、就職率80%以上、6ヵ月後の職場定着率が90%以上という業界屈指の成績となっています。
まとめ
作業所は以前の障害者福祉制度の事業所で、現在は一般企業への就職を目指す就労移行支援事業所と、仕事をして工賃が支給される就労継続支援事業所に分かれています。
旧障害者自立支援法制定のポイントの一つに、作業所や通所授産施設の低工賃・低就職率という問題の解決がありました。
現在の制度の就労移行支援は一般企業へ就職するための訓練が受けられます。そして、就職に成功するための秘訣は自分にあった事業所を選ぶことです。