厚生労働省によると、平成16年度の時点でひきこもりのいる世帯は約32万世帯とされており、現在は100万人を超えるとも言われています。
ひきこもりで悩んている本人、またはご家族の方に伝えたいことは、適切な処置や支援を受ければ社会復帰も不可能ではないということです。
引きこもりを対象にした就職支援や就労支援を行う施設はNPO法人を含めたくさんあるので、個人や家族だけで悩まず関係機関に相談することが重要となります。
もし、何らかの障害が原因で引きこもりになっている場合は、就労移行支援事業所が利用できるかもしれません。
そこで今回は、就労移行支援事業所の利用でひきこもりを克服できる理由を就労移行支援サービスの内容を踏まえて解説していきます。
障害のある方でひきこもり・ニートは意外と多い
ひきこもりは、不登校や無職・ニートなど社会的な関わりを持たず自宅で6ヶ月を目安に自宅に留まっている状態のことを表します。
ひきこもりになるケースは、いじめなど人間関係や挫折体験が原因で起きることもありますが、統合失調症が原因であることも多いです。
統合失調症は、早期発見による病院での治療を行えば、症状の改善が期待できますが、放置しておくと症状の悪化に伴い、うつ病や不安障害と言った精神障害を引き起こすことも。
また、発達障害や自閉症に気づかず、その特性が周囲に理解されないことがきっかけでひきこもりになってしまうこともあります。
気分の浮き沈みが激しい、現在の生活環境が合わない、周囲との差を感じると言った場合は早めに専門の医療機関を受診することをおすすめします。
本人が病気を否定し、受診を拒否する場合は、家族がまず医師に相談して今後の対応の指示を仰ぐのも打開策として1つの方法です。
就労移行支援なら生活面から改善して就職へと導きます
30代を過ぎると、ひきこもり期間が何十年と長期間に及び、かつ、人生で一度も仕事をしたことがないという人は社会復帰ができないと諦めている人も多いと思います。
しかし、就労移行支援事業所で適切な訓練やサポートを受けることで、企業に就職することは決して不可能ではありません。
ひこもり歴が長い人でもなぜ就労移行支援事業所を利用すれば仕事が見つかるのかをここでは確認していきましょう。
職業準備性ピラミッドに則ったカリキュラム
職業準備性ピラミッドとは、働くうえで必要となる生活習慣や対人スキル・実務スキルなどを表すものです。下記の画像のように5つの段階に分かれており、ピラミッドの土台となる部分から積み上げていくことで、じっくりと会社に適応できるスキルを磨いていきます。
利用者の現在の状況に合わせてその人に適したペース配分を調整するので、ひきこもり期間が長く、いきなりの社会復帰が怖いという方にもおすすめです。
仕事の経験がなくても職業訓練やインターンがあるので心配無用です
仕事をしたことがない人は、働き方が分からず不安を感じているひきこもりの人も多いはず。
就労移行支援事業所では、社会で必要なマナーから一般常識やスキルまで1つずつ丁寧に教えてくれるので安心です。
また、職業訓練を通じて自分の長所が見つかったり、目標を達成していくことで自信を取り戻す、社会とのかかわりを持つことでコミュニケーションが取れるようになったりと、様々なメリットが得られます。
さらに、ひきこもりが原因で今まで全く仕事をしたことがなくても、就労移行支援事業所ではインターンや実習を通じて実際に会社の職場で働くことが可能です。
実際に働くことで、ひきこもりだった人でもどんな職種や働き方が向いているかが分かるようになります。
就活対策を行うため就職先が見つかることが多いです
仕事未経験が長いと就職活動をしても内定がもらえるか不安を感じている引きこもりの方もいることでしょう。
しかし、就労移行支援事業所では面接対策から徹底して対策を行い、自信を持って臨めるようサポートするので安心してください。
ひきこもりだった人が就職を実現して社会で活躍しているケースは沢山あります。
また、企業側が承諾すれば、就労移行支援事業所のスタッフが面接に同行し、通所の状況や訓練の態度など企業側に伝え、雇用側の不安解消も一役買ってくれます。
入社後も引き続きフォローが受けられるので安心です
ひきこもりだった人はコミュニケーションを苦手とする場合も多いので、入社後の人間関係などに苦労しないか心配だと思います。
就労移行支援事業所では訓練でコミュニケーション講座を開講していることも多く、入社までにはひきこもりだった人でもスキルを習得可能です。
また、就労移行支援事業所では会社に就職した後も引き続き、定着して仕事が続けられるようサポートしていきます。
定期的に面談の機会を設けてくれるので、仕事のことや人間関係のことなど何でも相談してください。
就労移行支援事業所のスタッフは時には会社側と相談して問題を解決してくれる心強い存在です。
ひきこもりは一人で悩まず就労移行支援の利用で社会復帰を目指してみませんか?
ひきこもりの方は、統合失調症をはじめ精神障害が原因であることも多いので、適切な治療やトレーニングを行えば就職して社会復帰は十分に可能です。
引きこもり支援を行う就労支援施設もありますが、精神障害などが原因であれば就労移行支援事業所を利用することできます。
就労移行支援では、生活リズムの確立から就職後の定着に至るまで一貫したサポートを行っていますので、ひきこもりの方やそのご家族の方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
次のページでは、就労移行支援事業所の一つであるチャレンジド・アソウの就職率や定着率といった実績データの公開と、無料の見学会のご予約などを承っています。解離性障害で仕事探しや就職に悩んでいるという方は、ぜひ次のページをご覧ください。