就労移行支援では、心の不調や障害のある方が一般企業に就職するためのサポートが受けられます。
主に「うつ病や適応障害などの精神疾患のある方」や「ADHDやASDなどの発達障害のある方」、そのほか知的障害・身体障害・難病のある方が利用できます。
就労移行支援は、高校生や大学生などの在学中の学生も利用できます。
今回は「高校生」と「大学生・短大生・専門学校生」の2つの視点から、就労移行支援のおすすめの利用方法やメリットをご紹介します。
※大学・短大・専門学校の学生の方は、下の目次からご自身に関連する項目を選択すると高校生編をスキップできます。
高校生におすすめの就労移行支援の利用方法
就労移行支援は障害者総合支援法に基づく福祉サービスです。
利用条件も法律で定められます。
利用条件の1つに年齢に関するものがあり、原則18歳以上65歳未満の方が利用できます。
そのため高校1年生や2年生は利用することができず、18歳になって高校3年生になったとしても日々の通学があり、利用が難しい実情があります。
しかし文部科学省がキャリア教育を推進するように、高校生のうちから「働くこと」を考えたり体験できる機会を得ることはとても大切です。
そのため私たちチャレンジド・アソウでは、「相談」や「短期体験・長期体験」の場として高校生の皆様にご利用いただいています。
たとえば、卒業後の進路相談や、仕事に必要なビジネスマナー、コミュニケーション、体調管理の仕方、パソコンスキルなどを学ぶ体験プログラムにご参加いただけます。
タイミングがあえば、企業説明会に参加して企業の話を直接聞くことも可能です。
チャレンジド・アソウでは様々な企業と連携し、職場体験として利用者さまを受け入れていただいてます。
どのような業務が行われているかの知見が豊富にあるので、アソウのセンター内で実践的に体験できます。
このほか「夏休みの間だけ」など学校の長期休暇を使って、アソウを体験利用することも可能です。
「社会にどのような業界・職種があるのか」「どのような仕事が向いてそうなのか」「自分はどのように働きたいのか」などを考えたり、パソコンの使い方やビジネスコミュニケーションの取り方なども学べます。
高校生のうちから就労移行支援を探している方は、それだけ将来だったり自分自身と向き合っている方だと思います。
そのようなあなたのお力になれると私たちも嬉しいので、まずはお気軽に下記フォームからご相談ください。
「何を相談すればいいのか分からない」という方には、私たちから寄りそった問いかけをさせていただきながら一緒に考えていければと思います。
高卒採用(一人一社制)の課題
高校生の就活(高卒採用)では、「学校斡旋」という学校の推薦を受けて応募することが一般的です。
この学校斡旋には「一人一社制」というルールがあります。
生徒が学校から「推薦」を受けて「応募」できるのが、基本「1社」だけとなります。
大学生や大人の就活のように複数の企業にエントリーをして、比較しながら就職先を見つけることができません。
そのため以下のようなデメリットが挙げられます。
- 成績優秀者から応募する企業を選べる
- 企業の選択肢が狭い
- ミスマッチが起こりやすい
学校が斡旋できる企業は、ハローワークに求人がある会社のみです。
そのためリクルートなどの民間求人サイトに掲載していてもハローワークに掲載していない企業は推薦してもらえません。
また学校の成績によっては希望の会社があっても応募することができず、望まない業界や職種で就職することになるケースもあります。
そのためミスマッチが起こりやすく、新規高卒就職者の37.0%が早期離職しています。(厚生労働省 令和5年10月公表「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」)
一人一社制が見直される動きはあるものの地域差も大きく、高卒採用には大きな課題が残っています。
高卒採用をあえて見送り、就労移行支援経由で就職する方も
就職はゴールではなくスタート。
メンタル不調や障害のある高校生にとって、病気や特性への理解や配慮を受けながら安心して働ける会社と出会えることが大切です。
そのため高卒採用で仕事探しをせずに、高校卒業後に就労移行支援を利用しながら就職先を見つける方もいます。
たとえば、高校生のうちに近隣の就労移行支援事業所に相談・体験しに行きましょう。
そして「ここに通いたい!」と思える事業所と出会えたら、高校卒業後に通いたいことを伝えましょう。
そのために必要なことをご案内いただけます。
私たちチャレンジド・アソウでは、高校生やご家族さまからのご相談や体験を積極的に受け入れています。
就職率85.7%、離職率0.7%と、多くの方が就職して安心して働き続けています。
「学生応援プラン」として高校生や大学生に特化したコースがあるので、詳しくはお気軽にお問い合わせください。
大学・短大・専門学校の学生におすすめの就労移行支援の利用方法
就労移行支援は18歳~65歳未満の方が対象なので、大学生や短大生、専門学校の学生も利用できます。
厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に関する意見等」によると、近年の大学では障害学生支援は学外連携が主となっています。
その学外連携先として就労移行支援があり、在学中の学生が利用しています。
平成29年に厚生労働省から下記の通達があり、卒業年度に利用することができます。
(詳しくは下記をご覧ください)
問13 大学在学中の卒業年度に、就労移行支援を利用することができるか。
大学(4年生大学のほか、短期大学、大学院、高等専門学校を含む。以下同
じ。)在学中の就労移行支援の利用については、以下の条件をいずれも満たす
場合に、支給決定を行って差し支えない。
① 大学や地域における就労支援機関等による就職支援の実施が見込めない
場合、又は困難である場合
② 大学卒業年度であって、卒業に必要な単位取得が見込まれており、就労移
行支援の利用に支障がない者
③ 本人が就労移行支援の利用を希望し、就労移行支援の利用により効果的か
つ確実に就職につなげることが可能であると市町村が判断した場合
どこの就労移行支援事業所を選ぶかは慎重に
在学中の学生も利用できる就労移行支援ですが、どの事業所を選ぶかは慎重になる必要があります。
特に重要なのが、就労移行支援事業所の就職率の確認です。
「厚生労働省 障害福祉課調べ(平成29年4月)」によると、一般企業への就職者なし(0人)の事業所が全体の30.5%あります。
確かな就職者実績のある事業所と、実績がない(または低い)事業所の二極化傾向にあるとも言えます。
私たちチャレンジド・アソウの就職率は85.7%と高く、業界トップクラスの実績です。
また就労移行支援では、就職後の職場定着サポートも受けられます。
就職はゴールではなくスタートなので、働き始めてからのサポートもきちんと受けられるかの確認も大切です。
そこで注目したいのが職場定着率です。
就職活動時の企業とのマッチングや、定着サポートがしっかりできていれば職場定着率も高くなります。
私たちチャレンジド・アソウの職場定着率は99.3%と、ほとんどの方が働き続けています。
在学中にアソウの就労移行支援を利用するメリット
就労移行支援事業所チャレンジド・アソウは、内閣総理大臣も務めた麻生太郎氏の曾祖父が創業した麻生グループの1社です。
医療・教育・人材などで日本経済を支えてきた麻生グループ110社以上の企業ネットワークを活かして、あなたに合った仕事探しと継続就労をサポートします。
アソウの職業訓練では、大学教授やパラリンピック金メダリスト、専門学校講師などが監修する実践的なプログラムが受けられます。
適職に就くための自己分析ができる
学生の就職活動とセットで語られやすいのが「自己分析」です。
皆さんはどのように働きたいですか?
「ハードルの高い仕事で働きたい」など人によって多様な考え方がありますが、もし「向いている仕事で働きたい」という思いがあるなら、自己分析は特に重要です。
自分の得意不得意や特性の傾向などを理解できてこそ、「どのような仕事が合っているのか」と適職について考えられるからです。
チャレンジド・アソウでは、さまざまな仕事を体験できる「しごトレ」があります。
100以上の仕事を体験しながら、「この仕事は合ってるな」「この業務は苦手だな」などの発見につながります。
適職を把握できると、たくさんの求人の中から自分に合った仕事を選びやすくなります。
そして就職後に「仕事ができない」と悩んだり「もう仕事を続けられない」と退職につながることを防げます。
希望職種に必要なスキルや知識を身に付ける
「できる仕事・難しい仕事」「向いてる仕事・向かない仕事」などの適職を把握しながら、希望職種を検討します。
そして希望職で働くときに困らないように、その職種に必要なスキルや知識を深めることが大切です。
チャレンジド・アソウでは、専門学校講師など監修のオンラインプログラムを受けられます。希望職に役立つスキルが自分のペースで学べます。
基本的な事務スキルやWord、ExcelやPowerPointの使い方のみでなく、簿記やデザイン(illustratorやPhotoshop)、プログラミング(HTMLやCSS)など興味のある専門的知識も身に付けられると好評です。
またコミュニケーション能力やストレスマネジメント、ビジネスマナーなど、働き続けるための総合力が身につきます。
どのプログラムを受ければよいかの支援プランも一人ずつ作るので、自分に合ったサポートが受けられます。
企業実習で自分に合った環境を知る
安心して働くために大切なのは、適職(自分に向いている仕事)を知ることだけではありません。
自分に合った職場環境を知ることも大切です。
たとえば「同年代より年上の人が多い職場のほうがよい」という人もいれば、「静かな環境より、にぎやかな職場のほうが質問しやすくてよい」という人もいます。
どのような職場環境が自分に合っているのか。
それを知ることでストレスを抑えながら働きやすくなります。
チャレンジド・アソウでは、麻生グループ内110社以上や連携企業で職場実習を取り入れています。
「失敗しても大丈夫な環境で実際の業務を体験し、働く自信を取り戻せた」「自分に合った職場環境に気づけた」と好評です。
また、職場実習からそのまま採用されるケースも多々あります。
病気や障害を就職活動の不利にしない
就職活動で不安なこととして、「障害や病気が採用の不利にならないかな」と心配に思う方もいるのではないでしょうか?
どのように伝えれば、採用担当者にネガティブな印象を避けられるのか。
チャレンジド・アソウでは、履歴書や職務経歴書の書き方や、面接での受け答え方法などをアドバイスしています。
面接にはスタッフが同行できるので、「面接でいつも落ちてしまう」「自己PRが苦手」な方にもおすすめです。
また採用担当者がうつ病などの精神疾患のある方を採用するときに心配なことに、勤怠の安定性があります。
勤怠が安定することで業務も割り振りやすくなるからです。
チャレンジド・アソウでは利用者さんの同意を得た上で、利用実績を採用担当者にお伝えします。
安定した通所実績をご覧いただくことで、勤怠面の不安解消につながります。
内定獲得時には適切な業務内容や働き方ができるように、企業と交渉します。
たとえば最初から週5日8時間のフルタイム勤務ではなく週3日4時間の短時間勤務から始めたり、平日日中の通院への理解なども得られるようにサポートします。
就職後の職場定着サポート
アソウのサポートは就職して終わりではありません。
就職後も継続してサポートします。
社会人として初めて働き始めると、想定していなかった悩みや困りごともきっと出て来ます。
不安や悩み、困りごとをひとりで抱えてしまわないように、就職後も定期面談等を実施しています。
たとえば企業に伝えたいけれど自分では言い出せないことなどあれば、アソウから就職先企業に掛け合い、働きやすい環境づくりをサポートします。
このような「自身の適性・特性の把握」「就職活動」「就職後の職場環境調整」などのサポートにより、就職率85.7%・離職率0.7%と多くの方が就職し、安定して働き続けています。
アソウの就労移行支援に少しでもご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。
「学生応援プラン」として大学生に特化したコースもあります。
あなたとお会いできる日を楽しみにしています。