2018年、厚生労働省が発表したデータによると、就労移行支援制度の利用者数は3.5万人以上に増加しているとのことです。
障害や難病を抱えている人が積極的に就職し、社会参加するようになったこと、そして働き手の確保という側面から企業が積極的にそういった方々を雇用するようになったことが理由と言われています。
そんな就労移行支援サービスを行なっているのが就労移行支援事業所。
全国に3,500箇所以上あるこの就労移行支援事業所に通う目的について今回はお話していきます。
チャレンジド・アソウ博多事業所
就労支援員 精神保健福祉士
監修:山本 慎也
15年に渡りテレマーケティング会社等にて
人材育成・マネジメント業務に従事。
行政コールセンターの構築にて福祉に
触れたことがきっかけとなり現職に至る。
就労移行支援事業所に通所する目的とは一般企業への就職
結論からお話すると就労移行支援事業所に通所する目的とは”一般企業への就職”、そして就職後職場に安定して通えるようになる、いわゆる”職場定着”です。
障害や難病を抱える方が一人で自分にあった職業を見つけ(適職探し)、就職活動をすることは非常に大変なことです。
もちろん履歴書を作成したり、面接対策などを行うことはもちろん、就職活動している間のリハビリや通院などもこなさなくてはいけません。
そんな障害や難病を抱える方を強力にサポートするのが就労移行支援事業所なのです。
就労移行支援制度の利用は原則2年間。65歳までの方が対象で、一般企業への就職を目的として利用されることが条件です。
就労移行支援制度の利用期間や条件
就労移行支援 | |
---|---|
利用期間 | 原則2年 |
利用目的 | 就職するために必要なスキルを身につける |
対象者 | 一般企業へ就職することを希望する方 |
雇用契約 | なし |
賃金 | 一部事業所を除きなし |
年齢制限 | 65歳未満 |
利用料金 | 前年度世帯収入による |
就職という目的を果たすために就労移行支援事業所が行なってくれるサービスとは
さて就労移行支援事業所に通所する目的とは”一般就職を果たすこと、そして職場定着すること”なのですが、具体的に就労移行支援事業所が行なってくれるサービスとはどのような流れや内容なのでしょうか。
それらを詳しくみていきます。
就労移行支援事業所のサービス①ビジネススキルの習得をサポート
就労移行支援事業所のサービス1つ目はビジネススキルの習得をサポートすることです。
就労移行支援事業所の利用が始まるとまず、就労移行支援事業所のスタッフによるカウンセリングが行われ、自分の障害や病気と上手く付き合いながら仕事をしていく目的や目標を相談しながら考え、決めていきます。
それらは個別支援計画と言います。この個別支援計画に基づき目的(一般企業への就職)を果たすために必要なビジネススキルやマナーなどを就労移行支援事業所で身につけていきます。
また自己理解や自己管理、コミュニケーション、ストレスコントロールなど就労移行支援事業所に継続して通うことで身に付ける部分も就職という目的達成において非常に役立つと言えるでしょう。
さらに就労移行支援事業所の提携先の企業に赴いて実践的なトレーニングも体験できるのは就労移行支援制度ならではです。
就労移行支援事業所のサービス②就職活動の相談や支援
就労移行支援事業所はハローワークや人材派遣会社とは違い、直接的な仕事の斡旋や職業紹介はしませんが、それら職業斡旋所とのコミュニケーションをとって利用者にあった就職活動先を見つけてくれるのも就労移行支援事業所のサービスの一つ。
目標とする業種や企業を定めることができれば、あとは就職活動を行なっていくだけです。
就労移行支援事業所のスタッフが履歴書の書き方や長所のアピールの仕方、面接の対策などを親身に行なってくれるでしょう。
就労移行支援事業所のサービス③就職後の相談や問題解決へのサポート
目的である就職が成功したあと、大事なことは継続して職場に通うことができ、ストレスなく仕事を続けていけるかという職場定着です。
障害や難病を抱える方にとっては新しい職場ではいろいろな不都合やストレスがあるかもしれません。
通院やリハビリをしながら職場へ定時に通勤をするのも初めは苦労することも考えられます。
就労移行支援事業所は一般企業への就職がもちろん最大の目的ですが、障害や難病を抱える方が「自分らしさ」や「やりがい」を感じることができるように就職後も積極的にサポートします。
例えば、”仕事中に周りの雑音が気になる”、”通勤ラッシュ帯の通勤が辛い””通院するので早退したいが言いにくい”など悩みやストレスを感じていて、自分では上司や同僚に言いづらい場合など、就労移行支援事業所のスタッフが間に入って調整をしてくれます。
まとめ
いかがだったでしょうか、今回は就労移行支援制度を利用する際の「目的」、そしてその目的を達成するための「就労移行支援事業所のサービス」についてお話してきました。
就労移行支援事業所は障害や難病を抱えている方が自立し、一般企業への就職を果たすこと、そして職場に定着することを目的として多くの方に利用されています。
就労移行支援事業所が行う体験会や見学への参加がおすめ
就労移行支援事業所は制度利用の前にまずは体験会や見学への参加の場を設けていますので、まずはそれらに参加して雰囲気を感じてみるのがおすすめ。
様々な年齢の障害や難病を抱える方が、それぞれの目的達成のために自分のペースで事業所を利用しています。同じような境遇の方と仲良くなったり、一緒に励ましあいながら目的に向かうのも良いでしょう。
2年間という利用期間ですが、その間に得られるものは多いはず。
ぜひ就労移行支援事業所に興味がおありでしたら、一度お気軽にお問い合わせください。