就労移行支援には興味があるけど、通所にハードルを感じている方も多いと思います。
実際に就労移行支援事業所には送迎サービスがあるかの質問はよくある相談の1つです。
そこで今回は就労移行支援事業所の通所サポートと送迎サービスをテーマに解説していきます。
チャレンジド・アソウ広島事業所
管理者 サービス管理責任者
精神保健福祉士・社会福祉士
監修:中野 富美子
精神保健福祉士として20年経験し、
以前から興味のあった就労移行支援に
チャレンジする事となり現職に至る。
就労移行支援事業所のよくある質問「送迎サービス」
就労移行支援事業所によるある問い合わせの1つ送迎サービスの有無ですが、結論から言うと事業所によって異なります。
つまり、全国にある就労移行支援事業所の中には送迎サービスを取り入れている施設もあります。
徒歩や自転車での通所が困難な方を対象に、送迎というかたちで就労移行支援をサポートしているようです。
ただし、自宅から就労移行支援事業所までの送迎ではなく、駅や決められた場所からの送迎となる場合がほとんど。
ちなにに送迎は無料で利用可能です。
【注意点】通所も訓練の1つ
就労移行支援事業所に送迎サービスがあれば、より多く障害がある方が就職を目指して必要な就労支援を受けれるかもしれません。
しかし、毎日決まった時間に通所することは社会復帰を実現するうえでは非常に重要な自立訓練の1つ。
安定して就労移行支援事業所に通所できるようになることで、生活リズムが身に付き、就職後の通勤も可能になります。
毎日、就労移行支援事業所に通所ができるか不安な人も安心してください。
まずは支援員と相談しながら通所トレーニングをはじめ、最終的には平日の通所ができるようになるようサポートしていきます。
通所が困難だからと送迎サービスを最初から探さず、まずは就労移行支援事業所に相談してみることをおすすめします。
就職後の通勤を見据えて通所の支援サポートが受けられるかもしれません。
送迎加算の種類と算定方法
就労移行支援の送迎サービスについて調べていると「送迎加算」という言葉を目にすると思います。
送迎加算とは、届出を行い就労移行支援事業所をはじめ障害福祉サービスが利用者の送迎を行うことで、事業所が報酬を受け取ることができる制度のことです。
つまり、就労移行支援を利用する側ではなく、支援を提供する事業所側の制度となります。
送迎する利用者の人数や回数によって送迎加算は(Ⅰ)または(Ⅱ)に分類され、受け取れる送迎加算が異なります。
なお、送迎加算の種類によって取得できる単位(報酬)は異なりますが、ここでは就労移行支援や就労継続支援が該当する「成人の日中系送迎加算」について簡単に紹介していきます。
送迎加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の要件と違い
送迎加算(Ⅰ)および(Ⅱ)の要件を図でまとめると下記のようになります。
種類 | 要件 | 単位数 |
---|---|---|
(Ⅰ) | 1回の送迎につき平均10名以上が利用(利用者が20人未満の事業所は、1回の送迎につき平均的に定員の100分の50以上)、 および、週3回以上の送迎を実施 | 21 |
(Ⅱ) | 1回の送迎につき平均10人以上が利用(利用者が20人未満の事業所は、1回の送迎につき平均的に定員の100分の50以上)、または、週3回以上の送迎を実施。 | 10 |
要件にある「1回の送迎者数」と「週あたりの回数」の両方を満たすか、いずれか1つの要件を満たすかによって(Ⅰ)または(Ⅱ)となるか違いが生じます。
【まとめ】まずは就労移行支援事業所にご確認を
以上、今回は就労移行支援事業所の送迎サービスの有無について紹介しました。
送迎サービスは就労移行支援事業所によっては利用可能ですが、少しずつでも通所ができるよう訓練を行うことが就職して仕事をするという目標実現のためには大切となります。
就労移行支援事業所では、就職ができるようサポートをおこなうのはもちろん、利用者が毎日安定して通所できるよう支援するのも重要な役割の1つです。
通所できるようになれば利用者も自信につながり、職業の選択肢や可能性も大きく広げることができます。
まずは、通所が心配な点を就労移行支援事業所に相談してみてください。
そして、どうしても送迎サービスが利用したい方は、自治体の窓口などに相談してみると、送迎ありの就労移行支援事業所を紹介してくれると思います。