「パニック障害のある自分が働けるのか?」
「就職できても、仕事を辞めずに長く続けられるのか?」
これらはパニック障害で療養中の方が抱えやすいお悩みの1つです。
働くことへの不安から就職活動への一歩が踏み出せない方もいるのではないでしょうか?
そのような時に役立つのが就労移行支援制度です。
仕事探しや面接対策などの「就職支援」や、安心して働き続けられるように「職場定着支援」を受けられます。
パニック障害だけでなく、幅広い病気や障害のある方が利用できます。
また福祉サービスなので、基本的に無料でサポートを受けられます。
2022年に就労移行支援を利用して就職した方は1万5千人以上!
(厚生労働省「障害福祉サービスからの就職者について」)
チャレンジド・アソウでも就労移行支援を利用して目標としていた仕事に従事し活躍されているパニック障害の方がたくさんいらっしゃいます。
本コラムではパニック障害のある方が就職し、安定して仕事を続けていくために大切な考え方や支援制度についてご紹介します。
パニック障害の症状とは
パニック障害とは突然強い不安や恐怖に襲われ、激しい動悸や呼吸困難といった症状が現れる精神疾患です。
症状は主に3つあります。
- パニック発作…突然なんのきっかけもなしに「死んでしまうかもしれない」ほどの不安と恐怖を感じ、激しい動悸や呼吸困難に襲われる。
- 予期不安…発作を繰り返すうち、「また発作が起きたらどうしよう」と常にストレスを抱える。
- 広場恐怖症…パニック発作が起きた場所や状況に強い恐怖を感じ、逃げられない場所を避ける。
パニック障害は働くうえでどのような影響があるのでしょうか?
たとえば、パニック発作が起きることで仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことが考えられます。
特に発作が重篤な場合、早退や休暇が必要になる可能性もあります。
また、予測不可能な発作を恐れ、電車や人ごみを避ける傾向にあるかもしれません。
その場合には通勤が可能な範囲や時間帯が制限されてしまいます。
パニック障害の有病率
パニック障害の有病率はおよそ100人に1人といわれています。女性の方が有病率が高く、発症年齢は20代から30代と働き手世代が最も多いです。
(厚生労働省「ICD-10診断による主要な精神障害の障害有病率」より)
パニック障害の原因はまだ詳しく解明されていませんが、脳内にある扁桃体や海馬などの神経系に異常が生じることで発症すると言われています。(厚生労働科学研究成果データベース「パニック障害の治療法の最適化と治療ガイドラインの作成」より)
うつ病との関係性
パニック障害の症状により、約半数の方がうつ病を併発すると言われています。
またその逆にうつ病からパニック障害を併発する事例も多くあります。
(R.C. Kessler et al.『Arch Gen Psychiatry55』801-808,1998より)
うつ病の併発によってパニック障害の症状が重くなるケースもあり、早めに治療を受けることが大切になります。
パニック障害の方に向いている仕事環境
パニック障害の方にとって自分にあった環境で働くことはとても重要です
自分にあった雇用形態や勤務形態で就職することで、症状の悪化や他の精神疾患を併発するリスクを抑えることができます。
そこで、パニック障害の方が無理なく仕事をするために下記のポイントを踏まえて仕事選びをすることをおすすめします。
生活拠点からの職場までの距離
不安感が強く電車や人ごみを避けている場合、通勤が可能な範囲や時間帯が制限されてしまいます。
しかしながら職場が遠方にあり満員電車に乗る必要があるのであれば、通勤自体が大きなストレスになりかねません。そのため、自宅から通いやすい職場を選び、無理のない範囲で通勤することをおすすめします。
また、最近では在宅ワークができる仕事を探すことも容易になりつつあり、副業や内職として多くの人が登録しているクラウドソーシングを活用すれば、ライティングやデザインなどの仕事を見つけることが可能です。
勤務時間の融通が利く
満員電車を回避できるよう会社側が勤務時間を調整してくれる場合もあります。
また、治療をしながら働くとなると突然発作が起きたり、仕事の合間に医療機関へ受診したりすることもあるかもしれません。
短時間勤務が可能で勤務体制が柔軟な職場であれば体調が悪くなったとしても無理なく働くことができます。
体調が悪いときでもきちんと仕事ができるか不安な方は、正社員でいきなり就職するのではなく、アルバイトやパート、派遣といったシフト制の仕事で徐々に慣れていくことも1つの方法です。
障害者雇用枠での就職・転職が安心して勤務可能
一般企業へ就職や転職をする場合、一般採用枠か障害者採用枠の求人か2種類ありますが、安心して勤務ができるのは障害者採用枠です。
一般採用枠で就職・転職する場合は、障害を前提としていないため十分な理解やサポートが得られない可能性があります。
いっぽう、障害者採用枠で就職・転職する場合、パニック障害のことを理解してもらった上で採用されるので、職場の人たちからの理解やサポートを受ける事ができます。
調子が悪く仕事ができない旨を言うと、シフト変更してくれたり、休みを取得しやすかったりと、安心して働ける環境を用意している企業も沢山あります。
また、障害者採用枠での就職活動であれば、就労移行支援のサポートを受けることができます。
たとえば、実際の面接に同行することができるので「面接で上手く話せるか不安」という方も安心して就職活動をすることができます。
そして内定獲得時には企業の担当者と面談し、障害特性にあわせた勤務体制の交渉をします。
このように、障害者採用枠では職場と就労移行支援事業所の2方向からサポートを受けられるので、安心して就職・転職することができます。
パニック障害の方が仕事復帰をするには就労移行支援が近道
パニック障害を患っている方は、うつ病など他の精神疾患と併発するリスクもあり、仕事や就職について真剣に悩まれている方も多いです。
「精神疾患と思われたらどうしよう」、「人に迷惑をかけたり、恥ずかしい姿を見られたりするのでは」と日常的に頭をよぎることもあるかもしれません。
しかし、パニック障害の方が安心して就職するため、様々な支援を利用することができます。
それは最近、精神疾患や障害に対する理解が一般市民から企業レベルまで広がり、また法的な支援も進んでいるからです。
その一つが「就労移行支援制度」です。この制度は、パニック障害を含む精神疾患や障害を持つ方が、就職を求める際に支援を受けられるというものです。
この就労移行支援制度のもと、就職サポートを行うのが就労移行支援事業所です。
就労移行支援事業所を聞き慣れない方も多いかも知れませんが、実は全国の地方自治体に3,300カ所以上もの事業所があります。
きっとあなたの住む街の近くにも就労移行支援事業所があります。
ここでは、就労移行支援事業所で受けられる支援を具体的に紹介します。
生活に関するトータルサポート
企業での仕事に備えて毎日同じ時間に就労移行支援事業所に通うことにより生活リズムや体調を整えていきます。健康管理のため、ストレスマネジメントやヨガを取り入れている事業所も存在します。
なかでも、チャレンジド・アソウでは大学教授やパラリンピック金メダリストが監修したフィットネスプログラムを受けることができ、体力回復に役立つと好評です。
ビジネススキルの習得訓練を受けて自信をつける
就労移行支援事業所ではまずカウンセリングを受け、パニック障害を持つ方が安心してできる仕事を相談しながら検討します。
目標とする仕事が決まったら、その仕事に必要なスキルや資格を身につけるための支援が行われます。パソコンなどの仕事に必要な実務的なスキルだけでなく、職場でのコミュニケーション能力を向上させるためのトレーニングも行われます。
実習で様々な職種を体験
就職に必要なスキルを磨いたら、より実践的なスキルを身につけるために就労移行支援事業所が提携する企業で短期間の実習を行います。
このように、さまざまな職種を体験することで、自分に合った職業を見つけることができますし、パニック障害の症状と向き合いながらできる仕事が存在することを実感できるでしょう。
就職活動への支援を受けて採用内定を実現
就労移行支援事業所はハローワークのように直接的な仕事の斡旋や仕事探し代行を行いません。しかし、ハローワークや人材紹介会社と連携してパニック障害の方と企業のパイプ役としての役割を果たします。
具体的には、雇用側の企業が了承すれば、就労移行支援事業所のスタッフが面接に同行するサポートも行います。これにより、パニック障害の方も安心して面接に臨むことが可能です。
さらに、就労移行支援事業所を利用して就職した方は企業から定着率が高いと評価されています。そのため、内定をもらえる可能性が高いことが期待できます。
就職後も安心の定着支援
就職した後も、パニック障害の方が自分の症状と向き合い、安定して仕事を続けていくための支援を受けることができます。
たとえば、定期的な面談を通じて、就労移行支援事業所のスタッフに不安なことや職場の困りごとを相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。
また、就労移行支援事業所のスタッフが企業担当者も交えて面談をし、周りの理解を得られるように間に入ってくれることもあります。
チャレンジド・アソウでは、就労移行支援の件をはじめ、いつでもご相談をお待ちしております。
就労移行支援制度を利用する際の条件や費用は
パニック障害の方に心強いサポートを行ってくれる就労移行支援事業所ですが、利用するには条件や必要費用などがあるのでしょうか。
ここでは就労移行支援事業所の利用条件を下記にまとめています。
就労移行支援制度の利用条件
- 原則18歳以上、65歳未満
- 障害者手帳をお持ちの方、もしくは難病や精神障害、発達障害の診断のある方
- 一般企業への就労を希望している方
就労移行支援の利用条件はこの3つだけです。
うつ病等の精神障害やASDやADHD等の発達障害の方の場合や難病の方の場合は障害者手帳がなくても診断書があれば利用が可能です。
また、休職中の方についても一定の条件を満たせば復職に向けて利用が可能です。
就労移行支援事業所の利用料金は
就労移行支援事業所を利用する際の費用は前年度の所得により変わってきます。
前年の世帯収入状況 | 負担金額 | |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割 16万円未満) ※入所施設利用者(20歳以上)・グループホーム利用者を除く |
9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
就労移行支援事業所に通われている方の8割~9割が無料で利用できているようです。
就労移行支援事業所の利用期限は
就労移行支援事業所の利用期間は原則2年間です。この2年の間に就職に必要なスキルを身につけ就職活動を行い、自分にあった仕事つまり適職を見つけることになります。
もし、就労移行支援事業所を2年間利用したけれど就職が実現できなかった場合は、延長申請が可能で認められれば最大12ヶ月間継続して利用可能です。
就職を目指すならチャレンジド・アソウで
私たちチャレンジド・アソウも、うつ病やパニック障害などで“働きたいけど働けない”方の就職をサポートする就労移行支援事業所です。
働くことへの悩みや不安に寄り添いながら支援させていただき、就職率は85.7%と多くの方が就職しています。そして、2024年の現在までたくさんのパニック障害の方が目指している仕事に就職し、活躍されています。
私たちと一緒に就職を目指しませんか?
パニック障害の方も安心して支援を受けられる、チャレンジド・アソウの特徴を紹介します。
無理のないペースで利用しながら体調を整える
パニック障害の症状により電車通勤で多くのストレスを抱えてしまう方もいるのではないでしょうか?
場合によっては、症状が悪化する原因にもなりかねません。
チャレンジド・アソウでは、自分のペースで無理のない範囲で始めることができます。
体調に合わせて、最初は週1日の短時間からスタートする方も多く、主治医の方とも連携しながら利用頻度を調節できます。
また、自治体から許可がおりると、在宅での訓練も可能となっております。
企業と連携し、就労をサポート
就労移行支援事業所チャレンジド・アソウは、内閣総理大臣も務めた麻生太郎氏の曾祖父が創業した麻生グループの1社です。
医療・教育・人材などで日本経済を支えてきた麻生グループ110社以上の企業ネットワークを活かして、あなたに合った仕事探しと継続就労をサポートします。
チャレンジド・アソウでは麻生グループ社内や連携企業で職場実習を行っています。実習を通して、仕事の向き不向きやストレスの感じやすい環境に気づくことができます。職場実習でマッチングしていればそのまま採用されるケースも多々あります。
内定獲得時には適切な業務内容や働き方ができるように、企業と交渉します。
たとえば最初から週5日8時間のフルタイム勤務ではなく週3日4時間の短時間勤務から始めることを提案し、平日日中の通院への理解なども得られるようにサポートします。
実際に働き始めてからも定期面談を実施し、日々の悩みや困りごとを1人で抱えずにご相談いただけます。
状況改善に向けて企業担当者と話し合うなど、あなたが働きやすい環境を一緒につくります。
そのため、チャレンジド・アソウでは就職後定着率93.1%という業界トップクラスの実績を誇ります。
パニック障害で仕事が不安という方へ、ぜひ私たちと一緒にあなたに合った就職を目指しましょう。
ご興味をお持ちいただけましたら、下記からお気軽にお問い合わせください。