「大丈夫だよ、頑張れてるよ」と昔の自分に伝えたい
Bさん(女性)
♦インタビューにご協力いただきありがとうございます。
まずはプロフィールを教えてください。
20代女性です。強迫性障害と不安障害があります。高校を中退後、数年引きこもっていましたが、チャレンジド・アソウを経て、事務職として就職し、一年が経過しました。
♦障害の特性について教えていただけますか?
・初めての場や環境に対し、極度の緊張を覚える。
・自分が周りに悪い影響を与えないかと不安になる。
例:公共の場を汚さないか不安、手を何度も洗わないと気が済まない
♦チャレンジド・アソウを利用した当初はどのような状況でしたか?
公共交通機関を利用するにも、周りの目が気になったり、自分が物を汚したらどうしよう、など不安が膨らむ日々でした。
一か月に数日しか通所がかなわず、社員に自分の悩みを伝えるにも上手く伝えられず…「体調が悪くて」の報告しかできませんでした。
♦それはしんどかったですね・・・どうやって乗り越えたんですか?
通所できない日も社員の方と電話で面談を重ねました。「体調が悪くて」だけになっていた報告に対して、社員の方に質問を重ねてもらい、具体的に話すことを練習しました。そうした中で、【不安や悩みなどを人に相談すること】を学びました。
”こんなことでも相談していいんだ”、”自分のことを理解してくれる人がいる”と安心できた頃から、週一回・週二回・・・という風に通所の回数を増やし、半年かけてチャレンジド・アソウに慣れていきました。その後も不安は尽きなかったですが、相談することを身につけたおかげで、徐々に楽になっていた気がします。
♦はじめての就職活動で困ったことはありませんでしたか?
初めての就職ということもあり、会社がどんなところか、働くとはどういうことかへの想像ができず、漠然とした不安があったことを覚えています。 ビジネスマナーや作業実習のトレーニング、自己理解を深める中で、全ての企業に合う人にならなくても、自分のできる範囲で、積み上げてきた状態で仕事をしていけばいいことを知りました。
障害者枠への理解も浅かったですが、社員の方がこまめに面談をしてくださる中で、ひとつずつ不安を解消していきました。
♦現在はどのようなお仕事をされていますか?
現在はアウトソーシングの会社で事務職をしています。
データ入力などのPC業務に限らず、仕分け業務・配達業務などの軽作業を含めた事務を行っています。
♦特性上、入社当初はさぞかし緊張されたかと思います・・・会社に慣れるまでに苦労はなかったですか?
面接の際に企業に自身の特性を伝え、配慮事項のすり合わせを行ったので、安心して働き始めることができました。何よりも、相談することをチャレンジド・アソウで身につけていたので、不安が襲ってきても、会社の方やチャレンジド・アソウの方に相談ができています。
不安をなくすことは難しいですが、軽くすることはできると知っているのは大きかったと思います。
♦就職後のチャレンジド・アソウの定着サポートはいかがでしょうか?
就職当初は週一回面談をしていただきました。会社への相談の仕方を一緒に考えていただいたことを覚えています。会社にもこまめに連絡をとってくださったので、当初は自分では伝えづらいことを伝えていただいたり、逆に自分の状況について企業の方から聞き取りをしていただきました。間にチャレンジド・アソウがいてくださったことで安心して業務の改善が行えたと思います。
現在は、基本的に自分で相談ができるようになっています。チャレンジド・アソウとも月に一度の面談で問題なくなっています。不安なことがあれば、都度メールや電話で相談を聞いてもらうこともあります。
”就職しても一人じゃない”と思える安心感は大きいです。
♦最後に、今後の展望や目標を教えてください。
自分が支えてもらったように、自分が誰かの役に立ちたいと思います。後輩ができたので、自分のできる範囲でサポートをしていこうと考えています。 現在は、短時間で勤務をしているので、ゆくゆくはフルタイムを目指して頑張ろうと思います。
♦インタビューにご協力いただきありがとうございました!最後に、これから就職を目指す方へ一言お願いします。
チャレンジド・アソウを利用する前の自分には想像できないような場所に、今自分が立っていることにいつも喜びを思えます。昔の自分に「今仕事をしているよ、大丈夫だよ」と声を大にして伝えてあげたいです。
もし、一歩踏み出すかどうかで悩んでいらっしゃるようでしたら、まずは上手く伝えられなくても悩んでることを人に伝えるのが大切だと思います。周りの人の力をかりながら、前に進んでほしいと思います。
ちょっとでも前に進むことを重ねていけばきっと大丈夫です。自分を信じて頑張ってください。
スタッフからのコメント
就職をしてからしばらくしたころに「仕事が楽しいです、毎日が明るくなりました」と笑顔でおっしゃっていたのがとても印象に残っています。これから悩むこともたくさんあると思いますが、Bさんは一人じゃないです。そして、Bさんらしく”ちょっとでも前に進めてれば大丈夫”です。社会人として、共に歩んでいきましょう。定着面談でうれしい報告が聞けるのを楽しみにしています。