就労継続支援B型とは、一般企業で働くことに難しさを感じる方が利用できる障害福祉サービスです。
主に以下のような方が利用しています。
- 一般企業で働ける自信がない
- 一般企業で働く前に、安心できる環境からスタートしたい
- サポートを受けながら、無理なくできる仕事から始めたい
- 自分のペースを大切に、少しずつ社会復帰していきたい
就労継続支援B型事業所を利用することで、自宅やクリニック以外にも居場所ができます。
活動範囲が広がることで生活リズムも少しずつ整えながら、自分に合った仕事や生産活動ができます。
一般企業と就労継続支援B型で働くことの違い
一般企業では、働くにあたって雇用契約を結びます。
しかし就労継続支援B型では、雇用契約を結びません。
そのため労働関係の法令も適用されません。
これにより就労継続支援B型事業所では、自分らしく居られやすくなります。
調子の良いときは事業所でできる仕事に取り組んだり、あまり気分が乗らないときは働かずに読書をしたり好きなことに取り組むこともできます、
また一般企業では就職前にスキルや知識のあることが前提になりますが、就労継続支援B型ではそれらを求められません。
興味のある仕事があれば、その仕事をどのように行えばよいのかのサポートを受けながら取り組めます。
そのため実践的に働きながら、ビジネススキルやコミュニケーションマナーなどが学べます。
就労継続支援B型の対象者・利用条件
就労継続支援B型とは、障害福祉サービスの1つです。
そのため障害のある方が利用できます。
たとえば以下のような障害のある方が利用できます。
- 精神障害(精神疾患):うつ病、適応障害、統合失調症、不安障害、
パニック障害、てんかん、高次脳機能障害など - 発達障害:ADHD(注意欠陥多動性障害)、
自閉スペクトラム症(自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害)、
学習障害、トゥレット症候群、吃音症など - 知的障害
- 身体障害
- 難病 など
障害者手帳は必須ではありません。医師の診断があれば、手帳をお持ちでない方も利用できる可能性があります。
障害福祉サービスのため、最終的に自治体の判断がおりて受給者証が発行されれば、どなたでも利用できます。
このほか、たとえば「就職の経験はあるが、現在は理由(年齢、体力、その他症状)があって一般企業への就労は難しい方」や「サービス管理責任者のアセスメントにより就労面の課題が把握されている方」、「障害基礎年金1級を受給している方」などが利用しています。
対象年齢
就労継続支援B型事業所は、年齢制限はありません。
障害のある方でしたら、年齢に関係なく利用できます。そのため特別支援学校を卒業したばかりの若い人もいれば、
60歳を超えた方も利用しています。
就労継続支援B型事業所ごとに特色があるので、若い方ばかりの事業所もあれば中高年の方が多い施設もあります。
自分がどのような環境にいたいのかを考えて、それに合った就労継続支援B型事業所を選ぶことが大切です。
利用期間
就労継続支援B型は、いつまでも利用できます。利用期間に制限はありません。
就労継続支援B型事業所には、自治体から「訓練等給付費」として給付金が支給されます。
そのため赤字にならずに運営できるので、廃業の心配なく利用を続けることができます。
就労継続支援B型の仕事内容(作業内容)
就労継続支援B型事業所で、どのような仕事・作業ができるかは事業所によって異なります。昔ながらの福祉施設のイメージのように、
パンやお菓子、手芸品などの制作をメインにする事業所もあります。
一方で、パソコンを使った仕事ができる事業所もあります。データ入力だけではなく、事業所によってはアニメやマンガ制作、動画編集などのサブカルチャー関連に特化した事業所も近年は出てきています。
また新型コロナウイルスの感染拡大以降は、就労継続支援A型でも在宅勤務できるケースが増えています。
大きくまとめると、主に以下のような仕事があります。
- 事業所内での簡単なデータ入力
- 書類整理や仕分けなど軽作業
- 工場内でパッキングやピッキング
- 手工芸品づくり
- 部品加工
- 事業所が運営するカフェやレストランの接客や調理
- 農作業
- クリーニングや清掃作業など
どのような仕事があるのか、在宅勤務できるのかなどは就労継続支援B型事業所ごとに異なるので、問い合わせてみましょう。
勤務時間や勤務日数
就労継続支援B型では雇用契約を結ばないため、柔軟に働くことができます。
たとえば1日数時間だけ働いて、あとは事業所内で自由に過ごしたり帰宅する方もいます。
また滞在時間のほとんどを仕事に従事する方もいれば、働くために必要なスキルの習得に励む方もいます。
そのため勤務時間も個々によって様々であり、勤務日数も明確な定めはありません。
短時間勤務なども可能で、体調が悪化して療養に専念したい時はしばらくお休みすることもできます。
就労継続支援B型の平均工賃
就労継続支援B型では雇用契約を結ばないので、給料は支払われません。
その代わりに行った仕事の分だけ、工賃がもらえます。
いただける工賃は、従事した仕事内容や仕事量などに左右されます。単価が高い仕事をたくさん行えば工賃も多くなる一方で、あまり仕事をしなければ支給工賃は少なくなります。
このように作業をした分や出来高に応じて支払われる歩合制の事業所もあれば、「1日いくら」のように定額の事業所もあります。
厚生労働省による「令和3年度工賃(賃金)の実績について」によると、就労継続支援B型事業所の平均工賃は14,393円になります。時給に換算すると平均233円になります。
「自分のペース」と「収入」を両立できる働き方ならチャレンジド・アソウ
自分のペースで自分らしくいられる就労継続支援B型事業所。
しかし収入の低さがデメリットの1つです。「自分のペース」と「収入」は両立できないのでしょうか?
チャレンジド・アソウは、どちらも諦めずにサポートする就労移行支援事業所です。(就労移行支援事業所については後述)
自分のペースで取り組める「じっくりトレーニングコース」では、1年~2年で一般企業で働くことを目指せます。
就職前のサポートから就職後までトータルサポートするので、就職率85.7%、離職率0.7%と多くの方が就職し、
その後も安心して働き続けています。
チャレンジド・アソウで就職した方の平均収入は16万円のため、就労継続支援B型の平均工賃の11倍以上です。
障害年金を受給中の方なら月25万円弱ほど得られる可能性もあります。
チャレンジド・アソウの利用者の声
- うつ病で退職してから4年が経ち、引きこもりがちの生活でした。もう働くのは難しいかなと社会復帰を諦めていたときに、
主治医にチャレンジド・アソウを紹介されました。家以外に自分の居場所ができ、苦手だったコミュニケーション方法なども学びながら再就職できて良かったです。 - 朝起きられず、昼夜逆転の生活になっていました。生活リズムを改善したいと思うものの、ひとりでは難しかったです。チャレンジド・アソウを利用するようになり、CCフィットネスで体を動かすと、夜に寝付きやすくなりました。体重も減らせて良かったです。パソコンの資格を取り、事務職で就職することが今の目標です。
就労継続支援B型のデメリット
自分のペースで働けることがメリットの就労継続支援B型。
その一方でデメリットもあります。たとえば以下のようなデメリットがあります。
- 一般企業で働くよりも給料が低い
- 利用期間に制限はないが、生涯賃金が低くなる
- 一般企業で働きたいと思っても、就労移行支援に比べると十分なサポートが受けられない
- B型事業所で働くために、人によっては利用料が発生することも
- B型事業所には1日に受け入れられる利用定員があるので、利用したくでも利用できないことがある
- 人気の事業所だと新しい利用者を募集をしていないことがある
このように高い工賃が狙えたり、人気のある就労継続支援B型事業所では、利用者の募集をしていないことがあります。
就労移行支援事業所について
就労移行支援事業所とは、障害福祉サービスの1つです。
就労に関する障害福祉サービスには、「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」「就労移行支援」の3つがあります。
就労継続支援A型・B型は、障害のある方に働く場所を提供するサービスです。
一方で就労移行支援は、一般企業で安心して働くために必要なサポートが受けられます。
たとえばチャレンジド・アソウでは、以下のようなサポートが受けられます。
- 体力や生活リズムの改善
- カウンセリング(定期面談)
- 働くために必要なスキルや知識の習得
- 自分に合った仕事や職場環境の発見
- 働く自信につながる企業実習
- 履歴書・職務経歴書の作成
- 面接練習
- 希望条件にあう求人開拓
- 面接同行
- 内定先と業務内容や勤務体系の交渉
- 就職後の定期面談
- 会社から必要な配慮が受けられるように環境調整
働くための準備から適職の発見やスキル習得、就職活動では応募書類の作成サポートはもちろん面接同行もあるので、自己PRが苦手な方も安心できたと好評です。
就職後も必要な配慮を受けながら安心して働けるように企業と調整するので、99.3%の方が辞めることなく働き続けています。
詳しくは特設サイトをご覧ください。
利用料金について
就労移行支援は福祉サービスなこともあり、チャレンジド・アソウの利用者のほとんどが無料(自己負担額なし)で利用しています。
利用料金は厚生労働省によって定められています。
前年度の世帯年収によって、自己負担額が変わります。負担額は利用日数によって異なりますが、1か月の利用限度額が下記のように決まっているので、たくさん利用しても負担上限額を超えることはありません。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(注) (所得割16万円未満、収入約600万円以下) |
0円 |
一般① | 市町村民税課税世帯 | 9,300円 |
一般② | 上記以外 ※20才以上の入所施設利用者、グループホーム、 ケアホーム利用者で市町村民税課税世帯の場合に適応 |
37,200円 |
就労継続支援A型と就労継続支援B型の利用料金
就労継続支援A型と就労継続支援B型事業所も、前年度の世帯収入によって利用料金は変わります。
年収がおおむね300万円以上の場合、自己負担額が発生します。
ただ利用する事業所が行政に利用料減免の届を出している場合は、自己負担額を事業所に負担いただけます。
就労継続支援B型から就労移行支援制度への移行
就労継続支援B型は、一般企業への就職が難しい障害・難病のある方が利用できます。
しかし就労継続支援B型を利用しているうちにリハビリが進み、一般企業への就職を志す方もたくさんいらっしゃいます。
その場合、就労移行支援を利用することができます。
ただ就労移行支援に移行した場合は、給料や工賃などの報酬は原則もらうことができません。
就労継続支援A型やB型は仕事をすることが目的ですが、就労移行支援は一般企業への就職を目的とするためです。
ただ就労移行支援を利用して一般企業に就職できた場合、給与は格段に増えるケースが非常に多いです。
チャレンジド・アソウの就職率は85.7%と、日本トップクラスの就職率を誇ります。
平均月収もB型平均工賃の11倍以上になっております。
詳しくは特設サイトをご覧ください。
就労継続支援A型・就労継続支援B型・就労移行支援の違い
就労に関する障害福祉サービスには、「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」「就労移行支援」の3つがあります。
それぞれの特徴をまとめた比較表を作成しました。
各サービスの概要把握のご参考になりますと幸いです。
就労移行支援 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | |
---|---|---|---|
利用期間 | 原則2年 | なし | |
目的 | 就職するために必要なスキルを 身につける |
働く場所を提供する | |
対象者 | 一般企業へ就職することを 希望する方 |
現時点で一般企業への 就職が困難、または不安な方 |
|
雇用契約 | なし | あり | なし |
賃金 | 一部事業所を除きなし | あり/平均月収約7万円 | あり/平均月収約1,5万円 |
年齢制限 | 65歳未満 | なし | |
利用料金 | 前年度世帯収入による |
就労継続支援B型と就労継続支援A型との違い
就労継続支援A型・B型の大きな違いは、雇用契約の有無です。
就労継続支援B型はA型と同じく、一般企業への就職が不可能な障害を持つ方や難病を抱えている方が利用対象です。
しかしA型では一般企業のように雇用契約を結びます。そして就労可能な職場に人員配置され、週5日など通所して仕事をします。
利用期間に関しては就労継続支援A型と同じく、B型も利用に際し年齢制限や利用期間に制限はありません。
しかし就労継続支援B型は雇用契約を結ばずに働くので、給料ではなく工賃という名目で報酬を受け取ります。
就労継続支援B型は長時間の就労が困難な方や体調や精神面で不安定な方が自分のペースで働くのに向いており、A型はある程度安定して仕事をすることができる方に向いています。
就労移行支援や就労継続支援B型を利用するには
就労継続支援B型や就労移行支援を利用したいと思ったら、大きく2つの方法があります。
1つは、行政の福祉課などに相談しましょう。あなたに合った就労支援事業所をご紹介いただけます。
もう1つは、インターネットなどで気になる事業所を探し、直接お問い合わせをする方法です。
チャレンジド・アソウでは、「資料請求」と「相談予約」の2つの問い合わせフォームがあります。
ご相談は「対面相談」「電話相談」「オンライン相談」が可能です。
ご自身に合った相談形式をお選びいただけます。