生活相談員(ソーシャルワーカー)とは、主に高齢者が入所する介護施設にて、利用者・家族の相談対応や関係機関との連絡・調整などをおこなう仕事です。
介護系の職種は、仕事内容に対して給料が安いというイメージを持っている方も多いでしょう。実際のところ、生活相談員の年収はどのくらいなのでしょうか。
この記事では、平均給与から計算した生活相談員の年収事情とともに、生活相談員が給料を上げる方法をご紹介します。
生活相談員の仕事に関心がある方はもちろん、年収アップを目指したい生活相談員の方もぜひ参考になさってください。
チャレンジド・アソウ 広島事業所 /
チャレンジド・アソウ 大阪事業所 /
チャレンジド・アソウ 新大阪事業所 管理者
サービス管理責任者
監修:池田 倫太郎
株式会社チャレンジド・アソウ
立ち上げの中心メンバー。
就労移行支援事業、就労定着支援事業、
特例子会社の運営を行う。
気になる生活相談員の年収事情
生活相談員を目指すにあたっては、年収がどのくらいになるのか事前に知っておきたいものです。
平均的な年収を把握しておけば、求人票に書かれている給料は平均よりも高いのか安いのか、生活相談員の給料相場を確認する目安になるでしょう。
ここでは、厚生労働省の統計資料をもとに、生活相談員の年収事情をご紹介します。
生活相談員の平均給与から年収を計算
厚生労働省の統計「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」をもとに、生活相談員(月給・常勤)の平均給料をまとめました。
令和2年 | 平成31年 | 金額差 (令和2年−平成31年) |
|
---|---|---|---|
平均給与額 | 343,310円 | 332,980円 | 10,330円 |
平均基本給額 | 213,000円 | 209,420円 | 3,580円 |
※介護職員処遇改善加算(Ⅰ)〜(Ⅴ)取得(届出)済みの事業所における統計
参考:厚生労働省|令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02gaiyou.pdf)
令和2年における生活相談員の平均給与額は343,310円。これを年収に換算すると4,119,720円になります。平成31年の年収(3,995,760円)から123,960円増えており、生活相談員の給与面の待遇は向上しているようです。
年収には12ヶ月分の基本給と賞与、各種手当が含まれます。
支給される手当は職務手当や時間外手当、休日出勤手当、住宅手当などさまざま。何が支給されるかは施設・事業所によって異なります。
また、介護業務を兼務する生活相談員で夜勤がある場合は、深夜勤務手当が支給されます。
ボーナスはどのくらいもらえる?
多くの企業は一定水準以上の利益が出た場合、従業員に対して「賞与(ボーナス)」という形で還元しています。
下の表は、厚生労働省の統計「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに、令和2年における生活相談員のボーナスを企業規模ごとにまとめたものです。
企業規模 (人数) |
年間賞与額 (その他特別給与含む) |
---|---|
10〜99人 | 617,900円 |
100〜999人 | 709,400円 |
1,000人以上 | 771,600円 |
企業規模計 (10人以上) |
683,900円 |
参考:厚生労働省|令和2年賃金構造基本統計調査(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001152186&tclass2=000001152187&tclass3=000001152191&stat_infid=000032069431&tclass4val=0)
ボーナスの有無や支給金額は企業が自由に決められるため、実際の金額は勤務する施設や事業所によって大きく異なります。しかし、上の表を見ると、企業規模が大きいほどボーナスも高くなっていることがわかります。
ボーナスの金額は年収に影響するため、求人を探すときは月給・時給や年収だけでなく、賞与制度の有無や前年度の支給実績も確認しておきましょう。
なお、統計では「生活相談員」の区分がなかったため、「その他の社会福祉専門職業従事者」を参考にしています。
介護施設の種類で年収は変わる?
生活相談員の主な活躍の場は、日常生活を送るうえで手助けが必要な高齢者が利用する介護施設です。しかし、一口に介護施設と言っても、その種類や形態はさまざま。介護施設の種類は、生活相談員の年収に影響するのでしょうか。
ここでは、生活相談員の資格要件のひとつ・社会福祉士資格を持つ職員の年収について、介護施設の種類別にそれぞれご紹介します。
介護老人福祉施設に勤務する場合
平均給与額 (令和2年) |
年収換算 |
---|---|
383,970円 | 4,607,640円 |
参考:厚生労働省|令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02kekka.pdf)
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に勤務する社会福祉士の平均給与額は383,970円、年収に換算すると4,607,640円です。
数ある介護施設の中でも、特養に勤務する職員の給料は高くなる傾向があります。特養には要介護度の高い方が優先的に入居されるため、深夜も含む24時間体制での介護が基本になるからです。
介護老人保健施設に勤務する場合
平均給与額 (令和2年) |
年収換算 |
---|---|
379,670円 | 4,556,040円 |
参考:厚生労働省|令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02kekka.pdf)
介護老人保健施設に勤務する社会福祉士の平均給与額は379,670円、年収に換算すると4,556,040円です。
老健は在宅復帰を目指す施設として、要介護度の低い方も入居されています。要介護度の高い方が入居する特養と比べると、老健勤務の職員の年収は若干低くなるようです。
通所介護事業所(デイサービス)に勤務する場合
平均給与額 (令和2年) |
年収換算 |
---|---|
328,870円 | 3,946,440円 |
参考:厚生労働省|令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02kekka.pdf)
通所介護事業所(デイサービス)に勤務する社会福祉士の平均給与額は328,870円、年収に換算すると3,946,440円です。
基本的にデイサービスは日中時間帯の利用となるため、入居型施設のような夜勤がなく、特養や老健と比べると年収は低くなります。
生活相談員が収入アップを目指す方法
生活相談員が年収を上げるには、さらなるキャリアアップを目指すか、給料アップが見込める環境に移るかのどちらかになるでしょう。
ここでは、生活相談員が年収を上げるための具体的な方法をご紹介します。
ケアマネージャーの資格を取得する
ケアマネージャーとは、介護を必要とする方が最適なサービスを受けられるように、ケアプランの作成や関係機関との連絡・調整をおこなう専門職です。生活相談員のキャリアアップには、ケアマネージャー資格の取得が挙げられます。
ケアマネージャーは介護・福祉関連資格の中でも特に難易度が高い資格として知られ、試験の合格率は例年10〜20%程度。
取得が難しい資格ですが、ケアマネージャーの年収は下の表のように、生活相談員よりも高くなる傾向があります。
生活相談員がケアマネージャー資格を取得すれば、キャリアアップと年収アップを同時に実現できる可能性が高いでしょう。
平均給与額 (令和2年) |
年収換算 | |
---|---|---|
介護支援専門員 (ケアマネージャー ) |
357,850円 | 4,294,200円 |
生活相談員 | 343,310円 | 4,119,720円 |
参考:厚生労働省|令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02gaiyou.pdf)
施設長(ホーム長)になる
生活相談員のキャリアアップには、施設全体をマネジメントする管理者を目指す道もあります。
施設長やホーム長になると、利用者に提供するサービスの質の管理はもちろん、スタッフの採用や育成、施設運営における財務管理など、さまざまな業務が発生します。
施設全体に目を向ける責任の大きい役職ですが、その分給料アップを見込むことができるでしょう。
夜勤がある職場に転職する
すぐに年収アップを目指すなら、夜勤がある職場に転職するのもひとつの方法です。介護業務との兼務で生活相談員を採用する職場もあり、入居型の介護施設では生活相談員も夜勤に入ることが考えられます。
夜勤があれば1回ごとに夜勤手当が支給され、回数に応じて支給額も増えるため、年収アップにつながるでしょう。
まとめ
令和2年における生活相談員の平均給与額は343,310円、これを年収に換算すると4,119,720円になります。
年収は介護施設の種類によっても違いがあり、要介護度の高い方が優先的に入居される特別養護老人ホームの場合、日中勤務のデイサービスよりも年収は高くなる傾向があります。
生活相談員がさらなる年収アップを望むなら、難易度の高いケアマネージャー資格の取得や施設全体を管理する施設長(ホーム長)を目指すのがおすすめです。
また、介護業務との兼務で夜勤が発生する職場、より高収入が期待できる職場への転職を視野に入れるのもよいでしょう。
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