免疫機能障害(HIV感染症)の方は、就職活動に不安を感じているかもしれません。免疫機能障害(HIV感染症)は、現在では治療しながら社会生活や就業ができる疾患です。ただ、以前は不治の病や性行為で感染する疾患といわれていたため、現在でも免疫機能障害(HIV感染症)の方に対する誤解があります。そのような不安な状況で頼りになる就職支援制度が就労移行支援です。
この記事では、免疫機能障害(HIV感染症)の症状や治療法、利用できる医療・福祉制度とともに、就職活動で頼りになる就労移行支援について解説します。
就労移行支援を利用した免疫機能障害(HIV感染症)の方の就職活動
免疫機能障害(HIV感染症)の方は、就職活動で就労移行支援を利用することが成功のコツです。なぜなら、就労移行支援は免疫機能障害(HIV感染症)の方の病状や不安を理解し、就職後も仕事での悩みや職場での不安を解決して、安心して働けるようにサポートするサービスであるからです。
そんな就労移行支援が免疫機能障害(HIV感染症)の方に利用しやすいと理解するためにも、まずは免疫機能障害(HIV感染症)がどのような疾患なのか解説します。
免疫機能障害(HIV感染症)とは
ここでは、免疫機能障害(HIV感染症)を理解するために、HIVとエイズの違いや症状、治療法について解説します。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)とエイズの理解
免疫機能障害(HIV感染症)の他に、HIVやエイズ、ヒト免疫不全ウイルスなどの様々な用語があり、すべて同じ意味と思っている方がいるかもしれませんが違う意味を表します。まずはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)とエイズについて解説します。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
HIVとは、ヒト免疫不全ウイルスの英名である「Human Immunodeficiency Virus」の略称です。人はHIVに感染してもすぐに症状は現れません。この症が現れない状態を「無症候性キャリア」といいます。
エイズ
エイズ (AIDS) とは、後天性免疫不全症候群の英名である「Acquired Immunodeficiency Syndrome」の略称です。人はHIVに感染し症状が現れない状態を過ごしたあとに、HIVによって次第に免疫力が低下しカンジダ症やカポジ肉腫などの23種のエイズ指標疾患を発症します。この状態をエイズといいます。
免疫機能障害(HIV感染症)の症状
免疫機能障害(HIV感染症)には、急性期・無症候期・エイズ発症期の3期間があり、現れる症状が違います。
急性期
HIVに感染し2~4週間後に下記のようなインフルエンザに似た症状が現れます、多くの場合は自然に消えます。
- 発熱
- 咽頭痛
- 筋肉痛
まれに、これらの症状が現れず無症状の人もいます。
無症候期
急性期から数年~10年は、体の免疫力でHIVの量が減少するため症状が現れません。
エイズ発症期
無症候期のあとに免疫力が低下し前述のエイズ指標疾患を発症します。
免疫機能障害(HIV感染症)の治療法
免疫機能障害(HIV感染症)の治療法は、抗HIV薬による薬物療法です。HIVを体内から完全に消せませんが、抗HIV薬によって血液中のHIVが測定できないレベルまで抑えられ、エイズ指標疾患を発症しない状態になります。
現在も研究が続いているので、さらなる治療にも期待したいですね。
医療・福祉制度を利用することも忘れずに!
免疫機能障害(HIV感染症)の症状で日常生活が制限される方は、身体障害者手帳を申請し取得することをおすすめします。なぜなら、身体障害者手帳を取得することで様々な医療・福祉制度を利用でき、日常生活における心身の負担を軽減できるからです。
身体障害者手帳の申請
身体障害者手帳は身体障害者福祉法にもとづく制度で、免疫機能障害(HIV感染症)は同手帳交付の対象疾患です。
身体障害者手帳とは
身体障害者手帳とは、身体上の障害がある人に対して交付される手帳です。身体障害者福祉法では、免疫機能障害(HIV感染症)は内部障害の一つに該当しており、その他の手帳交付対象の内部障害は下記の通りです。
- 心臓機能障害
- 腎臓機能障害
- 呼吸器機能障害
- 膀胱・直腸機能障害
- 小腸機能障害
申請方法
身体障害者手帳の申請方法としては、身体障害者福祉法第15条にもとづく指定医の診断を受け、作成された診断書をお住いの自治体の担当窓口を提出します。指定医を探すことや申請が複雑なことがあるため、事前に担当窓口に相談することをおすすめします。
利用できる医療・福祉制度には何があるか
免疫機能障害(HIV感染症)の方が利用できる主な医療・福祉制度には下記の通りです。
- 助成:自立支援医療(更生医療・育成医療)、心身障害者医療費助成
- 手当:心身障害者福祉手当
- 生活支援:タクシー券、生活資金の貸し付け
- 税の軽減:所得税、住民税、自動車税
- 費用の割引:JR・私鉄旅客運賃、タクシー代、水道・下水道料金
上記の制度は、自治体によって制度の有無や利用条件が異なります。詳しくはお住いの自治体に確認してください。
免疫機能障害(HIV感染症)と仕事との付き合い方
免疫機能障害(HIV感染症)の治療をしながら就業する場合、どのようなことが重要でしょうか。一つひとつ解説します。
治療をしながら社会生活や就業ができる
免疫機能障害(HIV感染症)の治療をしながら社会生活や就業をすることは可能です。なぜなら、現代では抗HIV薬による薬物療法が確立しているからです。定期的に受診し服薬を継続すれば、死に至る危険性はありません。そのため、社会生活や就業などの一般的な生活を続けられます。
職場に伝える必要はあるか
免疫機能障害(HIV感染症)であることを職場に伝える必要はありません。ただ、感染したことに混乱してしまい、不用意に伝えてしまう人もいるようです。また、身体障害者手帳には障害名が記載されているため管理は気をつけましょう。
転職する場合は障害者雇用も考える
身体障害者手帳を取得し転職する場合は、障害者雇用も考えてください。なぜなら、障害者雇用は会社から障害者であることの配慮を受けられるからです。例えば、仕事の面だけでなく通院日の調整といった治療に対しての配慮があります。免疫機能障害(HIV感染症)であることを伝える必要はありますが、周囲の理解を得られやすいため心身の負担を軽減できます。落ち着いて働くためにも障害者雇用を検討しましょう。
障害者雇用で就職する場合は、就労移行支援の利用が就職活動の成功のコツです。次章では就労移行支援について解説します。
就労移行支援を利用した就職活動
免疫機能障害(HIV感染症)の方にとって就労移行支援は、就職活動で利用しやすいサービスです。就労移行支援について一つひとつ解説します。
就労移行支援のサービス内容
就労移行支援とは障害者総合支援法におけるサービスの一つです。障害のある方が就労移行支援事業所に通って、就労支援員や職業指導員などのスタッフの支援を受けることで、実際の仕事で役に立つスキルが身につきます。就労移行支援事業所では主に下記のサービスが受けられます。
- スキル・ビジネスマナーの訓練
- 就職活動のサポート
- 就職後の定着サポート
また、就労移行支援事業所では生活のサポートもあるため、免疫機能障害(HIV感染症)の方は安心してサービスを利用できます。
免疫機能障害(HIV感染症)の方はどのような就労移行支援事業所を利用するべきか
免疫機能障害(HIV感染症)の方は、就職後の職場定着率の高い就労移行支援事業所を利用するべきです。なぜなら、就職活動で重要なことは、治療をしながら安定して働ける職場に就職することであるからです。
大企業に就職できてもすぐに退職しては就職した意味がありません。自分の適性を把握し自分にあった職場を見つけて、長く安定して働くことが重要です。そのためにも、就職した職場に定着できるように支援する就労移行支援事業所を利用しましょう。
免疫機能障害(HIV感染症)の方におすすめするチャレンジド・アソウ
ところで、職場定着率の高い就労移行支援事業所とは具体的にはどの事業所でしょうか。今回おすすめしたいのが就労移行支援事業所チャレンジド・アソウです。なぜなら、チャレンジド・アソウは職場で役立つ実績的なトレーニングだけではなく、職場に定着できるように就職後のサポートを充実させている就労移行支援事業所であるからです。
具体的には、就労移行支援事業所のスタッフによる、月1回以上の面談の実施や定期的なモニタリングにより、免疫機能障害(HIV感染症)の方が抱える職場での不安や悩みなどの小さな変化を見逃しません。
そのため、就職先の担当者と連携を素早く行えるため、問題を初期の段階で解決できます。このように、免疫機能障害(HIV感染症)の方には就労移行支援事業所チャレンジド・アソウの利用をおすすめします。
下記ページでは業界でもトップクラスの就職率・定着率を誇るチャレンジド・アソウでの1日のスケジュール例や利用者のデータなども公開しているので、ご興味のある方はぜひご覧になってみてください。
就職活動で就労移行支援を利用しよう
免疫機能障害(HIV感染症)の方は就労移行支援の利用により、長く安心して働ける職場に就職できる可能性が高まります。なぜなら、就労移行支援は免疫機能障害(HIV感染症)の方の病状や不安を理解したうえで支援し、就職後も職場に定着できるようにサポートするからです。就職することそのものよりも、治療をしながら安定して働けることが大事です。そのためにも、ぜひ就労移行支援を利用してください。